死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―(25)仕事に目的はあるのか 米田武義

2015年7月22日07時22分 コラムニスト : 米田武義 印刷
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仕事に目的はあるのか

私が初めて仕事をした頃は、興味を引くことといえば、いわば富と名誉であった。最近自分の子どもの生き方を見ていると、それと全く異なる生き方をしていることに気付く。初めから自分のやりたいこと中心に仕事を決める。またサラリーも目的ではなく、生活の手段として得るという考えである。いわば、自由と喜び楽しみを目的としている。むろん、喜び楽しみは、快楽を求めるそれとは違う。日々の生活は、同じことの繰り返しであり、ルーティンワークである。強いて、何が仕事の目的なのかというならば、昔の私のような者の価値観は、むしろビジュアルであり、快楽を求めているともいえる。金を求め、それを元手に世の楽しみやぜいたくをすることが、最終的な自然の成り行きだからである。

この世の中で成功するとは、そういう地位、名誉、学歴、富などと無縁ではなく、私たちもそういう考えから抜け出せず、無意識に子どもたちにもそれを要求していた。子どもたちが事実それと異なった道を選んだのは、そういう私の考え方に対する反発からだと思う。今でも私は、昔の考え方から100%抜け出せないでいる。しかし、子どもたちの生き方も今では十分理解できる。むしろ私の今の考え方は、子どもらの考え方に近い。私が仕事を失い、その上がんという病気になったことも、また聖書に強く関心を持つに至ったことも、それに関連すると思う。

「見よ。私がよいと見たこと、好ましいことは、神がその人に許されるいのちの日数の間、日の下で骨折るすべての労苦のうちに、しあわせを見つけて、食べたり飲んだりすることだ。これが人の受ける分なのだ。実に神はすべての人間に富と財宝を与え、これを楽しむことを許し、自分の受ける分を受け、自分の労苦を喜ぶようにされた。これこそが神の賜物である。こういう人は、自分の生涯のことをくよくよ思わない。神が彼の心を喜びで満たされるからだ」(伝道者の書5:18~20)

「日の下であなたに与えられたむなしい一生の間に、あなたの愛する妻と生活を楽しむがよい。それが、生きている間に、日の下であなたがする労苦によるあなたの受ける分である」(伝道者の書9:9)

私の今の気持ち、働くことに関する考えは、上記の書が最もよく表している。

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米田武義

米田武義(よねだ・たけよし)

1941年4月16日、大阪生まれ。大阪府立三国丘高等学校、国立静岡大学卒業。静岡県立清水東高校定時制教師を勤めた後、東北大学大学院、京都大学大学院(国土防災技術(株)国内留学生)で学ぶ。国土防災技術(株)を退職し、(株)米田製作所を継承する。2008年4月8日、天に召される。著書に『死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―』(イーグレープ)。

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