人工妊娠中絶に反対し、命の大切さを訴えるプロライフの行進「マーチ・フォー・ライフ」が25日、東京都内で行われた。小さな子どもから高齢者まで約40人が参加し、日比谷公園(東京都千代田区)から弾正橋(同中央区)まで、銀座など都心部を通る約3キロの道のりを、横断幕やプラカードを持って練り歩いた。
マーチ・フォー・ライフは、米連邦最高裁が1973年、中絶を憲法上の権利とした「ロー対ウェイド」判決を出したことを受け、翌74年から米首都ワシントンで始まった。米国では全米最大のプロライフイベントとなり、2022年には同判決が約半世紀ぶりに覆されるなどした。今年はJ・D・バンス副大統領が演説し、胎児の命を守る政治的・文化的な取り組みを継続するよう求めた。
行進は世界各地で行われており、日本では「⼩さないのちを守る会」の代表だった故辻岡健象牧師らクリスチャンの有志らが呼びかけ人となり、14年にスタート。昨年までは、「産みの日」にかけて「海の日」(7月第3月曜日)に行われてきたが、今年は発祥の地である米国やフランスに合わせて1月に行われた。
厚生労働省の発表によると、24年に日本で行われた中絶は約12万8千件で、前年に比べ1250件余り(約1%)増加した。一方、24年の出生数は約68万6千人。中絶によって胎児の6人に1人が命を奪われている計算になる。
行進では、「命のための行進です。お腹の中にいる赤ちゃんを守るために歩いています」などと言い、「罪のない、声のない赤ちゃんを大切にしなければなりません」「神様から授かった大切な命を堕胎してはなりません」と訴えた。
行進を主催するマーチ・フォー・ライフ・ジャパンの代表で、フランス人カトリック信者のポール・ド・ラクビビエさんは、日本では10年前から行進に参加している。現在8人の子どもがおり、この日はこのうち2人と一緒に参加し、子どもたちは横断幕を掲げるなどした。
ラクビビエさんは、3つの観点から中絶に反対している。1つ目は道徳的観点で、中絶は罪のない最も弱い存在である胎児を殺す行為だと指摘。殺人は禁止されるべき行為だが、現代社会ではなぜか胎児の殺人である中絶だけは認められていると話した。
2つ目は信仰的観点で、命は神が授けるものであり、赤ちゃんは神からの賜物だと強調。その赤ちゃんを殺すことは、神からの賜物を捨てる行為であり、神に対する侮辱でもあると述べた。
3つ目は社会的観点で、中絶を認めることは、最も弱い存在の殺害を認めることであり、社会の破壊につながると話した。ラクビビエさんはこれを「死の文化」と呼び、「命を愛する文化」をつくらなければならないと強調。少子化の問題も、中絶をやめ、命を大切にする考えを人々の間に広めなければ、根本的な解決はないと話した。

















