Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
温故知神—福音は東方世界へ

温故知神—福音は東方世界へ(27)景教と空海③ 川口一彦

2015年8月20日07時27分 コラムニスト : 川口一彦
  • ツイート
印刷
関連タグ:川口一彦
温故知神—福音は東方世界へ(27)景教と空海③ 川口一彦+
高野山奥の院に建つ大秦景教流行中国碑(1911(明治44)年建碑)の前で解説する著者

僧侶を目指して大学で仏教学を専攻していたとき、日本密教学会が高野山大学であり、出席しました。初めて見た奥の院の多くの五輪塔はじめ墓石群には、大変な異様さを感じました。その後キリスト者・牧師になり、2013年には高野山の宿坊において講演依頼を受け、「空海と景教」との題で話す機会があり、宿坊の方から空海はキリスト教・景教の影響があると聞いて驚きました。またその秋に香川県善通寺市の四国学院大学を会場に「空海と聖書」の題で善通寺の住職らとシンポジウムや講演会をした際、空海は中国に行き様々な教えを取り入れ、景教もその一つであると聞いて納得しました。

真言密教の教主・大日如来と聖書の創造主

空海は別名、弘法大師と呼ばれていますが、この名称はこの世を去って後、時の天皇から受けたもので、本人の知らないことです。自身は、灌頂(かんじょう)の際に花を投げて二度とも大日如来図の上に落ち、縁を結んだことから、「遍照金剛(へんじょうこんごう)」と号しました。意味は、闇を除き遍(あまね)く照らす光、命を育て永遠に堅固であるとのことです。

この大日如来について、大日経(だいにちきょう)では次のように述べています。

「私(大日如来)は全て存在しているものの根源的最初であり、世の人々のよりどころである。悟りの教えを説けば、比べるものなく優れ、私より上のものはいない」とあり、旧約聖書イザヤ書44章6、7節の「イスラエルの王である主、これを贖(あがな)う方、万軍の主はこう仰せられる。『わたしは初めであり、わたしは終わりである。わたしのほかに神はない。わたしが永遠の民を起こしたときから、だれが、わたしのように宣言して、これを告げることができたか。これをわたしの前で並べたててみよ。彼らに未来の事、来たるべき事を告げさせてみよ』」、同45章5節の「わたしが主である。ほかにはいない。わたしのほかに神はいない。あなたはわたしを知らないが、わたしはあなたに力を帯びさせる」に内容は似ているかのようです。しかし、聖書の神は、時代を超えて啓示と救いと歴史を支配される神で、人類の歴史に現れて現在と未来を伝え、民族や信仰者に啓明(けいめい)している点で大きく違います。大日経は歴史性が少なく、そのような句も多くはありません。

空海の大日如来との一体とキリスト者の神との交わり

空海は奈良仏教で学び、何とか救われたいと願って修行していました。大日経は、奈良時代の737年に日本に伝来し、空海は唐に行く前の22歳の頃、これらを読んで密教に目が開かれました。そのために入唐し、青竜寺の恵果から灌頂の儀式を授かり、教主・大日如来と結縁、即身成仏して一体となり、彼はこの上もない歓喜を受けました。この一体の意味とは、どのようなものなのでしょうか。

新約聖書のガラテヤ書2章20節「私はキリストとともに十字架につけられました。もはや私が生きているのではなく、キリストが私のうちに生きておられるのです」のキリストとの一体感や、イエスが父に祈られた弟子たちとの一体、弟子たち同士がキリストの体と聖霊において一つであること(ヨハネ17:21~23)の意味合いとは違います。聖書の一体感とは、溶け合うのではなく、神と人とが人格的に区別されつつも、互いのうちに命や愛や救いを共有していることを意味しています。それは神が三位一体だからで、信仰者は聖霊の働きと御言葉により、神を父と呼び、親しく交わり、あるいは十字架上での贖罪愛や復活によって示された永遠の命をも共有することができるゆえに、このように告白します(エペソ2:14~18)。ヨハネは手紙で、「私たちの交わりとは、御父および御子イエス・キリストとの交わりです」(Ⅰヨハネ1:3)と歓喜の心で記しました。

しかし密教には三位一体がなく、三身一体で大日如来を法身仏と呼び、歴史に現れない仏で、人が三密行の自己修行により即身成仏になると言われます。汎神論的宗教の究極目的は、神との合一で、人が神になることです(本当は、人は被造物であり、罪人ですから神にはなれません)。

温故知神—福音は東方世界へ(27)景教と空海③ 川口一彦
高野山入り口に建つ大門、上に「高野山」と書かれ、下の2本の柱に同行2人のいわれの漢文が書かれてあります。後の回で解説します。

一般的に仏教では、人が仏にならなければ死後、恐ろしい地獄や餓鬼などの六道輪廻の世界をさまよわなければなりません。修行者・空海にとって、奈良仏教では得られなかった「大日経・金剛頂経」の即身成仏の教えは、福音ではなかったかと思います。だから唐に渡り、この教えを求めました。

その後、空海は多くの伝説を残しました。高貴な方の前で即身成仏の証拠を見せよと問い掛けられ、金色に輝いたとあり、高野山金剛峯寺本堂の柱などが金色であるのもそれによります。真言密教は、空海を生き仏として拝んでいますが、彼に続いて仏となった人物が多く出現していないのは、なぜなのでしょうか。

最後に、16世紀のイエズス会日本年報の一部を紹介します(拙著『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』より)。

「16世紀のイエズス会宣教師たちは、高野山と空海について次のように書いている。『共和国の一つは高野と称し、坊主4500人が同所に居住し、同所には女子も家畜も一切入れず、諸宗派中最も嫌悪すべきものである。約700年前、悪魔の子にして、シナより初めてこの醜悪なる教えを将来せし人を、生きながら同所に埋葬した。生きながら埋めた時、彼は眠りに就き、その後数千年を経て弥勒菩薩と称する他の仏と共に再び来って、世界を再建するであろうと言った。この人は弘法大師と称す』(イエズス会日本年報下、114頁)と」

※ 参考文献

1. 『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年、イーグレープ)
2. 『高野山真言宗檀信徒必携』(1988年、高野山真言宗教学部)
3. 『新国訳大蔵経「大日経」』(1998年、大蔵出版)、『新国訳大蔵経「金剛頂経・理趣経他」』(2004年、大蔵出版)

■ 温故知神—福音は東方世界へ: (1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)
(11)(12)(13)(14)(15)(16)(17)(18)(19)(20)(21)(22)(23)(24)(25)(26)(27)(28)(29)(30)(31)(32)

◇

川口一彦

川口一彦(かわぐち・かずひこ)

1951年、三重県松阪市に生まれる。現在、愛知福音キリスト教会牧師。日本景教研究会代表、国際景教研究会(本部、韓国水原)日本代表。基督教教育学博士。愛知書写書道教育学院院長(21歳で師範取得、同年・中日書道展特選)として書も教えている。書道団体の東海聖句書道会会員、同・以文会監事。各地で景教セミナーや漢字で聖書を解き明かすセミナーを開催。

著書に「景教-東回りの古代キリスト教・景教とその波及-」改訂新装版(2014年)、「仏教からクリスチャンへ」「一から始める筆ペン練習帳」(共にイーグレープ発行)、「漢字と聖書と福音」「景教のたどった道」(韓国語版)ほかがある。最近は聖句書展や拓本展も開催。

■ 【川口一彦著書】(Amazon)

【外部リンク】HP::景教(東周りのキリスト教)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:川口一彦
  • ツイート

関連記事

  • 律法と福音(5)律法(戒め)の性格 山崎純二

  • 山上の垂訓から学ぶ「キリストの人材教育」(26)黒田禎一郎

  • 妹尾光樹のイスラエル旅行記(最終回)イスタンブールへ

  • 死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―(29)聖霊を具体的に捉えよう 米田武義

  • FINE ROAD―世界のモダンな教会堂を訪ねて(3)デンマークの教会堂② 西村晴道

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.