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温故知神—福音は東方世界へ

温故知神—福音は東方世界へ(29)景教と空海⑤ 川口一彦

2015年9月17日06時59分 コラムニスト : 川口一彦
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関連タグ:川口一彦

近くにおられ、心におられる方

中国でも日本でも、古代から創世記1章に似た創造論や創造主がありません。いわゆる特別啓示がありません。しかし、すべての人には、神を思う心があります。古代中国の屈原(BC343~277?)は『楚辞(天問)』の中で、天地の創造建設者は誰か、光と闇を分けたのは誰か、と問い掛けています。

中国前漢時代の『淮南子(えなんじ)』(劉安<BC179~122>の撰述)の天文訓でも、太始から虚、虚から宇宙、宇宙は気を生み、陽気は天となり、陰気は地となり、四季が万物となり、火気から太陽が、水気から月が、日月から星が生まれたとの万物生成論を書きました。古代中国では陰陽五行説が唱えられ、日本にもこの考え方が入って人生の吉凶を占ったりしてきました。

640年ごろに漢文で書かれたキリスト教の『一神論』(これにはマタイ6章やイエス伝もあります)の冒頭では、天と地には柱がないのになぜ天が落ちてこないのかと問い掛け、一神による創造論を伝えました。

大秦景教流行中国碑(781年作)の冒頭でも、天地万物の創造と創造主を刻み、父・子・浄風(聖霊)の人格と働きを皇帝や人民に説きました。

古代ギリシャ世界にも創造論はなく、一者から万物が流出し、そこから多く流出した中の悪の神を旧約聖書の神エロヒームとし、悪の宇宙や地球を造ったと説き、救いは神の霊を知ること、つまりグノーシスという異端の教えが起き、初期キリスト者たちはこれを警戒し、特にヨハネの手紙(Ⅱ7~10)やテモテへの手紙(Ⅰ1:6~20)でその間違いを教えました。

グノーシスとは霊を知る知識のことで、その教えは、メシアの仲介が不要で霊の心によって一者を観想して知るとの内容で、古代インドの神秘宗教とも共通しています。密教もその流れをくみ、仏教経典や大日経などの成立に影響を与えたと考えます。

空海は大日如来と一つになったといわれます。なぜ一つになれたのか、それは大日如来が近くにおり、一緒にいることを観じたからです。

空海の言葉には、次のような聖書に似た言葉があります。

「三宝(仏・法・僧)を信ず。法身(大日如来)はどこにおられるのか。遠くにおられるのでなく、身のうちにおられる。如来の教えはどこにあるのかというと、私の心にあり、近くにある。過去もなく永遠に天にある(帰命三寶。法身在何不遠即身。智体云何我心甚近。本来无去。鎮住満月之宮)」(『性霊集』巻第7より)

「仏法、遙かにあらず、我が心中にしてすなわち近し。真如(悟り)、外に非ず、身を棄てて、何んか求めん。迷悟我に在れば、発心すれば、即ち到る」(『般若心経秘鍵』より、明曠著『般若心経疏』参照)

法身仏である大日如来が近くにいるゆえに、心を仏に向ければ、遠くに探さなくてもいいと教えました。今も真言宗では、仏は近くに、心の中にいるから仏道に励むよう説いています。これは聖書の言葉と教えに非常に似ています。

聖書の言葉

「神の国は、あなたがたのただ中にあるのです」(ルカ17:21)

「みことばはあなたの近くにある。あなたの口にあり、あなたの心にある」(ローマ10:8)

「まことに、みことばは、あなたのごく身近にあり、あなたの口にあり、あなたの心にあって、あなたはこれを行うことができる」(申命記30:14)

聖書では、モーセによって福音的な教えが説かれていました。パウロは、モーセが教えた言葉から、人は善行によって義と認められるのでなく、死んで復活された唯一の救い主イエスが生きておられるゆえに、誰でも心に信じ告白すれば救われると言いました。「人は心に信じて義と認められ、口で告白して救われるのです」(ローマ10:10)、「主の御名を呼び求める者は、だれでも救われる」(ローマ10:13)と。

聖書には、インマヌエルという言葉がありますが、これはヘブル語で「神が私たちと共におられる」の意味です。イエスの降誕により、また信じた者によって「神が私たちと共におられる」ことが現実となりました。

なぜ空海の言葉に、聖書に似た言葉があるのでしょうか。それは、おそらく空海が804年に中国に渡ったとき、当時のクリスチャンである景教徒たちから聞いたと考えます。密教その他の経典には、聖書に似たこのような教えがないからです。

※ 参考文献

1. 『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年、イーグレープ)
2. 『高野山真言宗檀信徒必携』(1988年、高野山真言宗教学部)
3. 『新国訳大蔵経「大日経」』(1998年、大蔵出版)、『新国訳大蔵経「金剛頂経・理趣経他」』(2004年、大蔵出版)

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◇

川口一彦

川口一彦(かわぐち・かずひこ)

1951年、三重県松阪市に生まれる。現在、愛知福音キリスト教会牧師。日本景教研究会代表、国際景教研究会(本部、韓国水原)日本代表。基督教教育学博士。愛知書写書道教育学院院長(21歳で師範取得、同年・中日書道展特選)として書も教えている。書道団体の東海聖句書道会会員、同・以文会監事。各地で景教セミナーや漢字で聖書を解き明かすセミナーを開催。

著書に 『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年)、『仏教からクリスチャンへ』『一から始める筆ペン練習帳』(共にイーグレープ発行)、『漢字と聖書と福音』『景教のたどった道』(韓国語版)ほかがある。最近は聖句書展や拓本展も開催。

■ 【川口一彦著書】(Amazon)

【外部リンク】HP::景教(東周りのキリスト教)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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