2025年の参議院選挙(20日投票)が、中盤を迎えている。参議院は任期6年、定数248人で、3年ごとに半数(124人)が改選される。今回は、東京選挙区の欠員1人の補欠選挙も同時に行われるため、計125議席を巡って選挙戦が繰り広げられている。
NHKの特設サイトによると、選挙区75議席に350人、比例代表50議席に172人の計522人が立候補している。この中には、確認できただけで、クリスチャンの候補者が3人いる。このうち2人はいずれも新人で牧師。残りの1人は現職。以下に、3人の略歴を紹介する。
神戸輝明氏、日本維新の会(比例代表)
日本維新の会から比例代表で立候補している神戸(かんべ)輝明氏(49)は、グレイスライフチャーチ(静岡県浜松市)の協力牧師。公式サイトによると、1975年生まれ、愛知県豊橋市出身。2000年東京大学農学部卒業。その後、教会で働きながら、個別指導型補習塾、フリースクール、インターナショナルスクールの働きに関わる。14年に牧師となり、19年にキリスト聖書神学校神学修士課程修了。浜松市保護司、静岡刑務所篤志面接委員。
日本維新の会からは、22年の参議院選挙で、同じく牧師の金子道仁氏が比例代表で立候補し、当選した。金子氏は、神戸氏との対談動画などを公開し、応援している。
ローレンス綾子氏、参政党(宮城選挙区)
宮城選挙区(改選定数1人)では、参政党から牧師のローレンス綾子氏(55)が立候補している。公式サイトや選挙ドッドコム掲載のプロフィールによると、1979年生まれ、茨城県結城市出身。95年米オレゴン大学国際学科・社会学科卒業。96年~2001年、キリスト教国際NGO「フード・フォー・ザ・ハンガー(飢餓対策機構)」の子ども育成プログラムマネジャーとしてモザンビークに駐在。11年の東日本大震災をきっかけに、キリスト教国際支援団体「サマリタンズ・パース」の日本法人立ち上げに関わり、18年まで勤務。その間、牧師、通訳、翻訳などを務めながら、子どもをホームスクーリングで育てた。
22年の参議院選挙も、参政党から立候補したが落選。現在、参政党宮城県連会長を務めている。
牧山弘恵氏、立憲民主党(神奈川選挙区)
神奈川選挙区(改選定数4人)では、立憲民主党から現職の牧山弘恵氏(60)が立候補している。公式サイトによると、1987年国際基督教大学(ICU)教養学部語学科卒業、同年TBS入社。91年米トーマス・クーリー法科大学院修了。93年米司法試験に合格し、米国で弁護士に。松竹、ポリグラム(現ユニバーサルミュージック)、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントの法務責任者などを経て、07年の参議院選挙で初当選。当選3回。現在、経済産業委員長、立憲民主党神奈川県連会長代行などを務めている。
国家晩餐祈祷会や、クリスチャンの国会議員らが参加する国政報告会に度々参加しており、2016年には本紙のインタビューにも応えている。
NHKの候補者アンケート(選択式)によると、同性婚には、神戸、ローレンス両氏は反対であるのに対し、牧山氏は賛成。防衛力の強化は、神戸、ローレンス両氏は「今の程度でよい」で、牧山氏は「強化は必要だが防衛費は抑制すべき」。
外国人労働者の受け入れは、神戸氏は「今の程度でよい」、ローレンス氏は「抑制すべき」で、牧山氏は「回答しない」。原発への依存度は、神戸、ローレンス両氏は「下げるべき」で、牧山氏は「ゼロにすべき」。選択的夫婦別姓は、神戸、ローレンス両氏は、「旧姓の通称使用を認める法制度を拡充すべき」としたのに対し、牧山氏は「導入すべき」と答えた。
各候補者のプロフィールの詳細や掲げている政策は、それぞれの公式サイトを。