ハマスの腐敗と、ISISの残虐行為を目の当たりにし、自身が信じてきた「イスラムの正義」に深い疑念を抱き始めたジュマン。彼女は地下トンネルに消える支援金と、人間の盾にされる市民の現実を見て、政治的な失望を超えた、より深く根源的な問いに直面していた。「果たして、この宗教は真実なのだろうか?」(第1回から読む)
ジュマンの内面で、激しい葛藤が続いていた。イスラム教徒としてどれほど熱心に祈り、コーランを暗唱しても、心に平安が訪れることはなかった。常にアッラーは不十分な自分に怒りを覚えているのではないかとおびえ、「このままでは地獄へ落ちるかもしれない」「墓の中で蛇に責めさいなまれるんだわ」という恐怖がつきまとった。「神よ、私はあなたを満足させることができません。どれだけ善行を積めばいいのか分からないのです」。熱心になればなるほど、平安とは逆に、彼女の不安は募る一方だった。
ある時、ジュマンに近い人物で、冷めた目でイスラムを見ていた人が彼女にアドバイスをしてくれた。「コーランを聖なる正典としてではなく、普通の世俗の本と同じように読んでみなさい。きっと見えてくるものがあるはずだ」
彼女は恐る恐るコーランを「聖なる書物」としてではなく一冊の本として客観的に読み返してみた。そこには殺りくと支配、そしてムハンマドの個人的な欲望を正当化するような記述があふれているように思えた。「これは本当に聖なる書物なのかしら?」彼女の心の中で、絶対的だった何かが音を立てて崩れ去っていった。
彼女は無神論者にはならなかったが、それがどなたなのか明確に分からないまま漠然と神を求め始めた。「神よ、もしあなたが実在するなら、私はあなたを知りたい。真実のあなたに出会いたいのです!」それは彼女の心の底からの叫びだった。2012年から2014年にかけ、彼女はガザの空の下、見えない神に向かって問いかけ続けたのだ。
誰かが彼女に伝道したわけではない。聖書を持っていたわけでもない。ただ、道を求めてやまない魂は、深く切実な渇きを彼女に起こさせ、真実の神を求めて叫ばせたのであった。そしてその神は、ご自身を求めてやまない魂の声を、決して無視することができないお方なのだ。運命の2014年、イスラエルとガザの衝突が激化する中、彼女の祈りは劇的な形で応えられることとなる。(続く)
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