温故知神—福音は東方世界へ(21)序聴迷師訶経⑤ 川口一彦

2015年5月28日14時28分 コラムニスト : 川口一彦 印刷
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1. 敦煌で発見された唐代作の序聴迷師訶経<イエス・メシア経>の現代訳(続き)
 メシアのヨルダン川での受洗の様子

温故知神—福音は東方世界へ(21)序聴迷師訶経⑤ 川口一彦

弥師訶(メシア)の年齢が12年過ぎ、述難(ヨルダン川)の清い地で谷昏(洗礼を授けるヨハネ)から洗礼を受けました。はじめは弥師訶が聖(ヨハネ)の弟子になり、彼にひれ伏しました。ヨハネは荒野に住み、生まれながら酒も肉もとらず、ただ野菜と蜜でした。

当時の多くの民衆はヨハネに向かって礼拝し、戒めを受けました。ヨハネは弥師訶をヨルダン川に遣わし、洗礼を授けました。弥師訶が川から上がられると涼風(聖霊)が天から来られ、お顔が薄閣 (鳩)に似て弥師訶の上にとどまり、空中から声がしました。「これ弥師訶は私の子。世の人はみな弥師訶に進みなさい」。これにより民衆は良い行いをするようになりました。

弥師訶は人々に近づき、天尊こそ天道(天の教え)によって裁き、世を裁く方です。人々はこの世の神に仕えてはいけない。この言葉を聞いた人々はこの世の神と悪から離れ、ついに信じ、良き業をするようになりました。

<解説>

この記事はメシアの洗礼と洗礼を授けるヨハネのことが書かれていますが、福音書の記事と多くの違いが見られます。メシアが洗礼を受ける年齢が12歳ということ、ヨハネが食べていた食事が野菜と蜜、不統一な用語、メシアと民衆との関係についてなどですが、大筋ではほぼ聖書に似ています。

漢文訳者は翻訳に慣れていないかのようで、稚拙な訳であることを示しています。おそらくこの漢文訳が景教徒の最初の作品ではないかと考えます。

※ 参考文献

景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年、イーグレープ)

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川口一彦

川口一彦(かわぐち・かずひこ)

1951年、三重県松阪市に生まれる。現在、愛知福音キリスト教会牧師。日本景教研究会代表、国際景教研究会(本部、韓国水原)日本代表。基督教教育学博士。愛知書写書道教育学院院長(21歳で師範取得、同年・中日書道展特選)として書も教えている。書道団体の東海聖句書道会会員、同・以文会監事。各地で景教セミナーや漢字で聖書を解き明かすセミナーを開催。

著書に「景教-東回りの古代キリスト教・景教とその波及-」改訂新装版(2014年)、「仏教からクリスチャンへ」「一から始める筆ペン練習帳」(共にイーグレープ発行)、「漢字と聖書と福音」「景教のたどった道」(韓国語版)ほかがある。最近は聖句書展や拓本展も開催。

【外部リンク】HP::景教(東周りのキリスト教)

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