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不条理なる死を不可知の光で中和せよ

「え、神の名前?」(夏の番外編)

2023年7月13日14時22分 コラムニスト : 藤崎裕之
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不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(49)+

不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(49)

「マスク警察」なる言葉を考案した人は誰であろうか。なかなかセンスがある。2023年の文脈であれば、それが何を意味しているのか大体は分かる。ところが、それが2018年ならどうだろうか。その意味するところは全く自明ではなかったはずである。

たった5年で「マスク警察」という言葉の指し示す事柄が全く変わってしまったのだ。というか、2018年に「マスク警察」なる言葉を口にしても、「え、それ何?」ということにしかならないであろう。せいぜい「マスクをつけた警察官のこと?」と思う程度だろう。とにかく、話が長く続くような話題にはならないはずである。しかし、自分の生活においていえば、この「マスク警察」や「自粛警察」なる言葉のために、この2、3年、教会生活が危うくなったのは事実である。「あなたはマスク警察だ」と揶揄(やゆ)された経験は多くの人が共有しているのではないだろうか。

さて、「ヤハウェ」なる言葉を聞いた人は多いと思うが、どうであろう。これは神名、つまり神の名前である。古代イエスラエル人が自分たちの神をそう呼んでいたであろうと考えられている。その神名が聖書に記されているが故に最も有名な名前となったはずであるが、「ヤハウェ」という言葉を日常の教会生活で耳にする機会はほとんどない。

キリスト教は、古代イスラエル人が信じていた神を自らの神として引き継いだので、当然のごとく、キリスト教の神は「ヤハウェ」である。聖書には「神の名をみだりに唱えてはならない」という掟(おきて)が記されているので、相当昔から「ヤハウェ」という神名を口にするのを極力避けるようになった。

ホンマかいなと思うが、実際のところ、現代のユダヤ教徒もキリスト教徒も神名を口にすることはほとんどない。あるとすれば「勉強会」と称する機会に限られているのではないか。また、神名について講義を受ける「勉強会」など、一般の信徒にとっては生涯で二度もあれば多い方だ。だからまあ、神名を聞いても忘れる。今「ヤハウェ!」と口にしているのは、大抵は学者か聖職者くらいである。

とはいえ、問題は「神の名をみだりに唱えてはならない」という言葉をどのように受け止めるのか、ということである。文字通りに受け取るならば、口にしてはならないが、文字にするのは差し障りがないということになる。

これはまさにそのままその通りであって、聖書には「ヤハウェ」の神名に該当する文字はたくさん書かれているのだ。というか「ヤハウェ」だらけである。旧約聖書はヘブライ語のアルファベットで書かれているのであるが、「ヤハウェ」という神名を英語表記にするなら「YHWH」となる。ヘブライ語は子音だけしかないので、これに母音を足して発音することになる。当時の人は「YHWH」と書かれていれば、「ヤハウェ」と発音することくらいは当然のごとく知ってはいたはず。では、聖書を朗読する場合はどうするのかといえば、どうも別の言葉に置き換えていたらしい。

置き換えがどのように行われていたのかを説明すると、学者や聖職者の類いになってしまうので省略する。学説に従うと、「ヤハウェ」と口にしてよいのはエルサレム神殿の大祭司だけで、それも年に一度、至聖所の中でたった一人だけで口にしたという。ところが、「ヤハウェ」と唱えるのが許可されるのがたった一人の大祭司だけだったので、だんだんと正確な読み方が失われていくようになり、最終的には誰もその読み方を知らないようになってしまったと。まあ、そのようなことを神学校の授業で習うのであるが、教えられたときは大変に面白いと思ったのは確かだ。

しかし、よくよく考えてみれば、このあり得るような話も、実はそうともいえないことに気付くのではないか。ヘブライ語が子音だけで記述されていたとしても、「YHWH」以外の神名、あるいは人名について、当時の人々はスラスラと発音できていたのだ。「YHWH」だけが発音できなかったというのはどうも怪しい。つまり、何が言いたいかといえば、私が考えるに「YHWH」については大抵の人は発音できるけれども、「あえて発音しなかった」というのが正解ではないか。

加えて言えば、他国の人から「YHWH」の正確な読み方を聞かれたとしても、「それは大祭司だけに許されていることなので、私たちには知り得ないことなのだ」とか、適当なことを言ってごまかしていたのではないかと思うのである。なんせ「みだりに唱えてはならない」神の名前であるのだから、それも当然のことである。わざわざ外国人に教えるまでもない。神の名前というものは、知っているからといって、自慢げに口にしてよいというわけではないのである。

では、その名前の意味するところは何なのか、と聞かれたらどうだろう。神ご自身が「わたしはあるという者だ」と語られたと、日本語訳の聖書に書かれていたような気がするが(出エジプト記を読んでください)・・・。それも実は何の答えにもなっていないのではあるが。

神の名前を知っているとして、その意味することまで知りたいと思うのか、と問われれば、私は確かに知りたい。最初の話に戻るが、「マスク警察」という言葉を耳にすれば、2023年を生きる私には何となくその意味することは分かる。しかし、2018年であればどうだろうか。もちろん、積極的に知りたいとは思わないだろう。2023年だから、その意味が何となく分かるし、それ以上にその意味するところ、つまり、世に人たちは「マスク警察」なる言葉をどう理解しているのかを知りたいと思っている。

「ヤハウェ」――このキリスト教が引き継いだ神の名前の意味を、キリスト教徒として知りたいと思うのは当然のことであろう。もし私が仏教徒だったら、多少は興味を持つかもしれないが、その意味まで深掘りして知りたいとは思わないだろう。神の名前に秘められた奥義があるとしたら、私はそこに言葉というものの魔力を感じるし、それと同時に怖さを感じる。

キリスト教徒であるから、聖書に書かれている神の名前の由来やその意味を知ることに意義があるというのは重々了解している。しかし、その読み方や意味を知ったからといって、その事実が私の人生においてどれほどの意味があるのであろうか。私の興味を満たすかもしれないが、その知識が私の信仰を深めてくれるのであろうか。それは「マスク警察」という言葉の意味を知るのと、どの程度の違いがあるのであろうか。

「言霊(ことだま)」という言葉がある。大好きな言葉である。「言霊」については各々が調べて考えてほしい。確かに「言霊」は存在する。しかし、「言霊」に頼ってはならない。同様に「ヤハウェ」なる神名を口にすることで、神が眼前に実現するなどとうぬぼれてはならない。神はご自身の自由な意志によって行動されるのだ。つまり、神が現れてくれるかどうか、それはわれわれの関与を超えた事柄である。

つまり、私が伝えたいことは、別にわれわれがわざわざ神の名前を知らなくてもよいということである。神の名前の意味に通じていなくてもよいのだ。「マスク警察」がうっとうしいから、マスクをつけるか、つけないかで悩んでいる方がずっとよい。

神がわれわれの人生にどのように実現するか、しないか。それは人間の知識をはるかに超えた事柄だ。その事実を知れば、肩の荷が随分と軽くなるはずだが・・・。

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◇

藤崎裕之

藤崎裕之

(ふじさき・ひろゆき)

1962年高知市生まれ。明治から続くクリスチャン家庭に育つ。88年同志社大学大学院神学研究科卒業。旧約聖書神学専攻。同年、日本基督教団の教師となる。現在、日本基督教団隠退教師、函館ハリストス正教会信徒。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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