死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―(39)試練を強く闘うには 米田武義

2015年10月29日10時56分 コラムニスト : 米田武義 印刷
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今回は病気の試練であったが、前回は平成6~7年のいわば人間関係によるものであった。今で言うリストラに関わるものであった。当時、バブル経済崩壊の影響を受け、当社の大口得意先がバタバタと廃業や倒産に追い込まれ、当社の経営内容は見る見るうちに悪くなっていった。過剰従業員の削減も早急の問題であったが、辞めたら再就職困難であることは目に見えていたので、皆必死に抵抗した。今まで良好な人間関係が悪化し、そういう中で仕事を続けていくのは苦しかった。しかし並行して、人員削減の努力もしなければならず、ついに私は精神的にまいってしまい、心療内科で薬をもらいつつの不規則な通勤となった。今考えてみると、切羽詰まった物の考え方をして、本当の意味の冷静さや客観性に欠けていたように思う。袋小路に入ってしまい、迷い込んで同じことの堂々巡りであった。その時も、御言葉を頼りにノートを作り、日々何度も御言葉に思いを馳せるのが日課ではあった。でも日々の本当の心の平安は得られなかった。何か恐ろしい脅迫感のようなものにとりつかれていた。御言葉で得られる平安の底に、得体の知れぬ恐れが常に横たわっていた。神経が弱っていることもあった。私は本当に死よりも苦しいことがあるということを日々味わった。

このリストラに関する試練は、本当に不思議な、奇跡としか思えない方法で、平成7年の5月末に解決された。瞬時であった。私はこの試練を通じて、自分の力のなさを、弱さを存分に知らされた。神様が問題を解決してくださったからよかったものの、解決に至るまでも、自分の信仰は何の力をも発揮できなかった。弱い信仰のあまり、精神的にダウンしてしまう始末であった。「試練の解決」とともに「試練の期間」も同様試練であろう。むしろ「試練の期間」の方が、精神的に懲らしめがきついと言える。

今回、曲がりなりにも「試練の期間」を割合平安な気持ちで過ごせているのは、兄弟姉妹の支えがあったからだ。聖書を読むだけで交わりのないのは、この世に生きている限り、あり得ない信仰方法であると思う。

「ですから、あなたがたは、互いに罪を言い表し、互いのために祈りなさい。いやされるためです。義人の祈りは働くと、大きな力があります」(ヤコブ5:16)

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米田武義

米田武義(よねだ・たけよし)

1941年4月16日、大阪生まれ。大阪府立三国丘高等学校、国立静岡大学卒業。静岡県立清水東高校定時制教師を勤めた後、東北大学大学院、京都大学大学院(国土防災技術(株)国内留学生)で学ぶ。国土防災技術(株)を退職し、(株)米田製作所を継承する。2008年4月8日、天に召される。著書に『死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―』(イーグレープ)。

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