「罪人の友」主イエス・キリスト教会(埼玉県川口市)牧師の進藤龍也氏と、クリスチャントゥデイのコラムニスト、山崎純二氏の対談イベント「神様との出会いで人生が変わった」が、8月30日に同教会で行われた。
山崎氏は牧師家庭で生まれ育ち、韓国と米国の大学に留学。その後、米国の教会で伝道師を務めるなどし、現在はオランダのインターナショナル教会に仕えている。一方の進藤氏は18歳でヤクザとなり、28歳で広域指定暴力団「住吉会」系列の組織で組長代行となるが、覚醒剤が原因で降格。3度目の服役中に差し入れられた聖書を読み、回心した。現在は、自身の経験を生かして、刑務所伝道に携わっている。
性格も背景も全く異なる2人だが、実はJTJ宣教神学校の同期生。「(教室で)後ろを振り返ったら、非常に眼光の鋭い人が座っていて」と入学当時を振り返る山崎氏に、進藤氏は「絶対に元ヤクザとバレないと思っていたけど、今(当時の写真を)見るとね。神に触れられると顔つきが変わってくる」と切り返し、会場の笑いを誘った。
対談は、山崎氏の住むオランダにまつわる話題から始まった。エアコンを新しく購入したのに、今年の夏はまだ2回しか使っていないほど涼しいなどといった身近な話題から、オランダはチューリップで有名だが、歴史をさかのぼると球根1個が家の値段以上で取引されていた時代があったという雑学の話題まで出た。

その球根よりさらに高価だったのが、隣国のドイツでグーテンベルクが活版印刷を開始した当時も存在した羊皮紙製の聖書だったという話題に話が及ぶと、「昔、家よりも高価だった神の言葉。今はあふれているけど、逆に読まない」と山崎氏。進藤氏は「聖書を読まなかったら、今(の自分)はない。神の言葉は生きていて、力がある」と話し、自身の体験を語った。
進藤氏の人生を変えたのは、旧約聖書のエゼキエル書33章11節だった。そこにはこう書いてある。「わたしは決して悪しき者の死を喜ばない。悪しき者がその道から立ち返り、生きることを喜ぶ。立ち返れ。悪の道から立ち返れ」
「こんなにヤクザにぴったりな言葉はない。神の言葉が生きて働いて、私の中に入ったから、『よし、じゃあやってみよう』という気持ちになれた。生きて働く神の力を本当に知ってもらうためには、真剣に聖書と向き合ってほしい。絶対変われるはず」と話した。

山崎氏は、「愛がない私たちに『大丈夫。あなたに愛がなくても、神様があなたを一方的に愛しているよ』というのが福音。大学生の時、祈りの中で否定できないくらいにその愛を体験して、そこから変わった。何か神様のためにしたい、何か人のためにしたいと思えるようになった」と話した。
対談には、進藤氏の教会に住み込みを始めた元受刑者で、1週間前に洗礼を受けたばかりという60代の男性もゲストとして参加。20代から再犯を重ねて計10回も服役することになった薬物依存の恐ろしさを語るとともに、神との出会いによって、今では普通の生活ができる自分に変えられた喜びを証しした。
参加者からの質問に2人が答える時間もあった。「神との出会いによって救いを体験した後も、信仰の道を歩む中で、それに匹敵する体験が段階的にあるのか」という質問に、進藤氏は「小さな失敗も、大きな失敗もたくさんしたけれど、『それでもおまえのことを愛している』と言ってくれる神様を知っているから、立ち上がれた。多く赦(ゆる)された者は多く愛することができる。そういう生き方をしてきた」と話した。
また、「2人のように純粋な心で神に祈ることができるようになるためには、どうすればよいか」との質問に、山崎氏は「聖書に『求めなさい。そうすれば与えられる』と書いてある。ぜひ求めて、聖霊に満たされる体験をしてほしい。聖霊は、父なる神について、イエス・キリストの愛について教えてくれる」と語った。
対談の模様はユーチューブでライブ配信され、現在も視聴できる。