皇族数の確保策を盛り込んだ皇室典範改正案が10日の衆議院本会議で可決され、参議院に送付されたことを受け、日本キリスト教協議会(NCC)は13日、「戦争責任と戦後責任の告白に立ち、天皇制の終焉(しゅうえん)を求めます」と題する声明を発表した。
改正案は、女性皇族が結婚後も皇室に残ることと、旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎えることを可能とするもの。衆議院では、与党の自民党と日本維新の会に加え、野党の中道改革連合、国民民主党、参政党も賛成。参議院の審議を経て今国会中に成立する見通しとなっている。
声明は、戦後50年に当たる1995年に、当時のNCC議長が発表した声明と、日本の戦争責任と戦後責任に関してNCCが発表した声明に言及。これら2つの声明では、日本のキリスト教会が戦前・戦中に天皇制国家に迎合し、戦後もその問題性を見抜けなかったことや、朝鮮半島や台湾の植民地化、アジア・太平洋地域への侵略戦争に加担したことを認め、その罪を告白していた。
今回の声明は、両声明について、「私たちは、この告白を今日も受け継いでいます」と表明。その歴史認識と悔い改めに立つなら、「天皇制を維持することではなく、その終焉を求めること」がその延長線上にあるとし、天皇制維持を目的とした制度改正は支持できないとした。
また、現在の議論は皇位継承の方法を巡る制度論として進められているが、NCCが問うているのは「天皇制そのもの」だと指摘。天皇制を「生まれや家系によって特定の人を特別な存在とし、人に優劣をつける制度」と位置付け、「万世一系」という血統を特別視する思想や男系継承の原理は、排外主義や家父長制の再生産と結び付き、人間の多様性の否定などにつながってきたと主張した。
その上で、人間は国家のために存在するのではなく、国家は一人一人の人間の尊厳を守るためにあると強調。神が全ての人を等しく尊い存在、すなわち「神のかたち」として創造したという信仰に立ち、「皇室典範改正によって天皇制を維持する道ではなく、天皇制そのものを終わらせる道を求めます」とした。


















