山上の垂訓から学ぶ「キリストの人材教育」(26)黒田禎一郎

2015年8月19日07時56分 コラムニスト : 黒田禎一郎 印刷
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「心のきよい者は幸いです」とイエスは教えられましたが、果たしてこの定義から考えると、心のきよい人は実在するかということです。私たちの社会には、人格的に優れた方や立派な方がいると思います。しかしながら、全く混ざり気がなく純粋な人、水で希釈もされていないようなきよい人はいるでしょうか。聖書は、人は一皮むけば実は汚れた存在であると教えています。どんなに外観が美しくても、人の心は見えない部分があります。その意味で、聖書が語る「きよい」という部分を支配できる人は存在しません。神(イエス・キリスト)だけが、心のきよい存在です。では、人の心の汚れや不浄はどこから来るかといえば、天地の創造神から離れたところから来るのです。神からの分離に、すべての問題の根があるのです。

考えてみてください。日本社会では、人はなぜ生き、何のために生きるかが教えられていません。学校の教師も教えてくれなかったし、両親も教えてくれませんでした。人生の最大の目的はどこにあるかも教えられませんでした。そのような日本社会で、人は人生の意義が不明で多くの問題や課題を抱えています。「幸いな者」とは、心のきよい者なのです。しかし現実に、心のきよい者は誰もいません。きよくなりたい、純粋でありたいと願っても、完全にきよい者になれないのです。ですから、心の内に葛藤をかかえるのです。

ところで、私たちは物事の価値基準をどこに置いているでしょうか。どこに物事の価値基準を置くかによって、人の思考は決まります。そして思考は人を行動に誘導します。話は変わりますが、作詞家の秋元康氏は興味深いことを言っています。「幸せは一体どこにあるのでしょうか。幸せは遠い所にあるのでしょうか、近い所にあるのでしょうか」。作詞家は短い詞の中で、人生の喜び、悲しみ、憂いなどを短い文章にまとめます。その才能には脱帽します。わずか数行のフレーズで、人生をすべて謡い上げます。私はメロデイーを作る作曲家や、歌う歌手も素晴らしいと思いますが、作詞には大きな意義があると思います。彼は面白いことを言っています。「自分自身が幸せであるかということは、自分自身の価値基準をしっかり持つことに関わっている」

彼は常にこのような質問をするそうです。「あなたは高級外車とスカーフのどちらが欲しいですか?」。すると、大多数の人は「高級外車が欲しい」と答えるそうです。「なぜですか?」と聞くと、「スカーフは買えるけれども、高級外車は買えないから」と返答します。それに対して、秋元氏は次のように言っています。「僕が聞いているのはどちらが欲しいかという質問であって、どちらの値段が高いかということではない。物の価値をお金に換算しないと自分の選択ができない。つまり、お金という基準に振り回され、感覚が麻痺してしまっているのが今の時代だ」。確かにそうです。私たちは物事をてんびんに掛けて選択し、判断するのです。一体どこに私たちは価値基準を置いているのでしょうか。これが今の時代、本当に問われているのです。

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黒田禎一郎

黒田禎一郎(くろだ・ていいちろう)

1946年、台湾・台北市生まれ。70年、ドイツ・デュッセルドルフ医科大学病院留学。トリア大学精神衛生学部、ヴィーダネスト聖書学校卒業。75年、旧ソ連・東欧宣教開始。76年、ドイツ・デュッセルドルフ日本語キリスト教会初代牧師就任。81年、帰国「ミッション・宣教の声」設立。84年、グレイス外語学院設立。87年、堺インターナショナル・バイブル・チャーチ設立、ミニスター。90年、JEEQ(株式会社日欧交流研究所)所長。聖書を基盤に、欧州情報・世界 情報、企業講演等。98年、インターナショナル・バイブル・チャーチ(大阪北浜)設立、活動開始。01年、韓日ワールドカップ宣教GOOL2002親善大使として活躍。著書に『世界の日時計』(Ⅰ~Ⅲ)、『無から有を生み出す神』『新しい人生』『愛される弟子』『神のマスタープランの行くへ』『ヒズブレッシング』、韓国語版『聖書と21世紀の秘密』、中国語版『神の聖書的ご計画』他訳書あり。

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