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富についての考察

富についての考察(27)真の価値と希少価値 木下和好

2015年8月31日21時20分 コラムニスト : 木下和好
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われわれは人を評価するとき、無意識的に自由経済の原則に影響されていることがある。すなわち真の価値と希少価値を混同してしまうということである。

物価はそれが何であれ、需要と供給のバランスで決まる。野菜でも魚でも、初物は収穫量が少ないので高い。でも旬を迎えると価格は下がる。野菜などは収穫過剰になると、労賃すら出ないということで、畑に放置されることもある。株価も需要と供給、すなわち売りたい人の数と買いたい人の数の変化で上下する。もしそのバランスが大きく崩れると、株券が紙切れ同然になってしまうこともある。1929年のアメリカ大恐慌はそれが原因だった。世界のダイヤモンド市場をほぼ独占している企業は、価格が下落しないように、ダイヤモンド原石の採掘量をコントロールしているという。もしそこに自由競争があれば、ダイヤモンド1コが何十万円あるいは何百万円で売買されることはあり得なくなる。

需要と供給のバランスの変化は、やがて「希少価値」という概念を生み出す。骨董品が高価なのは、それを作る人がもはや存在せず、またその数も少ないからだ。ストラディバリウスというバイオリンは、家の価格に匹敵する。ゴッホの「ひまわり」という絵が100億円で落札されたのは有名な話だが、もしそうだとすると、ミケランジェロやレオナルド・ダヴィンチのような巨匠が描いた無数の絵が壁画・天井画として残っているバチカンのシスティーナ礼拝堂の価値は計り知れない。

希少価値概念は動植物にまで及ぶ。絶滅の危機にひんしている動植物を保護するためにワシントン条約が定められ、色々な規制が設けられている。一方繁殖し過ぎた動物は、駆除の対象となる。これらは生態系維持のために大切である。でも注意しないと、希少価値概念を人にまで応用してしまう危険性がある。

人は特異な存在とその他大勢に区分され、その結果、対応が異なったり、存在価値そのものが無いかのごとくに扱われたりする。私がある集会に出席したとき、参加者がほんのわずかしかいなかった。すると先生は、「今日は人数が少ないからお話はやめにしましょう」と言った。彼から伝ってきた唯一のメッセージは、「人数がそろわなければ話をする価値無し」というものだった。残念ながら、その時の出席者はその他大勢に属し、存在価値が低かったのだ。

イエス・キリストは、人を希少価値で見ることは決してなかった。1匹の迷える羊を助ける話でも、羊が1匹しかいなくて希少価値が高かったからではない。同類の羊が99匹もいたので、わずか1%の存在だった。でもその1匹だけでも命をささげるほどの価値があるというメッセージだ。キリストは、人が群衆として押し寄せてきたときは、その群衆を癒やしたり、彼らの空腹を満たした。そして弱い人、罪深い人が一人でやってきても、個人的に対応した。本当の希少価値は、人が人であるところにあるのではないだろうか。

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木下和好

木下和好(きのした・かずよし)

1946年、静岡県生まれ。文学博士。東京基督教大学、ゴードン・コーウェル、カリフォルニア大学院に学ぶ。英会話学校、英語圏留学センター経営。逐次・同時両方向通訳者、同時通訳セミナー講師。NHKラジオ・TV「Dr. Kinoshitaのおもしろ英語塾」教授。民放ラジオ番組「Dr. Kinoshitaの英語おもしろ豆辞典」担当。民放各局のTV番組にゲスト出演し、「Dr. Kinoshitaの究極英語習得法」を担当する。1991年1月「米国大統領朝食会」に招待される。雑誌等に英語関連記事を連載、著書20冊余り。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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