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温故知神—福音は東方世界へ

温故知神—福音は東方世界へ(22)序聴迷師訶経⑥ 川口一彦

2015年6月11日07時19分 コラムニスト : 川口一彦
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1. 敦煌で発見された唐代作の序聴迷師訶経<イエス・メシア経>の現代訳(続き)
 メシアの活動や安息日における論争

温故知神—福音は東方世界へ(22)序聴迷師訶経⑥ 川口一彦

弥師訶(メシア)の12歳から32歳までのこと。(メシアは)悪いことをしている人々を訪ね、回心させ、善き業と善き道に遣わしました。メシアと12弟子は、ついに苦難を受けるようになりました。

魂が肉体から飛び回った者(死者)を蘇らせ、目が見えない者の目を開かせ、皮膚に病のある者を癒やしました。(癒やされた)病人は治療で損をしたことを思い、鬼(悪鬼)にとりつかれた者は悪鬼が逃げ、足が悪い者は歩けるようになり、病人がメシアのところに行ってメシアの袈裟(着物)に触れると癒やされました。

悪事を行う者は、善の道に生きることをせず、天尊(神)の教えを信じない者です。清まることなくむさぼる者は、世の欲望からも離れず、酒を好み、肉をむさぼる者です。

安息日は神に属しますが、文人(律法学者)たちは安息日に執着し、ついに(メシアを)そしり、あるいは(メシアに)嫉妬し殺そうとしました。多くの民衆がこの教えを信じていたので、メシアを殺すことができませんでした。

後に悪い者たちが一つとなってたくらみ、信じた罪のない者たちをだましてあおり、国の指導者たちを使ってメシアを殺そうとしました。

<解説>

この個所も福音書の記事を抜粋したものです。メシアが罪人の友になり、病む者や苦しむ者を癒やして善き業をすることによって多くの信仰者が生まれ、大勢がイエスに向いていること、ついに安息日論争で律法学者たちの悪意が露呈し、メシアを殺そうとしていることを記しています。

本文は前回同様、漢文に慣れていない初期の景教徒の翻訳文です。唐代の漢字には不理解の部分もありますが、福音書を漢訳するにあたっての資料と考えます。

※ 参考文献

『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年、イーグレープ)

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◇

川口一彦

川口一彦(かわぐち・かずひこ)

1951年、三重県松阪市に生まれる。現在、愛知福音キリスト教会牧師。日本景教研究会代表、国際景教研究会(本部、韓国水原)日本代表。基督教教育学博士。愛知書写書道教育学院院長(21歳で師範取得、同年・中日書道展特選)として書も教えている。書道団体の東海聖句書道会会員、同・以文会監事。各地で景教セミナーや漢字で聖書を解き明かすセミナーを開催。

著書に「景教-東回りの古代キリスト教・景教とその波及-」改訂新装版(2014年)、「仏教からクリスチャンへ」「一から始める筆ペン練習帳」(共にイーグレープ発行)、「漢字と聖書と福音」「景教のたどった道」(韓国語版)ほかがある。最近は聖句書展や拓本展も開催。

【外部リンク】HP::景教(東周りのキリスト教)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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