全国のキリスト教書店の店員が選ぶ「キリスト教書店大賞2025」の結果が1日、公式フェイスブックで発表された。大賞には、「N・T・ライト」として知られる英神学者のニコラス・トマス・ライト氏による『わたしの聖書物語 神さまの大いなる計画』(日本聖書協会)が選ばれた。
ライト氏は、英国のセント・アンドリュース大学名誉教授、オックスフォード大学ウィクリフ・ホール上級特別研究員。『わたしの聖書物語』は、80冊余りに及ぶライト氏の著作の1冊。創世記からヨハネの黙示録までを、140の小さな物語で描き、それを一つの大きな物語として紡ぐことで、聖書全体にわたる神の大いなる計画を伝える。絵は、スペイン人イラストレーターのヘレナ・ペレス・ガルシア氏が描いている。
出版元の日本聖書協会は、「子どもから大人まで楽しめる聖書物語」と紹介している。受賞の言葉では、「本書を通じ、聖書の物語が一人でも多くの方に希望、力、そして救いを与えることを心より願っております」と述べている。
この他、2位には小見のぞみ氏(関西学院短期大学教授)の『聖書のお話を子どもたちへ』(日本キリスト教団出版局)が、3位には片柳弘史氏(カトリック宇部教会司祭)の『悲しみの向こう 希望の扉を開く言葉366』(教文館)が選ばれた。
キリスト教書店大賞は、低迷するキリスト教出版業界の活性化を目的に2011年に始まった。主催のキリスト教出版販売協会に加盟する全国のキリスト教書店の店員が、前年に出版されたキリスト教書の中から、1次選考でノミネート作品10点を選び、2次選考で大賞を決めている。
過去には、最相葉月氏(ノンフィクション作家)の『証し』(24年)、平良愛香氏(日本基督教団川和教会牧師)が監修した『LGBTとキリスト教』(23年)、奥田知志(ともし)氏(日本バプテスト連盟東八幡キリスト教会牧師)の『ユダよ、帰れ』(22年)などが大賞に選ばれている。