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温故知神—福音は東方世界へ

温故知神—福音は東方世界へ(9)唐代の漢文で書かれたイエスの降誕記事1 川口一彦

2014年12月12日07時22分 コラムニスト : 川口一彦
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川口一彦氏+

① 唐の都の長安に向かう景教徒たち

東方基督教の景教は、中国の大都市、長安に向かう途上、バグダードで宣教活動を行い、さらにアフガニスタン北部のバルクで集会を開いていました。なぜ長安に向かったかの理由は分かりませんが、多くの景教徒商人たちが長安とバクダードをシルクロードで往来し、その事情を伝えていました。

2006年には洛陽でソグド人夫人景教徒の経幢墓誌(経歴などを刻字)が発見され、その墓誌が13年の国公立大学入試センター試験にも出題されています。10年には唐代景教徒ソグド人の墓誌も発見されています。ソグド人は中央アジアを中心に活躍していた商業民族で、ペルシアから唐に至るまでシルクロードで生活していました。

福音は東方世界へ(9)唐代の漢文で書かれたイエスの降誕記事1 川口一彦

「日本書紀」には、ペルシア人のほか、外国人が来ていたことが記されています。法隆寺には、ソグド文字を刻した香木が残され、日本にもソグド人が来ていたと考えられます。それには十字が刻され、景教徒のうわさが起きました。

長安には、50以上の諸外国の商人や諸宗教者がおり、国際都市として賑わっていました。そこには、日本からも遣唐使が来ていたことはよく知られています。彼らは、ペルシアから極東に向かい、長安で宣教することが神の意思と信じたのでしょう。そこには多くの失われた民がおり、宣教の好機でした。

福音は東方世界へ(9)唐代の漢文で書かれたイエスの降誕記事1 川口一彦
福音は東方世界へ(9)唐代の漢文で書かれたイエスの降誕記事1 川口一彦

景教徒は、バルク以外に現在の新疆ウイグル地区のトルファン地域の高昌でも集会を開いていました。そこの壁画に、景教徒たちの描いた絵が発見されています。この壁画はドイツの探検家ル・コックが景教会堂で発見しました。左手に鉢を持つ人物は景教の教師で、右の三人と儀式を共にしているようです。その三人は木の枝を持ち、上に馬の脚が見えることから、棕櫚の日曜日の絵ではないかと考えられます。一説に、左の人物はメシアで右の三人はその弟子たち、十字架に着く前の棕櫚の日曜日のことを描いたとも言われます。

② 敦煌で発見のイエスの降誕記事「イエス・メシア経」

景教徒は敦煌でも集会を開いていました。その地からは、600年代中頃に漢文で書かれたイエスの降誕記事、マタイの福音書7章やイエス伝が、宋代初期に敦煌の石室で発見されました。『序聴迷詩所経』と『一神論』です。『序聴迷詩所経』はイエス・メシア経と訳します。本書にはヨルダン川での洗礼の記事、十字架の様子も書かれています。その一部を紹介していきます。

本経典の原本は大阪市にある「武田科学振興財団 杏雨書屋」が所蔵しています。以下の漢文は1931年に東方文化学院京都研究所が発行したものの一部で、「マリアの懐妊とメシアの降誕」部分を現代訳しました。

福音は東方世界へ(9)唐代の漢文で書かれたイエスの降誕記事1 川口一彦

「天尊(父なる神)は涼風(聖霊)によって、名前を末艶(マリア)と言う一童女に向かわせると身ごもった。涼風がマリアの腹の内に入った。これは天尊が教えた通りで、マリアは身ごもった。天尊は涼風を通してマリアに、男がなくて懐妊したのだと伝えた。それは民衆が、男がいなくて懐妊したことを信じるためであり、天尊には(威)力があることを知らせることでもあり、信者が天尊への信仰と清さを抱いて生きるためでもあった。

マリアは懐妊して一男を産んだ。名前を移鼠(イエス)と名づけた。父(ヨセフ)は涼風に向かって訊ねた。もし涼風によって懐妊して産まれたなら、世間は何と言うでしょうか。

聖上(ヘロデ大王)は皆を退去させ、全国民を服従させることになるでしょう。

天尊は天上におられ、その威光を普く天地に現わされた。移鼠(イエス)迷師訶(メシア)は産まれ、その地では天地が明るくなった。一つの星が天上に現われ、星の大きさは車輪のように大きく輝き、天尊もおられた」

この記事は聖書そのものではなく、マタイの福音書1章後半から2章前半にかけての降誕記事を、唐の太宗皇帝はじめ民衆が理解を深めるために書いた解説文であったと考えられます。誤解を受けやすいのは、マリアが懐妊したのは聖霊かのように読めますが、後の部分で、生まれたのは聖霊ではなく、確かにイエスメシアであったと書いてありますので、ここでは聖霊がマリアに直接働いたと理解するのが妥当と考えます。

ヘロデ大王の怒りとメシアの星の輝きも伝えています。ただしマリアとイエスの漢字は当て字で、その意味はなく、そのまま受け取るとおかしく感じられます。宣教初期の慣れない異文化にあって、翻訳者たちが苦心したことが伺えます。

メシア表記において統一していないのもその特徴で、その後の翻訳作業においてはその課題が解消されていきます。

これらは、メシアの降誕について最初に漢文体で書かれたことから、貴重な重要資料とも言えます。聖書そのものが発見されていないのが残念ですが、今も多くの景教関係の書物や遺跡が発見されていることから、期待が膨らみます。

「イエス・メシア経」の降誕記事を転写して、陶磁器のマグカップにしました。セット販売で1200円。日本景教研究会から、クリスマス用のプレゼントとして販売されています。

福音は東方世界へ(9)唐代の漢文で書かれたイエスの降誕記事1 川口一彦

※ 参考文献

『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年、イーグレープ)

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◇

川口一彦(かわぐち・かずひこ)

1951年、三重県松阪市に生まれる。現在、愛知福音キリスト教会牧師。日本景教研究会代表、国際景教研究会(本部、韓国水原)日本代表。基督教教育学博士。愛知書写書道教育学院院長(21歳で師範取得、同年・中日書道展特選)として書も教えている。書道団体の東海聖句書道会会員、同・以文会監事。各地で景教セミナーや漢字で聖書を解き明かすセミナーを開催。

著書に「景教-東回りの古代キリスト教・景教とその波及-」改訂新装版(2014年)、「仏教からクリスチャンへ」「一から始める筆ペン練習帳」(共にイーグレープ発行)、「漢字と聖書と福音」「景教のたどった道」(韓国語版)ほかがある。最近は聖句書展や拓本展も開催。

【外部リンク】HP::景教(東周りのキリスト教)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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