死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―(37)命の恩人を忘れるな 米田武義

2015年10月14日06時16分 コラムニスト : 米田武義 印刷
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命の恩人を忘れるな

私の腫瘍は、本年度2月に診断された結果では、ステージ4(一番進行した状態)で、転移した肝臓ではH3(5センチ以上のがんが7カ所)という、いずれも最高位の進行性がんであった。2月4日に結腸を手術した時には、肝臓の方はどうしようもなかったが、治療が始まり、続けられた。私は、11月に入って手術をするということを聞くまで、あまり詳しくは治療効果というものを知らなかった。11月28日の手術直前になって初めて、先生が劇的な効果があり、肝臓にできたがんの数が4カ所になり、大きさも2・5センチになったと聞いた。つまり手術できるレベルになっているということであった。

私は、背後に神の働きを覚えた。全てを働かせて益としてくださる神の働きを覚えて。医師の先生方、看護師さん方、教会の牧師さん方、教会で祈ってくださったり見舞ってくださったりしてくれた方々、近所の人々の励ましや肉親の見舞い等々。また、治療の方法や、教会生活や、日常生活、食生活、余暇の過ごし方等々、生活全般にわたって神様が関与され、益となる方向に転じてくださった。

世的に言うなら、神様は私の命の恩人である。多くの人が経験することがない経験をもって、神はこのことを私に教えてくれた。今後何をするにも、このことを肝に銘じて行わねばならない。つまり神の栄光をたたえるために、何事をも行わねばならない。

「私の神、主よ。私があなたに叫び求めると、あなたは私を、いやされました」(詩篇30:2)

腸の手術を行った後も、神様に感謝をし、賛美をしていた。しかし肝臓の腫瘍のことを考えると、気持ちが暗くなるのを抑えることはできなかった。自然に心から喜んでの賛美、感謝ではなく、冷静に淡々としたそれであった。人間には心から喜んでということが難しい時もあると分かった。肝臓の手術が済んで初めて、心からの感謝、賛美に変わった次第で、まことに上下動の激しい心と認めざるを得ない。

「初心忘るべからず」ということわざがあるが、この貴重なる経験を決して忘れてはならない。いくら貴重な経験でも、人間はすぐに忘れてしまう。その経験が神の意図ある恵みであり続けることができるよう、私にとっても最重要な価値あるものでありますように。

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米田武義

米田武義(よねだ・たけよし)

1941年4月16日、大阪生まれ。大阪府立三国丘高等学校、国立静岡大学卒業。静岡県立清水東高校定時制教師を勤めた後、東北大学大学院、京都大学大学院(国土防災技術(株)国内留学生)で学ぶ。国土防災技術(株)を退職し、(株)米田製作所を継承する。2008年4月8日、天に召される。著書に『死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―』(イーグレープ)。

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