「ジーザス・ジューン・フェスティバル2025」が6月12日、東京中央教会(東京都新宿区)で開かれ、参院議員でグッド・サマリタン・チャーチ(兵庫県)牧師の金子道仁氏が講演した。
「教育改革と日本のリバイバル」と題して講演した金子氏は、教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」と期待を示した。明治時代のキリスト教学校が日本の近代化と教育の発展に重要な役割を果たしたように、「再び教会が、教育の危機において役割を果たしていくことができる」と述べた。
教会の公益性とは何か。旧統一協会を巡る問題に議員として関わる中で、いつもこの問いに直面していたという。「言い換えれば、私たちの教会は町にとって、なくてはならない存在なのか。町の人たちに、ここに教会があって本当によかったと言ってもらえる存在なのかと、問われていたような気がしていました」
金子氏は、自身が政界に「遣わされる」きっかけともなったイザヤ書58章12節の御言葉「あなたのうちのある者は、昔の廃墟を建て直し、あなたは古代の礎を築き直し、『破れを繕う者、市街を住めるように回復する者』と呼ばれよう」を引用。「昔の廃墟」「古代の礎」とは、「まさに私たちの国の少子高齢化、地方の過疎化」だとし、「主はこの国に違うものを見てくださっているという信仰をもって、この希望を告白していきたい」と話した。
「地方創生の3つの鍵」として金子氏が挙げるのは、「教育機会の確保」「福祉(医療・介護)の充実」「なりわいの回復」だ。「子育てができること。医療や介護といった福祉がしっかりあること。仕事があって食べていけること。この3つがあれば、暮らしていける。でも、これらが地方では崩壊しかけています」
金子氏が高校の授業料無償化を巡る3党協議に実務者として関わり、教育改革を進める中で、特に地方の高校教育でなくてはならないある役割を、教会こそが担えることに気付いたという。それが、非営利の通信制高校を運営することだ。
「教会は全国にあります。建物があります。そこが、地域で学校に行けなくなった生徒たちに学びの場を提供する場所になってくだされば、地域の人たちは本当に喜ばれます。この場所に教会があって、本当によかったと言ってもらえるような働きになっていくと思います」
金子氏は、通信制の生徒数が急増したことで高校教育の在り方が大きく変わり、教育の質が問われる中にあって、教会にしかできない役割があると強調した。
「人がやるべき教育として最後に残るものは、愛をもって子どもたちを受け入れ、忍耐強く励まし、希望を与え続けること。あなたには、主が与えてくださった賜物が必ずあるからと、あなたはこの社会の中で輝く存在になれるからと言い続け、信じ続け、祈り続ける人がいるかどうかです。これは、教会ができること、教会にしかできないことです」
最後に金子氏は、教育改革だけでなく、福祉の充実、なりわいの回復についても、「希望を持ち、信仰をもって祈る仲間がいれば、きっと主が語ってくださるのではないか」と祈りを呼びかけた。詩篇81篇10節「あなたの口を大きくあけよ。わたしが、それを満たそう」を引用し、「本当に社会が傷んでいるこの時代だからこそ、主からのビジョンを受け取り、共有し、主の栄光を見る者とならせていただきたい」と語った。
ジーザス・ジューン・フェスティバルは、日本民族総福音化運動協議会の実行委員会が毎年6月に開催しており、今年で22回目。同協議会は、日本の若者たちが将来の希望を見いだすことのできない状況を憂い、キリスト教信仰によって日本の国と民族を再建しようと、2003年に超教派の有志が結成した。日本のリバイバルを求める個人や団体と協力し、全国規模で活動を展開している。