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不条理なる死を不可知の光で中和せよ

義はゴールではない ローマ書5章考察(その4)

2024年4月11日21時27分 コラムニスト : 藤崎裕之
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関連タグ:ローマの信徒への手紙藤崎裕之
義はゴールではない ローマ書5章考察(その4)+

不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(66)

神を超えるグレイトな人間

神を超えるのが人間の理想である。故にニーチェは偉いと思う。目標は高くあるべしだ。ところが、悲しいことに神を超えるといえども、その神がどれほどの高みにおられるのかについて、何とも人間は無知なのだ。分かっているようで、実は全く分かっていない。分かっていないものは超えようがないということになる。

と言いながらも、果たして神に対して人間がいかに無知であるかという事実を、われわれはどれほど自覚しているだろうか。神に対する無知と等しく、実はわれわれ人間というものは、己の小ささにもあまり気付いていないのではないか。

私はビックではなく、グレイトを目指しているのであるが、その出発点についても無知なのだ。何も原罪論を語ろうとしているのではない。人間は生まれながらに悲惨であるとか、脅し文句を言うつもりはないのだ。神の似姿については以前に語ったが、われわれ人間は出来の悪い失敗作ではない。あるいは、失敗作の中からごくわずかな者だけが神の選びの中にあって優れているとか、そういうことを言うつもりもない。人間の小ささと、生まれながらに悲惨であるということは、全く質が違うのだ。

われわれ人間は小さい

われわれ人間がいかに小さいかということは、気付きがなければ自覚できない。前述したように、われわれは神が何者であるのか、その最小限のことしか語ることができない。だから「人間は小さい」と私は言っているのである。つまり、神を超えた者だけが神の本当の姿について語ることができるからだ。われわれが神についてわずかしか語り得ない事実が、われわれの小ささを物語るのである。

山は登り切ってみないと、その大きさと雄大さは分からない。グーグル・アースの3D機能を用いれば、チョモランマもK2もその頂を見ることはできる。現代の技術を駆使さえすれば、チョモランマの頂上から見る絶景もある程度は再現できる。しかし、そこには空気感がないのだ。そう、つまり肌感覚なのだ。実はグレイトな人間について結論めいたことを述べるとしたら、それはやはり肌感覚があるかないかが重要なのではないかと思う。実感なきグレイト目指しを続けている限り、私はとことん小さい人間だと確信できる。いや、あまりにも小さい人間であるが故にグレイトを目指すのであろうか。

前回述べたように、偉大なる英雄たちがその頂点の時に感じていた肌感覚とはいかなるものか。超絶的な成果を上げて凱旋したときに感じた熱狂感、その空気感、肌感覚、確かにものすごく素晴らしい経験をしたことであろう。でも、実はそれだけである。凱旋式が終わって自室に入ったとき、彼が感じたものは、いわゆる最高の満足感であったのか、あるいはホッとした思いなのか、それとも他の何かか。

世に現れたグレイトな人間たちは、ふと一人になったときに何を感じたのだろうか。遂に超えたという思いか、まだまだ先があるという引き締めた気持ちか、ここからは落ちたくはないという守りの思いか、それとも漠然とした不安か。どうであろうか。彼らにとって自分自身は本当に大英雄だったのだろうか。気になるところだ。そう、われわれは自分に対してグレイトであるか、どうか。つまり、最後に行き着く先は自分自身ということになるのだ。

キリストによって

いろいろと語ってきたが、何かを超越しないでグレイトになれるか、なれないか。そこが最大の問題である。比較的グレイトな人生かどうかということであれば、私は完敗である。比較をすれば、大抵の人は私を超えている。それでもグレイトに生きていたいではないか。それが人生というものである。言葉を換えれば、とことん小ささを極めつつあるのが私という人間なのだ。

「神の栄光にあずかる希望を誇りにしている」とパウロはローマの人々に語った。それが信仰によって義とされた人間というものであろう。そして、その信仰というのはイエス・キリストによるのだというのがパウロの主張である。自力か他力かはっきりしないところが何とも魅力的ではないか。イエス・キリスト抜きの信仰義認はないのだ。そこをわれわれは忘れがちである。神への信仰があれば、キリスト抜きでもよさそうなものであるが、そうではないというのがパウロの伝えたいことなのだ。

どの国にも「神」というものは存在する。無神の国というのは珍しい。というか今でも皆無であろう。ある意味、どこにも「神」はいるのである。もちろんユダヤ人にも神はいる。だがパウロは、ユダヤ人であるから信仰義認が認められるとは言わない。パウロという人は、ある時から全てが「キリストによって」という物差し付きの人生になった。わが人生は「キリストによる」ものであるから、苦難うんぬんかんぬんもまた味わい深しと彼は考える。「キリストによる」から、超えられないものも超えていくとパウロは語る。

超えられないものは誰の人生にもたくさんあるが、パウロには全ての事柄がキリストによれば超えられると思えてしかたがなかったようだ。恐らくキリストによれば神も超えられると思えたのであろう。なぜならキリストによれば、神は愛であるから。愛とは自ら小さくなることだから。全てに対して小さくなることだから。つまり、気が付けば人は誰もがグレイトだったということだ。神の栄光にあずかる望みとは、そういうものではないか。グレイトに生きる、それはいとも簡単なこと。ただ「全てはキリストによる」というそのことに気付けばよいだけなのだから。しかし、そういう気付きもまた一瞬のことにすぎない。英雄とはかくあるべしだ。(終わり)

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◇

藤崎裕之

藤崎裕之

(ふじさき・ひろゆき)

1962年高知市生まれ。明治から続くクリスチャン家庭に育つ。88年同志社大学大学院神学研究科卒業。旧約聖書神学専攻。同年、日本基督教団の教師となる。現在、日本基督教団隠退教師、函館ハリストス正教会信徒。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ローマの信徒への手紙藤崎裕之
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