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不条理なる死を不可知の光で中和せよ

なんちゃってキリスト教外論 多元宇宙論について

2024年4月25日22時30分 コラムニスト : 藤崎裕之
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不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(67)+

不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(67)

この世だけ、死んだら終わり、というわけにはいかない

われわれの宇宙は多元である。これを多元宇宙(マルチバース)論という。早い話が、われわれが知っている宇宙というのは、ものすごくたくさんある宇宙の「一つにすぎない」ということである。われわれとしては、天国、この世、地獄の三界くらいしか思い浮かばないのであるが、それも多元であるといえば多元ではある。

人間は何とか「この世」についてほんの少しは知っているのであるが、まあ、それは科学的に知っているという意味であって、つまり、それもまたほんの少しということになる。

宗教的に表現すれば、この世の他にあの世について、つまり、天国や地獄、陰府(よみ)、煉獄(れんごく)、その他もろもろについて語ることはできるが、それらを実証するのは無理である。この世ではないあの世のことは、精神的な分野ということになるであろうか。

その延長でいえば、宇宙人というのもかなりあの世的な事象であって、まあ、多少は怒られるかもしれないが、宇宙人というのは精神世界の賜物であると私は思うのである。科学的な存在であったらちょっと怖いだろ。

宇宙人伝道について真剣に論じた人もいるが、その手の人々にしてみれば「イエス・キリスト」は神の子であるが故に「全宇宙的存在」ということになる。つまり、どれほど多くの宇宙人がいたとしても、その宇宙人もまた、やはり神の被造物であるから、キリストの救いというのはわれわれと変わらず有効であるということであるらしい。言葉を換えれば、地球以外の宇宙には、固有の救い主は生まれなかったということになる。それはそれで、私には痛快な「お説」である。

私としては宇宙に人間以外の知的存在がいるなら、われわれと同じように「エデンの園の毒リンゴ」的な失敗を犯してしまうだろうから、彼らにも罪意識というものがあるだろう。つまり、罪意識があるなら救い主が必要なのであって、故に当然のごとく「キリスト」はおるであろうと思う。

つまり、彼らもまた宗教的な存在なのであって、地球人の中の一部が信仰しているものを押し付けるのはいかがかと思ったりもする。しかしまた一方で、そのような宇宙人に対しても自信を持って伝道できない程度の救い主であるなら、そもそもそのような信仰って「何なの?」という言い方もできるだろう。そのへんはとても難しいのだ。

宇宙旅行に行く前にはお祈りをささげるべし

高度に発展した文明では宗教は無用になると、マルクスが言ったかどうかは知らないが、超高度な文明であるなら、とっくの昔に罪意識を克服しているから救い主的な存在など必要ない、という言い方も成り立つのかもしれない。

神頼みで宇宙空間を旅するなど、せいぜいわれわれ21世紀の地球人でおしまいにすべきなのかもしれないが、私なら宇宙旅行の前にやはり神頼み、つまりお祈りはしていくだろう。とはいえ、宇宙人がいるとしても、それで多元宇宙の証明にはならない。宇宙人もまたわれわれと同じ空間に存在している、その他大勢にすぎないのだからだ。

マルチバース論が言わんとしていることは、われわれの宇宙はめちゃくちゃ広大であるが、それでも実は極小の存在にすぎないということである。宇宙を超える範囲をどう表現すればよいのか分からないから、「超宇宙」と仮に言うとしても、その超宇宙には膨大な数の個別宇宙があって、その数はもしかしたら10の1万乗を超えるくらいかもしれないというのが、最新のマルチバース論のようである。

われわれの宇宙は、広大な真空とわずかな物質が存在する空間があって、それらが微妙に均衡することによって成り立っているらしい。真空のエネルギーと物質のエネルギーが均衡しているから宇宙は宇宙として存在しているらしい。それがわれわれの宇宙であって、均衡していない別の宇宙もあり、そこはわれわれには想像もできない姿であるという。

宇宙は膨張しているというのが現在の定説であるが、膨張しなかったら物質は押しつぶされてしまうのだそうだ。物質が押しつぶされると、エネルギーだけが存在するヘンテコな世界なのだという。エネルギー、つまり力だけが存在してうごめいている世界というのは、何となく神秘的ではあるが。

数字の魔力

で、真空と物質の均衡というものは、10の120乗分の1くらいの誤差しかなくて、それはとてつもなく正確に均衡しているらしい。で、そういうのはわれわれなら神がかり的な一致と言うのであるし、当然のことながらそこに「神の御意志」をくみ取るのも自由であり、宗教依存の人間はそのように考えるであろう。

しかし、科学者としてはそうではなくて、10の1万乗くらいの個別宇宙があって、その中の一つがたまたまわれわれの宇宙であると考えるらしい。それで、その宇宙の中でこの地球が存在する確率やら、その地球の中で生命が生まれる確率やらを合算していくと、どうも10の4万乗分の1の確率になるやらならないやらで、とにかくとんでもなく希有(けう)なことになるそうだ。

ここまでくれば、「こりゃどう考えても偶然じゃなくて、神の必然としか考えられないじゃねえか」と悦に入るのはよろしくないようだ。途方もないほどたくさんの個別宇宙がある中で、たった一つの存在かもしれないわれわれの宇宙で、その中のものすごく希有な、たった一つしかない命を、われわれ一人一人が生きているというのも、何とも味わいが深いと思う。まあ、それをあえて神学的にああだ、こうだと言っても致し方なしなのであろう。というよりも、宗教的な必然という概念をどうも科学者は選択しようとしない。というか、それを言ったら敗北なのであろうか。

宗教はもともとマルチバース

前置きは終わりにして、私は「宗教というのは、もともとマルチバースである」ということを言いたいわけである。われわれが自分の目で、耳で、鼻で、皮膚で感知する世界というのは、実はものすごく小さい世界であるが、それでもわれわれにとってはかけがえのないものであると知るべきだ。多元宇宙の中に神が司る天国、地獄、煉獄などなどがあってもよいわけで、これは科学的に言うと必然なのかもしれないし、理性的に言えばナンセンスなのかもしれない。

キリスト教的な思考によれば、天国、この世、地獄、煉獄などとしか言いようがないが、それでもこの世しかないと考えるよりも豊かではないか。予断になるが、マルチバース論的にいうと、個々の宇宙にいる限り他の宇宙とは交流できないらしい。なぜならば存在原理が違うからである。われわれの宇宙は素粒子という物質と真空という空間で成り立っているが、他の宇宙は当然のことながら全く違う構成であるから、われわれは他宇宙では存在できない。というのが物理原理である。

結局は神なのだ

ところで、この世とは「今あるべくしてある現宇宙」なのであるが、あの世とは現宇宙の延長ではない。いや、正しくはあの世が多元宇宙の中の一つである限り、現宇宙の延長ではあり得ない。神論とはそのようなマルチバース論を全て乗り越えて、というか100歩くらい先を行っているのであって、この世に存在したものが実はあの世でも存在してしまう。それはこの世もあの世も、つまり多元宇宙そのものが神の被造物だと考えるからである。難しい表現をするなら、個々人が他界にアクセスすることは不可能であるとしても、神を通じて、つまり、礼拝であったり、祈祷であったり、そういう行為によって他界との交わりが可能であると考える。それが宗教であるもある。

つまり、10の1万乗、いや100万乗くらいの数の個別宇宙が存在したとしても、なお神はそれを超えて存在するというのが神論である。少なくともわれわれキリスト教の神論はそうなるはずだ。われわれの神論に従えば、存在に偶然はない。全ては神の手の中にある。例外はないのだ。ないから神の創造なのだ。これこそがめちゃ神秘だ。サタンもまた神の被造物である。どれほどに神に逆らう存在であったとしても、サタンが神を超えることはあり得ない。故に、サタンと神の最終戦争などというのは一種の比喩なのであって、どちらが勝利するのかなどという問題ではないのだ。

実のところ、宗教論はいとも簡単に天文物理を乗り越える。何事にも理由が必要であるなら、われわれには簡単なのだ。だから神がおられると。あとはせいぜい、神の手の中に収まって科学的に世界そのものを観察しておればよいのである。科学のない神学は狂気を生みだしそうだが、だからといって、神を科学によって考察すべき理由など全くないのである。

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◇

藤崎裕之

藤崎裕之

(ふじさき・ひろゆき)

1962年高知市生まれ。明治から続くクリスチャン家庭に育つ。88年同志社大学大学院神学研究科卒業。旧約聖書神学専攻。同年、日本基督教団の教師となる。現在、日本基督教団隠退教師、函館ハリストス正教会信徒。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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