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不条理なる死を不可知の光で中和せよ

堕落とは人生の深掘りである(その2) マルコ福音書12章13~17節

2025年1月29日23時54分 コラムニスト : 藤崎裕之
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関連タグ:マルコによる福音書藤崎裕之
不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(72)+

不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(72)

※ 前回「堕落とは人生の深掘りである(その1)」から続く。

罪とは神への負債であるとしても

罪は神への負債であるとしたら、われわれは神に対して具体的にどのような借りがあるのだろうか。もちろん、そのようなことは昔からいろいろと議論されてきただろう。今さら私が蒸し返すべきことだとは思わないが、とりあえず罪が負債であるという点に絞って考えてみよう。

大ざっぱに言えば、われわれは生まれながらに罪を背負っている存在である。らしい。これを原罪と表現すべきか。正直に言えば、私はあまり原罪を理解できない。

一般的には、アダムとエバがエデンの園で犯した最初の罪が、後の全人類に及ぶということらしい。それを、遺伝的に引き継いでいるもの(つまり生物的な本質)と考えるか、あるいは人間存在の哲学的な本質論(人間は罪を犯してしまう)と考えるか、いろいろと議論はあるようだが、端的に言えば、私にはどちらも結果として違いはないように思うのである。つまり、今この瞬間において、われわれ全てが神に対する罪の負債を負っている(もちろんキリスト教という枠内では)という事実(受け入れない人は多いであろうが)が、それを物語っているわけである。

自己を振り返って

私は幼稚園の頃から、「神様は私たちの罪をお赦(ゆる)しになります」という言葉を繰り返したたき込まれてきた。少し大人になると、もう少し難しい言葉で「神はその独り子イエス・キリストを十字架にささげることによって、私たちの罪をお赦しになりました」と教えられた。

キリスト教では、罪が赦されることと、救われることはほぼ同義である。いわゆる信仰の本筋である。ほとんどの教会では、聖日(主に日曜日)に信仰の告白が会衆全体で唱和されている。その告白の中では必ず「罪の赦し、身体(からだ)のよみがえり、永遠の命」を信じると口にされている。たとえ信じていないとして、あるいは、その日はたまたま信じるような心境ではなかったとしても、また、個人としてそれは信じるに値しないと考えていたとしても、教会の礼拝に参加した限りは躊躇(ちゅうちょ)なく会衆の唱和に加わるべきだし、ほぼ全員がそのようにしているだろう。

個々人として何を信じ、何を信じていないかは、濃淡だけでなく、是々非々まであるものだ。公に言い表される信条や信仰告白の内容全てに合致するような信仰を持っている人間は、案外と少ないように思う。

「罪の赦し、身体のよみがえり、永遠の命」を信じる。これがキリスト教信仰の本筋ではあるが、個々人の信仰や人生の本筋であるかどうかは、それこそ個々人次第なのであって、心の中がどうなっているかは干渉しない方がよいし、また、それを自ら公にする必要もない。

私自身は「神によって私の罪が赦されていない」とは思ってはいない。子どもの頃からその点についてはいささかも疑問はない。また、これは自慢すべき点ではあるが、私は「私自身によって、私の罪を消し去ることなど絶対に不可能」であると、幼児の頃から気付いていた。それ故に「信仰においては」あまり無駄なあがきをしなかったともいえる。しかし、そこにこそ大きな落とし穴があったことも認めよう。つまり、私は自分自身の罪そのものについて、あまり真剣に向き合ってなかったのだ。

神の赦しがあるにしても

罪とは神への負債である。ありがたいことに、その負債は神によって免除されるのだ。これは事実なのだ。ただし、その仕組みというか、からくり(神の子イエス・キリストの十字架による贖罪〔しょくざい〕)は、子どもの頃から何とも不思議であり、理解し難いもの、故に「虚構」ではないかと疑いつつ生きてきた。神学というものを少しでもかじっていると、実に多くの人が「真実」と「虚構」という極端の間でジタバタしているのに気付くだろう。罪の赦しと永遠の命は真理であるか、あるいは人間がつくり出した虚構であるか、という極端の間を行ったり来たりしているのだ。

それでも、キリスト教会として告白してきたその信仰に身を委ねつつ、私も「罪の赦し、身体のよみがえり、永遠の命」を信じると口にしてきたし、これからも口にする。何とも不誠実ではあるが、信仰を続けるというのは矛盾だらけなのだ。

神は私の罪を赦されると信じる。しかし、既にわが身において実現している事柄だから一件落着というわけにはいかない。神への負債、その具体的な中身に鈍感であったり、無頓着であったりしてよいはずはないのだ。

神は罪を人間に課したのか

税は支配者から課せられた負債である。では、罪は神から課された負債なのか。恐らく違う。原罪というものがあるとしても、罪は神から課されたものではないはずだ。なぜなら、神にはそのようなことをする必要などないからだ。神がわざわざ罪に満ちあふれた世界を創造されるわけがない。神は善であり、人を愛する方だ。故に、われわれが背負っている神への負債という罪が、神から負わされた宿命であるかのごとく考えているとしたら、それは全くの的外れに違いないのだ。

罪は生まれながらに神から課せられたものではない、という表現をするとしたら、それは原罪論にはふさわしくないのかもしれない。一方で、私には、人間とは生まれながらに罪を重ねている者であるという自覚がある。これは自分自身に対してだけ述べているのではなく、全人類について述べているのだ。人間とは生まれながらに罪を重ねていく存在である。

われわれの課題

罪という負債は全く返済する必要のないものだろうか。神のものは神に返せと語られたイエスの言葉とは、あまり関係のないことだろうか。罪から離れて清い生活をすることが「返済」を意味するものなのだろうか。はっきり言えば、私にはその答えらしいものが全く見当たらない。それでもイエスが言われた言葉である限り、いつまでも逃げ回るわけにはいくまい。われわれが抱えている罪という神への負債が、キリストの十字架によって免除されるのであればなおさら、罪から解放された身(恐らく私はまだ解放されていないと思うが)として、神のものを神に返すべく生きることが肝要なのではないだろうか。(続く)

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◇

藤崎裕之

藤崎裕之

(ふじさき・ひろゆき)

1962年高知市生まれ。明治から続くクリスチャン家庭に育つ。88年同志社大学大学院神学研究科卒業。旧約聖書神学専攻。同年、日本基督教団の教師となる。現在、日本基督教団隠退教師、函館ハリストス正教会信徒。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:マルコによる福音書藤崎裕之
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