Skip to main content
2025年5月17日12時19分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
富についての考察

富についての考察(27)真の価値と希少価値 木下和好

2015年8月31日21時20分 コラムニスト : 木下和好
  • ツイート
印刷
関連タグ:木下和好

われわれは人を評価するとき、無意識的に自由経済の原則に影響されていることがある。すなわち真の価値と希少価値を混同してしまうということである。

物価はそれが何であれ、需要と供給のバランスで決まる。野菜でも魚でも、初物は収穫量が少ないので高い。でも旬を迎えると価格は下がる。野菜などは収穫過剰になると、労賃すら出ないということで、畑に放置されることもある。株価も需要と供給、すなわち売りたい人の数と買いたい人の数の変化で上下する。もしそのバランスが大きく崩れると、株券が紙切れ同然になってしまうこともある。1929年のアメリカ大恐慌はそれが原因だった。世界のダイヤモンド市場をほぼ独占している企業は、価格が下落しないように、ダイヤモンド原石の採掘量をコントロールしているという。もしそこに自由競争があれば、ダイヤモンド1コが何十万円あるいは何百万円で売買されることはあり得なくなる。

需要と供給のバランスの変化は、やがて「希少価値」という概念を生み出す。骨董品が高価なのは、それを作る人がもはや存在せず、またその数も少ないからだ。ストラディバリウスというバイオリンは、家の価格に匹敵する。ゴッホの「ひまわり」という絵が100億円で落札されたのは有名な話だが、もしそうだとすると、ミケランジェロやレオナルド・ダヴィンチのような巨匠が描いた無数の絵が壁画・天井画として残っているバチカンのシスティーナ礼拝堂の価値は計り知れない。

希少価値概念は動植物にまで及ぶ。絶滅の危機にひんしている動植物を保護するためにワシントン条約が定められ、色々な規制が設けられている。一方繁殖し過ぎた動物は、駆除の対象となる。これらは生態系維持のために大切である。でも注意しないと、希少価値概念を人にまで応用してしまう危険性がある。

人は特異な存在とその他大勢に区分され、その結果、対応が異なったり、存在価値そのものが無いかのごとくに扱われたりする。私がある集会に出席したとき、参加者がほんのわずかしかいなかった。すると先生は、「今日は人数が少ないからお話はやめにしましょう」と言った。彼から伝ってきた唯一のメッセージは、「人数がそろわなければ話をする価値無し」というものだった。残念ながら、その時の出席者はその他大勢に属し、存在価値が低かったのだ。

イエス・キリストは、人を希少価値で見ることは決してなかった。1匹の迷える羊を助ける話でも、羊が1匹しかいなくて希少価値が高かったからではない。同類の羊が99匹もいたので、わずか1%の存在だった。でもその1匹だけでも命をささげるほどの価値があるというメッセージだ。キリストは、人が群衆として押し寄せてきたときは、その群衆を癒やしたり、彼らの空腹を満たした。そして弱い人、罪深い人が一人でやってきても、個人的に対応した。本当の希少価値は、人が人であるところにあるのではないだろうか。

■ 富についての考察:(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)(16)(17)(18)(19)(20)(21)(22)(23)(24)(25)(26)(27)(28)(29)(30)(31)(32)

◇

木下和好

木下和好(きのした・かずよし)

1946年、静岡県生まれ。文学博士。東京基督教大学、ゴードン・コーウェル、カリフォルニア大学院に学ぶ。英会話学校、英語圏留学センター経営。逐次・同時両方向通訳者、同時通訳セミナー講師。NHKラジオ・TV「Dr. Kinoshitaのおもしろ英語塾」教授。民放ラジオ番組「Dr. Kinoshitaの英語おもしろ豆辞典」担当。民放各局のTV番組にゲスト出演し、「Dr. Kinoshitaの究極英語習得法」を担当する。1991年1月「米国大統領朝食会」に招待される。雑誌等に英語関連記事を連載、著書20冊余り。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:木下和好
  • ツイート

関連記事

  • 【科学の本質を探る⑤】インフレーション・ビッグバン宇宙論の謎(その1)膨張宇宙論を最初退けたアインシュタイン 阿部正紀

  • 2千年経っても変わらない福音の真理 万代栄嗣

  • 合言葉はあいらぶゆ(10)れっつ きゃんぷ しらかわひろこ

  • ビジネスマンから牧師への祝福された道(16)神学校生活を体験・その2 門谷晥一

  • 【聖書クイズ】「神は、その独り子を・・・」の聖書箇所は?

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 映画「空中の権威」が日本語字幕で視聴可能に 現代クリスチャンに警鐘鳴らす作品

  • 21世紀の神学(27)プロテスタント教会側から見るローマ教皇 山崎純二

  • 聖書普及事業150年記念式典・レセプションの申し込み受け付け始まる

  • 世界では神を信じている人の方が多い 85カ国・地域9万1千人を対象に大規模意識調査

  • ドイツの大聖堂で「世界最大の聖書のページ」展示 グーテンベルク生誕625年記念で

  • 不公平な愛 菅野直基

  • カリフォルニア州のビーチで7752人が受洗、米国史上最大規模の合同洗礼式

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(222)心を癒やす祈りと賛美 広田信也

  • 「司牧と行政の両方に深い知識と経験」 日本司教協議会会長、新教皇誕生でメッセージ

  • ワールドミッションレポート(5月17日):パキスタン 南部パンジャブ州のサライキ語話者のために祈ろう

  • 新教皇を選ぶコンクラーベ、いつ、何回目の投票で決まる? 181日間に及んだケースも

  • 映画「空中の権威」が日本語字幕で視聴可能に 現代クリスチャンに警鐘鳴らす作品

  • 次期ローマ教皇の有力候補4人

  • 21世紀の神学(27)プロテスタント教会側から見るローマ教皇 山崎純二

  • カリフォルニア州のビーチで7752人が受洗、米国史上最大規模の合同洗礼式

  • 聖墳墓教会の床下発掘調査で貴重な発見、ヨハネ福音書の記述を裏付ける証拠に

  • 「司牧と行政の両方に深い知識と経験」 日本司教協議会会長、新教皇誕生でメッセージ

  • 新ローマ教皇にプレボスト枢機卿、教皇名は「レオ14世」 初の米国出身者

  • 四半世紀ぶりに欧州で大規模伝道会議、今月末にベルリンで 牧師ら約千人が参加

  • 世界では神を信じている人の方が多い 85カ国・地域9万1千人を対象に大規模意識調査

  • 新教皇を選ぶコンクラーベ、いつ、何回目の投票で決まる? 181日間に及んだケースも

  • 次期ローマ教皇の有力候補4人

  • 新ローマ教皇にプレボスト枢機卿、教皇名は「レオ14世」 初の米国出身者

  • ローマ教皇フランシスコの死去に対する日本国内の他教派の反応

  • 聖墳墓教会の床下発掘調査で貴重な発見、ヨハネ福音書の記述を裏付ける証拠に

  • 映画「空中の権威」が日本語字幕で視聴可能に 現代クリスチャンに警鐘鳴らす作品

  • 21世紀の神学(27)プロテスタント教会側から見るローマ教皇 山崎純二

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • フランスのカトリック教会、復活祭に成人1万人以上が受洗 昨年比45%増

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

編集部のおすすめ

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 後藤健二さん没後10年、追悼イベントで長女が映像メッセージ 「誇りに思っている」

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.