死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―(31)何が人の心を打つか 米田武義

2015年9月2日07時19分 コラムニスト : 米田武義 印刷
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何が人の心を打つか

とにかくこの世は文字通り、ビジュアルな世界である。物、金、行動、言葉、全て目に見え、耳に聞こえ、正確にはビジブル化できる世と言えるのかもしれない。そういう、いわば物によって世の中は回転している。

これとは別に、目に見えないところで心に訴える仕事をしている人たちも多くいる。そして宗教とまでいかなくとも、例えば俳優などでも、心に訴える訓練が必要であると聞く。ツボを得た演技はもちろんであるけれども、彼らの究極の演技は、演技しないことにより心を表現すること、つまりほとんど目の力とか、気とかのみで演技する力であると聞く。俳優さんたちにも、体を使った表現には限界があることが分かっているのである。

当然のことであるが、聖書が言っていることは全て心の問題である。たとえ具体的に例が挙げられていても、心で捉えず、表現の具体性のみで捉えるならば、全体を見損なう。

私は救われたころ、私なりに伝道する機会を何人かに対して持った。社長をしていた故、従業員や得意先(仕入先)の人が主であった。私の知る限りでは、彼らが継続して教会に通うというところまで至っていない。彼らも生活や家庭の深刻で複雑な問題が山積しており、私の方も同じで、一昨年初頭には、会社を廃業せざるを得なくなってしまった。正直、フォローどころではなくなってしまい、ただただ彼らの内に神様が働いてくださって、キリストの史実に興味を起こさせてほしいと祈るのみである。

それにしても振り返ってみると、私の伝道は全く自分に頼ったビジブルな方法であった。特に福音に関しては、御言葉を用いるのではなく、世の人に分かりやすいと思われるように私なりに砕いて、翻訳した言葉であった。福音に関する言葉は、御言葉そのままで良かったのだ。聖霊が働いて行間を埋めてくれ、血が流れるようにしてくれるのだ。私の言葉では、聖霊の働く余地がなくなってしまう。私たちの心は、御言葉に届いている必要がある。御心に連係している必要がある。

「神の御霊に導かれる人は、だれでも神の子どもです」(ローマ8:14)

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米田武義

米田武義(よねだ・たけよし)

1941年4月16日、大阪生まれ。大阪府立三国丘高等学校、国立静岡大学卒業。静岡県立清水東高校定時制教師を勤めた後、東北大学大学院、京都大学大学院(国土防災技術(株)国内留学生)で学ぶ。国土防災技術(株)を退職し、(株)米田製作所を継承する。2008年4月8日、天に召される。著書に『死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―』(イーグレープ)。

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