米保守派活動家のチャーリー・カーク氏(31)が殺害されたユタ州オレムのユタバレー州立大学で16日、伝道集会「ハーベスト・クルセード」が開かれた。約7800人が参加し、2100人以上がイエス・キリストへの信仰を決心した。
集会は「ホープ・フォー・アメリカ」をテーマに開かれ、大衆伝道者で、メガチャーチ「ハーベスト・クリスチャン・フェローシップ」の主任牧師であるグレッグ・ローリー氏が、メインスピーカーを務めた。メイン会場となった同大のバスケットボールアリーナに加え、67の教会がライブ配信会場として参加した。
集会では、ローリー氏が福音のメッセージを語ったほか、クリスチャン歌手のフィル・ウィッカム氏やクリス・トムリン氏による賛美もささげられた。
主催者の発表(英語)によると、ライブ配信の視聴数は21万人に上った。
集会は、9月10日に同大のキャンパスで講演中に銃で撃たれ命を落とした、米保守派団体「ター二ング・ポイントUSA」(TPUSA)の創設者であるカーク氏をしのぶ映像で幕を開けた。
「この悲劇にもかかわらず、神はこの国で驚くべきことをしておられ、人々は問いかけ始めています。まるで目を覚まさせる呼びかけのようでした」とローリー氏は語った。「今夜はあなたの時です。これがあなたへの『目覚めの呼びかけ』です。どうか、(この機会を)逃さないでください」
ローリー氏は、メッセージの中で自身の生い立ちに触れ、罪の生活から立ち返り、父に寛大に迎えられた放蕩(ほうとう)息子に自らをなぞらえて語った。
ルカによる福音書15章11〜32節によれば、父は、家を離れた息子の帰還を喜んだ一方、家に残っていた兄であるもう一人の息子は、その手厚い歓迎に心を曇らせた。
「しかし、聞いてください。ある意味で、彼(兄息子)の『善良さ』が、かえって父から彼を遠ざけてしまったのです。迷う道は2つあります」とローリー氏。「とても悪くなる道と、とても良くなる道です。悪い生き方をしていれば、自分が悪いと気付き、変わらなければと思うかもしれません。しかし、良い行いをし、規則を守り、正しく生きていると思っていると、『自分は変わる必要なんてない』と考えてしまうのです。しかし、変わる必要があるのかもしれません。なぜなら、全てはイエス・キリストを通して神と関係を持つことだからです」
ユタ・アイダホ州南部バプテスト連盟(SBC)のロブ・リー事務局長は、SBCのニュースサイト「バプテストプレス」(英語)に対し、「ユタ州には兄息子のような人が多い」と語った。「皆、規則を守って生きていますが、それでも罪を悔い改め、神に立ち返る必要があるのです」
カーク氏は9月10日、TPUSAの「アメリカン・カムバック・ツアー」でユタバレー州立大学を訪れていた際、屋外イベント中に首を銃で撃たれ、その日のうちに地元の病院で死亡した。
当局はその直後、タイラー・ロビンソン容疑者(22)を逮捕した。報道によれば、ロビンソン容疑者は、カーク氏の保守的なキリスト教的見解、特にトランスジェンダーに対する考え方に反発して、事件を起こしたとされている。
ロビンソン容疑者はユタ州ユタ郡第4司法区裁判所で起訴され、加重殺人、重大な傷害を伴う銃器の違法発射、司法妨害、証人への不正介入、未成年者立会い下での暴力行為などの罪に問われている。
ハーベスト・クルセードは当初、ユタ州での伝道集会を2027年に予定していたが、ローリー氏は米キリスト教メディア「クリスチャンポスト」(英語)に対し、カーク氏の殺害を受け計画を変更したと語っていた。
「私たちは直ちにユタ州の牧師たちに連絡を取り、支援を申し出ました。『何かできることはありますか』と尋ねると、牧師たちは『もっと早く来てほしい。私たちの共同体は痛みを抱えている』と答えたのです」
「私たちは、わずか6週間の準備期間で実施することを決断しました。ハーベスト・クルセードでは初めてのことです。通常、伝道集会の計画は少なくとも1年前から行います。しかし、今は緊急性があり、福音のメッセージこそが答えだと私たちは信じています」

















