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ワールドミッションレポート

ワールドミッションレポート(1月6日):イラク 今も生きて働く神―絶望の地下牢を征服する福音の光⑤

2026年1月6日07時18分 執筆者 : 石野博
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関連タグ:イラクイスラム国(IS)

IS(イスラム国)の地下牢で、改宗か死かの選択を迫られるジェイコブ。沈黙を守る彼に振るわれたのは、計算された残酷な仕打ちと暴力の数々だった。背中が化膿(かのう)し、高熱にうなされながらも、祈る父、喜びに輝く改宗者サラの幻、そして聖書の約束に励まされて彼は耐え忍んだ。これは絶望の淵で、生きて働く神の力を体験した男の証しだ。(第1回から読む)

*

勾留されて5日目から、正式な尋問が始まりました。私はカメラが設置された明るい部屋に連れて行かれました。「今日、お前の告白を記録する」と、ヨルダン訛りのある若い男、オマールが告げました。しかし、それは全て茶番でした。彼らは情報を求めていたのではなく、私が転ぶこと、すなわち完全にキリストを否定する瞬間を記録するために待っていたのです。

質問は私を打ちのめすように計算されたものでした。活動の詳細、改宗者の名前、欧米の教会とのつながり。間違っていると見なされた答えのたびに、専門的に訓練された拷問が加えられました。「このやり方はCIAのマニュアルから学んだんだ。面白いだろ?」オマールはそう言いながら、私の指に電極を取り付けたのです。

電気ショックの痛みは言語を絶するものです。それは単に耐え難い肉体的な苦痛だけでなく、筋肉が意思とは無関係に収縮し、歯が砕けそうになるまで食いしばられ、心が必死に助けを求めて叫んでも、助けは決して来ないのです。自分の体を完全に制御できなくなる感覚でした。

この拷問の中で、私は最初の神の介入を経験しました。電気が体中を駆け巡る中、私は祈り始めました。自分でも理解できない音の川のような言葉が口からあふれ出し、それが私の魂を強めました。

オマールは目に見えて動揺し、一歩退きました。「お前はいったい何をしていやがる!」と荒々しく言葉を吐き、電圧を上げて私を黙らせようとしました。しかし、痛みが増せば増すほど、聖なる言葉はせき止められない川のように口からあふれ出したのです。いら立った彼はついにコントローラーを床にたたきつけ、「この黒魔術のクリスチャンめ!」と吐き捨てて部屋を去りました。

その夜、独房の暗闇の中で、ローマ書8章26節が灯台のように鮮明に浮かんできました。「同じように御霊も、弱い私たちを助けてくださいます。私たちは、何をどう祈ったらよいか分からないのですが、御霊ご自身が、ことばにならないうめきをもって、とりなしてくださるのです」

完全な無力さの中で、私の力が尽きたとき、聖霊が私に代わって祈ってくださっているのを感じました。

6日から10日にかけての数日間は、痛みと恐怖が連続して続きました。毎晩、捕らえられたクリスチャンや西側諸国の人々の残酷な処刑ビデオを見せられ、「明日はお前の番だ」という死のささやきで繰り返し脅迫されたのです。

最も残酷な心理的拷問の一つは、12歳にもならない子どもが連れてこられたことです。私の拷問を見せるためです。再びシャハーダ(イスラムの信仰告白)を拒否した私は鞭打たれ、その子の大きくおびえた目が、私の傷跡を見つめていました。

「不信心者の末路はこうだ! よく見ておけ! 小さきムアジドよ!」アブ・マリクはおびえる子どもに怒鳴りつけました。その子のおびえた顔が何度も夢に現れました。その表情に憎しみはなく、深い混乱とむき出しの恐怖がありました。

その夜、体は極度の疲労と痛みにさいなまれていました。しかし私の霊は違いました。決して屈することなく抵抗していたのです。自分でも驚いたことに、私は自分を苦しめる者たちのために声を出して祈り始めました。「父よ、彼らをお赦(ゆる)しください。彼らは自分が何をしているのか分からないのです」

十字架の主イエスの祈りが、私の祈りになりました。その祈りは本心からの祈りでした。私は一人一人の名前を挙げ、アブ・マリク、オマール、監視員たち、そしてあの少年のためにも祈りました。「主よ、彼らにあなたの真理を示してください。あなたの光がこの暗闇を打ち破るようにしてください」と。(続く)

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■ イラクの宗教人口 ※内線前の統計
イスラム 98・6%
プロテスタント 0・2%
カトリック 0・04%
正教会 0・3%

*

1月1日からシリーズで掲載してまいりましたイラク人キリスト者ジェイコブ・ナザール氏の証し記事「今も生きて働く神―絶望の地下牢を征服する福音の光①〜⑤」について、ある信頼できる方からソースの提供を受け、当方で編集を加えてお伝えしてきましたが、元記事を調べたところ、宣教団体「殉教者の声(Voice of the Martyrs)」の記事と分かりました。2021年の記事でしたが、現在この記事は同団体のリソースから削除されています。

理由は「第三者による事実認定の評価が不能である」とされているためです。これは「直ちに創作・捏造(ねつぞう)である」と結論付けられるものではありませんが、記事の信ぴょう性に疑義がある以上、シリーズ⑥以降の更新に関しては、無期限で停止・留保という形にせざるを得ません。

何卒ご理解よろしくお願い申し上げます。

◇

石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。

※ この記事は、石野博牧師の「ワールドミッションレポート」を、若干の編集を加えた上で転載したものです。
関連タグ:イラクイスラム国(IS)
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