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不条理なる死を不可知の光で中和せよ

私の名を使って(その2) マルコ福音書9章38~41節

2025年8月20日23時06分 コラムニスト : 藤崎裕之
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関連タグ:マルコによる福音書藤崎裕之
私の名を使って(その2) マルコ福音書9章38~41節+

不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(84)

「私の名を使って奇跡を行い、そのすぐ後で、私の悪口は言えまい」とイエスは言われた。何とも含蓄のある言葉ではないか。イエス・キリストの名を使うというのは、キリスト教の世界では、まあまあ普通のことではある。特にイエス・キリストの名によって祈るというのは、信仰者にとって大変重要な意味を持っているはずである。

キリストは仲保(仲介)者である。私たち人間同士の間にあって、あるいは人間と神との間に立って仲保する方である。キリスト教信仰においては、このキリストによる仲保なくしては何も実現しないし、また実現すると思ってはならない。しかし、実際にはどこまで仲保者たるキリストを思いつつ物事に向き合っているだろうか。大いに反省すべきところがある。

キリストの仲保なくして奇跡は起こらない。起こったとしたら、それは奇跡ではなくて偶然である。たまたまである。しかし、私たちは自分の力で成し遂げた気になって大きな顔をする。そこに罪があるのだ。「私の名を使って奇跡を行い、そのすぐ後で、私の悪口は言えまい」。この言葉に含蓄があると私が言ったのは、そういう理由があるからだ。

世界には何かしかの良きことが起こる。いつも悪いことだらけではない。いや、むしろ悪いことだけしか起こらなかったのであれば、私たちが罪を犯す機会はもっと少なかったであろう。この世では良きことも起こる。良きことはなぜ起きたのか。悪いことが起きると、私たちはいろいろと考える。その理由を追い求める。自分自身の中にも至らないことがなかったか、内観できる。そこに罪はない。罪は良きことのすぐ隣でその口を開け、私たちを待ち受けているのではないか。

奇跡は起こる。なぜ起きるのか。私たちにはその理由はよく分からない。にもかかわらず、良きことは得てして人の心に傲慢(ごうまん)を引き起こすのだ。「良きことみな、神より来ぬ」と歌う賛美歌があったはずだ。良きことは全て神から来るのだと素直に思える人は幸いなのだ。

キリストの仲保なしに実現する良きことはない。これがキリスト教信仰の基本である。その実感がないとしたら――もちろん、私にはあまりそういう実感はないのだけれども――、そのような人は自分の傲慢に向き合うべきだろう。私たちがイエス・キリストの名によって祈り、願い、何事かを実行するのは、その結果に対して謙虚になるためである。謙虚な人は、キリストの悪口は言えまい。言えるとしたら、それはキリストの名によって何かを成し遂げようとはしていないのだ。

私はある時期から、キリスト教平和運動にひどく心を「やられる」ようになった。「平和を実現する人々は、幸いである」と、確かにキリストは宣言された。その言葉に励まされ、多くの信仰者が平和のために心身をささげている。尊いことだ。終戦の月である8月には、多くの教会でこの聖書箇所が朗読されたことだろう。

私は平和を実現する人々の中にいるのだろうか。全くもって確信がない。平和運動に熱心であったときでさえ、確信はなかった。なぜだろうか。そのことがずっと心に傷を残している。平和運動に身を置くことで、ある程度の「心地よさ」は感じていた。何かをしているのだという安心感はあった。しかし、奇跡は起こらなかった。小さな奇跡もなかった。何かに対する怒りと不平と叫びが、私を支配していただけである。

平和という事柄においてさえ、奇跡は起こるはずだ。私は、それが分からない愚か者である。キリストの名によって平和を願い、行動してなかったということが事実ではないか。

人は戦争が起こるたびに、神に問う。人は争い、傷つけ、傷つけられるたびに、神に問う。「神は何をしておられるのか!」と。ある程度は許容できるが、神を問う人にどれほどの謙虚があるだろうか。

「私の名を使って奇跡を行い、そのすぐ後で、私の悪口は言えまい」。何とも含蓄のある言葉だ。キリストの悪口は言わないとしても、キリストの名よりも自分の名を尊び、高めようとしている、そういう悪、そういう罪から、私たちは離れることができるのであろうか。イエスは、謙虚であれとおっしゃるのだ。謙虚であることによって罪から離れよと。(続き)

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◇

藤崎裕之

藤崎裕之

(ふじさき・ひろゆき)

1962年高知市生まれ。明治から続くクリスチャン家庭に育つ。88年同志社大学大学院神学研究科卒業。旧約聖書神学専攻。同年、日本基督教団の教師となる。現在、日本基督教団隠退教師、函館ハリストス正教会信徒。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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