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不条理なる死を不可知の光で中和せよ

悪霊が悪霊を追い出す?(その1)

2022年12月22日10時13分 コラムニスト : 藤崎裕之
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関連タグ:マタイによる福音書藤崎裕之
悪霊が悪霊を追い出す?(その1)+

不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(36)

さて、二人が出ていくと、人々は悪霊に憑(つ)かれて口のきけない人を、イエスのもとに連れてきた。悪霊が追い出されると、口のきけなかった人がものを言うようになった。群衆は驚いて言った、「いまだかつて、このようなことが、イスラエルで起こったためしがない」。しかし、ファリサイ派の人々は言った、「彼は悪霊の頭(かしら)によって、悪霊を追い出しているのだ」。(マタイ9:32~34、フランシスコ会訳)

悪しき者と悪しきもの

悪しき者は天使の顔で近づいてくる。なるほどと思う。しかし、悪しき者はどう見ても悪しき顔をしているのであるが、そんな悪しき者がもたらす「悪しきもの」にいつのまにか依存してしまうのはよくある話である。

どこかに魅力を感じてしまうということであろう。本物の善人であれば、その人はあなたに善を行うであろうから、とてもつまらなく感じてしまうかもしれない。善は時として、とても退屈に思えるものである。悪しきものに依存しないと生きていけない時期もあるのが人間であるのだから、それはそれで致し方なし。食べ物にしてもそうだろう。ものすごくおいしくて、かつ体にも良い食べ物というのは、そう多くはないのではないだろうか。

人間の本性が悪しきものに憧れるということではないと思うが、悪しき者との付き合いは避けられない。それ故に、悪しき者によるものであると知りつつも、悪しきものとうまく付き合っていけるのではないかと、時としてわれわれはうぬぼれているように思う。悪しきものと折り合いを付けながら、いやむしろ悪しき者をも利用できるのではないかと思うのは全く愚かなことだ。それがいわゆるドツボというやつだ。

愚かしいからこそ、足を踏み入れた当初は楽しくもあるわけだが、気が付つくと精神的に依存しているということが実に多い。大抵は精神的に依存しているだけであるが、それがエスカレートしていくと、経済的に搾取されていくから始末に悪いのだ。

とにかく、われわれ人間はとてもやっかいな存在であって、悪しきものに依存しないと生きていけない時期もあるが人間の現実であるのだから、それはそれで致し方なし。

依存するということ

悪霊が取り憑くというのは、どうもわれわれが精神的に悪しきものに依存している証拠だといえなくもないが、間違いなくわれわれの肉体やら経済は搾取されてボロボロになる。

「私は悪霊を招きやすい」と自慢げに語る人がいるなら要注意ではないか。あたかも悪霊が勝手に取り憑いたかのように口走るのはやめるべきだ。「おいでおいで」して悪霊を呼び付けているならまだましだが、悪霊がいそうな場所にわざわざ出かけていってお友達になったのではないかと疑ってしまう。偽悪主義もたがいにすべしである。

悪しきものが魅力的に見える瞬間があることをわれわれは知っているのであるが、その一方で悪しきものをコントロールできると思い上がっているのが人間だ。例えば、麻薬や覚醒剤というのはその類いであろうし、そこにはアルコールやタバコも含まれる。つまり、悪しき者ではない人間が、わなにはまったかのように悪しき者へ変わってしまうのは、ある程度は自己責任なのだと思うのだ。つまり、怪しい場所、悪しき習慣には近づかない方が良いのだ。それはけして「人生経験」の範疇(はんちゅう)ではないのだから。

悪霊はコントロールできない

その一方で人間の側にも言い分がある。ごくごく普通に生活をしているつもりの「小さき一人の個人」(まあ、小市民ということだ)のもとには、やはり天使を遣わしてほしいと思うではないか。「悪しきものに近づいたりしませんから、そうです、試みに遭わせず悪から救ってくれたらいいのです」と、どこかで聞いたことのある祈りをつぶやくのは当然のことである。

ただし、試みとは神の側から投げこまれるものだ、という思い込みもまた人生を歪める。試みというもの、つまり試練があるわけだが、それがさも神から与えられたり、神から「試験をされている」かのように理解したりするのもやり過ぎというものだ。キリストが教えくださった祈りは、そういう意味ではないと思う。やはり悪しきものは悪しき存在からもたらされるものだ。

とはいえ、どういうわけか試練がわれわれの人生に訪れはするのだが、その時はその時である。ごく自然に「試練はない方が良いです。私は弱いですから」と謙虚に生きるのが良い。神が与えるものであれば、何でも受け止める覚悟があると公言している人の行く末はどうだろうか。受け止められないから試練なのであって、試練を自己宣伝の材料にしてはならないのだ。

むしろ、われわれは乙女チックに「天使が来ますように」と、お目々パチクリンの方がよろしい。そんなことを口にするのも恥ずかしいことであるが、現実的にはどう考えても悪霊よりも天使の訪れの方が良いに決まっているのだ。まさか悪霊との戦いを自慢ネタにできるとうぬぼれているのであれば、そういう人間にははっきりと言っておく。そんな甘いものではないのだ。われわれに悪霊を自己コントロールできるわけがない。

口から出したい

イエスのもとに悪霊に取り憑かれて口のきけない人が連れてこられた。口がきけないという表現は何とかならんかなと思うのであるが、歴史的な意味合いもあるのだろう。語ることができないということだ。それが悪霊に取り憑かれた結果となれば、何となく合点がいく。発話障害という言い方もされるが、断定はできない。言葉を失うと表現もあるが、それは悲惨な出来事に遭遇した場合とか、驚きあまってとか、そういう時に使われる。何を語ればよいのか分からなくなるということだ。

何を語ればよいのか分かっているが、言葉として口から出てこないということだろう。喉元につかえるというか、声帯に息が通らないというか、そういうことであろう。それが悪霊によるというのであるから始末に悪いのだ。治療不可能なのだ。お手上げなのだ。言いたいことがあるのに、「あ」の一言さえ出ない。これはいわゆる地獄だ。

言いたくないのに何かを言わされるのもつらい。とはいえ、余計なことを言いたがる人間も実に多い。それこそが人間の姿そのものであるのだろうが(こういう場合はすぐに森元首相を思い出すのだが・・・)。

ともかく、口がきけないというのは、言いたいことを言葉として口から出したいのにできないというもどかしい状態であろう。そういう場合は口から出すのではなく、もちろん下から出すのでもなく(そういえば、憤懣〔ふんまん〕やるかたなしの状態になったら教会のトイレに行く、とうそぶいていた友だちがいたのを思い出した)、文字として表現できるのではないかというのも勝手な言い分である。まあ、そういうことではない。悪霊に取り憑かれているということが主題だ。さあ、どうするか。いや、どうなるか。このようにしてイエスは、またも悪霊に取り憑かれた人に向き合うことになる。(続く)

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◇

藤崎裕之

藤崎裕之

(ふじさき・ひろゆき)

1962年高知市生まれ。明治から続くクリスチャン家庭に育つ。88年同志社大学大学院神学研究科卒業。旧約聖書神学専攻。同年、日本基督教団の教師となる。現在、日本基督教団隠退教師、函館ハリストス正教会信徒。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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