新約聖書学者の田川建三(たがわ・けんぞう)氏が2月19日、気管支肺炎のため群馬県の病院で死去した。89歳だった。葬儀は近親者で済ませた。田川氏の著書を多数出版してきた作品社が8月13日に発表したなどとして、国内各紙が同日伝えた。
1935年東京都生まれ。東京大学卒。フランスのストラスブール大学で博士号(宗教学)取得。ドイツのゲッティンゲン大学、ザイール(現コンゴ民主共和国)国立大学、ストラスブール大学、大阪女子大学(現大阪公立大学)などで教鞭を執った。
『イエスという男』『キリスト教思想への招待』『書物としての新約聖書』など多数の著書がある。新約聖書の個人全訳である『新約聖書 訳と註』(全7巻8冊)で、2017年に毎日出版文化賞(企画部門)を受賞した。