Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
不条理なる死を不可知の光で中和せよ

罪とは都合の良い言葉である(その1) マルコ福音書14章27~31節

2025年3月19日11時23分 コラムニスト : 藤崎裕之
  • ツイート
印刷
関連タグ:マルコによる福音書LGBT藤崎裕之
不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(76)+

不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(76)

全世界的にレントである。久しぶりに東西教会が同じ日に復活祭を迎える。「お宅はいつですか」と聞かれることもないので、それはそれでうれしい限りである。

さて、昨年であったか、日本ではLGBT理解増進法と呼ばれる法律が施行された。レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシャル(B)などの性指向を持つ、あるいはこれらの性行動をする人は、性的少数者と呼ばれる。多数者ではない。故に少なからず差別的な扱いを受けてきたと思う。

日本のキリスト教界においては、昨年は少なからず、LGBTが「罪に当たるかどうか」ということが話題になることが多かったように思う。

「T」と表現されるトランスジェンダーが罪かどうかは、議論する必要はないようにも思える。なぜなら、トランスジェンダーは性指向や性行動を意味するものではなく、医学的には心と体の性的不一致であり、実際は言葉で説明するほど単純ではないだろう。要するに単純に「T」という頭文字だけで表現し得ない事柄だ。

私が問いたいのは、性的な事柄について、「罪」という枠組みであれこれと語り得るのかどうかである。これはクリスチャントゥデイの記事やコラムでもいくらかは論じられていた問題であると思うが、やはり私にはピンとこない。

LGBが罪かどうかをキリスト教界の中で発信すると、めちゃくちゃ痛い目に遭うようだが、まあ、それはよい。罪であると言おうが、罪ではないと言おうが、どっちにしても話題にするなら、少なからず炎上はするだろう。私自身は性的な事柄と「罪」を関連させる気はあまりない。そもそも他人様の性指向というか、性行動にいちいち文句を言う気もなければ、理解する気もない。政府から「理解を増進すべし」と言われるのは、正直なところ不愉快なのだが・・・。

さて、私が何者であるのかを表現するとき、それが一様になることはあり得ない。思考的に、指向的に、あるいは嗜好(しこう)的に、もちろん身体的に、社会的に、加えるなら性に関する事柄においても、私が何者であるのかは、いろいろと表現できるであろう。

思考的には「罪」が存在するし、嗜好的にももちろん「罪」がある。その他諸々に「罪」があるのは、私自身については自覚している。私という人間のある側面から何か一つを抜き出して、「それは罪だ」と言われたら面白くはない。かといって、何であれ私は罪人である。キリスト教の教えに反するから罪人なのではなく、存在そのものが足の先から頭の先まで罪人なのである。しかし、その部分部分を抜き出して「これがお前の罪だ」と言われるならば、それは大きなお世話である。

このような屁理屈を述べつつ、LGBが罪であるかどうかを論じてはいけないのではあるが、正直なところ、性という事柄によって人を「ああだ、こうだ」と判断する気にはならない。それでも一応は、LGBは罪であると言っておく。なぜなら、人間のどのような思考や行動にも、結局のところ「罪」が伴うからだ。いわゆる異性愛という、ノーマルであり、性的多数者といわれる側にも大いに罪があるのだ。兄弟姉妹を裁くのは控えた方がよいのではないか。

前置きが長くなったが、レント期間中でもあるから、自分自身を大いに含めて人間の罪について語ってみたいと思う。その一つの例として、上記のように性の問題について論じただけだ。

さて、今回のコラムの主題は、イエスを裏切ったと思われる使徒ペトロにはどういう「罪」があったのかである。私はもともと「親ガチャ」プロテスタントなので、罪人の代表といえば、イエスを裏切って逃げ出したペトロであるという教えというか、刷り込みがある。逆に言えば、人間の罪を語るならば、まずは「ペトロから」ということになる。

これは大脱線なのだが、カトリック教会の教皇は、かのペトロの座を継承しているということになる。私から見れば、何でわざわざ罪深いペトロの後継者を名乗るのか、と考えてしまう。まあ、それがプロテスタントで育った人間の思考なのだ。

「鶏が二度鳴く前に、あなたは三度、私を知らないと言うだろう」(マルコ14:30)。イエスの突き刺さるような言葉を前に、ペトロは何を思っただろうか。私自身はイエスを裏切り続けてきたので、そのこと自体は私の人生の一部になってしまった。あまりにも慣れ過ぎて今や痛みすら感じない。何とも情けない話である。これこそがパーフェクトな罪なのであろう。

正教会の教えに従えば、われわれ人間はしばしば罪を犯す傾向にある。罪を犯すというのは、天地創造の時に神から頂いた「神の似姿」を失っているということである。これまたわれわれ人間には、いろいろな姿があると思うが、神の似姿を失っているという事実を前にしたら、われわれのそれ以外の側面というのは取るに足らないものであろう。

かつて神の似姿をまとっていた人間、その時の記憶というのはわれわれに残っているのだろうか。もしかしたら、己の罪を憂い、心を痛める瞬間があるなら、それこそが神の似姿をまとっていた頃の記憶なのかもしれない。

「たとえ、ご一緒に死なねばならなくなっても、あなたを知らないなどとは決して申しません」(マルコ14:31)とペトロは言った。にもかかわらず、イエスの予告が見事に実現し、やがてペトロはイエスを知らないとまで言い切った。そういう結末を知っているからこそ、われわれにはペトロが大罪を犯したと考えてしまう。ペトロが大見得を切らず、静かにイエスから離れていったならば、われわれはペトロがそれほどにひどい人物であったとは言わないだろう。それでも私が言いたいのは、弟子の中で一番罪深いと語られるペトロであるが故に、全ての信仰者から深く愛され続けているということである。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

◇

藤崎裕之

藤崎裕之

(ふじさき・ひろゆき)

1962年高知市生まれ。明治から続くクリスチャン家庭に育つ。88年同志社大学大学院神学研究科卒業。旧約聖書神学専攻。同年、日本基督教団の教師となる。現在、日本基督教団隠退教師、函館ハリストス正教会信徒。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:マルコによる福音書LGBT藤崎裕之
  • ツイート

関連記事

  • 聖地があるなら行ってみたい(その1) ルカ福音書19章45節~20章27節

  • 堕落とは人生の深掘りである(その1) マルコ福音書12章13~17節

  • 犬も歩けば棒に当たる的な(その1)

  • なんちゃってキリスト教外論 多元宇宙論について

  • 義はゴールではない ローマ書5章考察(その1)

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.