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不条理なる死を不可知の光で中和せよ

堕落とは人生の深掘りである(その1) マルコ福音書12章13~17節

2025年1月15日16時37分 コラムニスト : 藤崎裕之
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関連タグ:マルコによる福音書藤崎裕之
不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(71)+

不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(71)

罪とは?

罪とは何であろうか。「人間は生まれながらに罪を背負っている。イエス・キリストはそのような罪人である人間をお赦(ゆる)しになり、お救いくださる唯一の方」と、まあこれに近いことを幼稚園の頃から教えられてきた。しかし、私には肝心の事柄、つまり罪とは何であるのかが分からなかった。恐らく成人してからであったと記憶しているが、「罪とは神への負債である」と教えられて「なるほど」と納得したのを記憶している。

とはいえ、負債という言葉は何となく曖昧である。「借りがある」と言い換えても、ますます不明瞭である。負債があるということは、つまり、神に対してなにがしかの返済義務があるということであろうか。さらに混乱するばかりだ。

権力としての貨幣?

最近、貨幣というものに関心を持っている。単純に硬貨や紙幣がどうのこうのという話ではない。なぜ貨幣として存在し得るのかと考えたりしている。

ある人が言うには、権力者が権力者として存在するためには徴税が必要であり、徴税の最も有効な手段は「貨幣による納税」だというのである。これには反論があるかもしれない。相当に古い段階の古代社会においては、納税とは現物納品ではなかったのかと。それはその通りで、穀物とか、鉱物とか、また人手というか、簡単にいえば兵役であるが、それらは確かに現物でなければ意味がないように思える。

うろ覚えであるが、税金の未納については自己破産しても免除されないらしい。まあ、何となく理屈は分かるが。ついでに言えば、未納分の税金には延滞税というものが加算される。期間や未納額によって変動があるようだが、現在は未納が2カ月未満であれば2・4パーセント、それ以降は8・7パーセントとなるようである(詳しくは国税庁のホームページを確認してもらいたい)。

では、生まれたときから持っている「らしい」神に対する負債の返済に延滞があったらどういう扱いになるのだろうか。恐らくかなり多くの人が感心ある事柄ではあろうが、それを真っ向から誰かに質問するわけにはいかない。「あなたは神に対してどれほどの負債があると思いますか」と問われたら大変だ。

聖書の見解は?

確か聖書には、利息を取ってお金を貸してはならないと書いてあったように記憶している。神に対する負債があったとしても、いわゆる遅延に伴う利払い的な義務は負う必要はないのかもしれない。それはへ理屈に過ぎないが・・・。

私は「お前は生まれたときから神様に対して負債がある」と親に言われたことはないし、「私たちはそれぞれが罪深い」などと家族の中で議論をしたこともない。キリストの十字架によって罪が赦される云々は家庭でも聞いた記憶があるが、「だから何?」としか思えなかった。罪が赦されるということが救われることだとは、子どもながら全く理解できなかったからである。その点については今もいささかも変わってはいないが・・・。

さて、聖書(マルコ12:13~17)に目を向けて見よう。人々はイエスの言葉尻を捉えて陥れようとしていた。ローマ皇帝に対する税についてである。先に少し触れたが、税金というものは支配権に関わるものであって、現代社会でさえ、国家行政が税金で賄われているという体裁を持ちつつも、実際のところは、われわれは国家から税で縛られ、支配されている。

税に支配権という概念が結び付かないのであれば、延滞税なるものが課せられる理由もない、と筆者は考えている。国家維持の公正公平なる運営のためであるなら、少々の延滞など大目に見るべきではないか。納税拒否はもちろんのこと、納税に関するちょっとしたミスさえも目をつり上げる政治家やお役人など、まあ、昔も今もあんまり変わらないのかなと思ったりもする。

ユダヤの人々がローマ皇帝から課せられていた税金は人頭税だった。人頭税が課せられるのは、主にローマ帝国に支配されている地域の人々であった。それが1デナリオンであったと註解書に書いてあった。1デナリオンは1日の賃金相当というから、今日の価値でいえば、8千円から1万円くらいであろうか。昔は家族が大勢であったから、1世帯が平均8人だったと考えると、7、8万円ほどである。人頭税と住民税の違いは何だろうか。存在していれば課せられる人頭税と、ある一定の所得があれば課せられる住民税とはやはり根本的に違うように思える。

最後に

当時はユダヤ愛国主義が台頭していたころなので、ローマ皇帝に対する納税には是々非々論が交わされていたようである。およそ40年後には、ユダヤ戦争と呼ばれる大紛争が起こるわけだから、たかが人頭税論争というべからずであったのだろう。

ここで私が注目したのは、人頭税は貨幣によって支払われるものであったという点である。デナリオンはローマ皇帝によって発行された銀貨である。デナリオン銀貨がどれほど流通していたのか、私には不明であるが、支配者が発行した貨幣で納税しなければならないというのは理不尽である。

例えて言うなら、なにがしかの理由でわれわれが米国政府に納税しなければならないとして、円では受け付けてもらえず、ドルでなければならない、というような状況であろう。ドルという貨幣は、われわれにとっては割りとなじみがあるものだが、いざドルを調達することになると、いろいろと面倒なことになる。近所の郵便局で両替してもらえるという類いのものではないのだ。ユダヤの人々がそういう状況にあったということを認識すべきなのだ。

そのような面倒こそが支配の本質であり、そういう点に関していえば、われわれが日本政府に納付する税金もまた、いわゆる物納というものは原則的には認められていないのであって、貨幣というものに縛られている。納税のために貨幣に頼らざるを得ないのだ。税というものがある限り、また、大多数がその縛りの中にあるから、われわれは貨幣による負債を抱えている。この不条理が全くもって痛ましいではないか。さらに信仰者であれば、いつも中心課題となるであろう罪の問題、つまり、神への負債はどうなるのかという事実も、現実社会に横たわっている「納税」問題のおかげで、ますます遠くにあるようにしか思えないのである。(続く)

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◇

藤崎裕之

藤崎裕之

(ふじさき・ひろゆき)

1962年高知市生まれ。明治から続くクリスチャン家庭に育つ。88年同志社大学大学院神学研究科卒業。旧約聖書神学専攻。同年、日本基督教団の教師となる。現在、日本基督教団隠退教師、函館ハリストス正教会信徒。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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