経営者のための聖書経営学セミナー「キリストの人材教育」(19)上昇志向は思考力が鍵 黒田禎一郎

2015年5月13日18時27分 コラムニスト : 黒田禎一郎 印刷
関連タグ:黒田禎一郎

上昇志向は思考力が鍵

そのような中で彼らはゲットーに入れられ、雑草のように踏みつけられ、苦しめられました。しかし彼らはいつも「何か新しいことを考え出す」という上昇志向を持っていました。上昇志向は、実は思考力がカギです。思考力が出てこないならば、絶対に伸びることはありません。その代表的な例が、ハリウッド映画でしょう。ハリウッド映画では、例えば20世紀FOXのW・フォックスが有名ですが、他にもユダヤ人を数えれば次から次に出てきます。社会の最下層に追いやられたユダヤ人は、常にそこからはい上がろうとして情熱を燃やしました。多くのユダヤ人にとって、世俗的な成功は一つの大きな目標になりました。その典型的な例が、ハリウッド映画です。映画は当たり外れが激しいです。ヒットすればばく大な利益を得ますが、失敗すれば制作費、宣伝費などで巨額の赤字となり返ってきます。従って、どの映画にどれだけの額を投じるかは、製作者の腕と読みに勝敗がかかっているといわれます。このハリウッド映画を支配しているのがユダヤ人です。

ハリウッドでユダヤ人といえば、W・フォックスやワーナー・ブラザーズのワーナー兄弟、MGMのゴールドウィンなどを挙げることができますが、例えば、ワーナー兄弟は東欧のポーランドから来た貧しい移民の子です。18世紀初頭、東欧から多くのユダヤ人がアメリカに移民しました。もちろん無声映画時代で、この時代に映画会社をつくりました。そして1925年にトーキーが発明された時に、彼はいち早く権利を買いそれに巨額な富を注ぎ込みました。2年後に歌手のアル・ジョルソンを起用して、世界初の本格トーキー作品の『ジャズ・シンガー』という映画を作成し、これが大ヒットしました。また、ゴールドウィンもポーランド生まれのユダヤ人です。彼は幼い時に両親を亡くした孤児でした。少年時代に彼はロンドンを経て、ニューヨークに渡りました。当初は手袋のセールスマンとして、その日その日を懸命に働いていました。彼は18歳の時に、貯金を元手に映画プロダクションを設立しました。そして、新しい人生のスタートを切り、これまた大成功を収めました。このようなサクセスストーリーは、ユダヤ人のビジネスマンからたくさん見ることができます。

このように、ユダヤ人は実に不思議な民です。わずか1400万人で、世界人口比でいけば0・3%にすぎません。イスラエル国は、アラブの国々に囲まれ、国内ではパレスチナ自治政府との衝突の中で常に戦時体制下に置かれ、テロ事件が毎日のように起こっている国です。彼らはこの国を1948年に建国しました。紀元70年に世界に離散して1948年にイスラエルを建国するまでの1850年間以上、離れ離れでありました。離散ユダヤ人たちはそれぞれの所で虐げられ、圧迫され、プレッシャーを掛けられました。ところが、彼らはどこに行ってもタルムードやトーラー、そしてユダヤ教を礼拝するシナゴーグを持つコミュニティーをつくり生活していました。申命記6章が教えるように、子どもたちに昼も夜もきちんと口ずさみ、暗唱させることから思考力や発想力を生み出すという教育を、小さい時から一生懸命教えてきました。

まとめ

今回は、聖書から学ぶ人材教育として、驚異の人材を育てるユダヤ式教育をテーマにお話をしてきました。「ユダヤ人は教育熱心」といいます。家庭においてはもちろん、会社、企業、共同体においても、教育が重要であることは言うまでもありません。

  1. ユダヤ人は徹底教育を施します。中途半端ではありません。分からない子には分かるまで何度も教えます。そして、その子の良いものを引き出してあげる教育です。
  2. 思考力重視の教育により、さまざまな発想から上昇志向が生み出されます。各界で活躍する人物の出る背景がここにあります。

日本においても、日本語訳旧約聖書のモーセ五書(トーラー)を読むことができます。一体そこに何が書かれているのでしょうか。彼らは5千年以上も旧約聖書のモーセ五書、その解説書であるタルムード、ミシュナを尊重し、賢人の解説書から学んできました。その知恵の書には、今日でも非常に参考になるものがあることを覚えてください。あなたもこの「5つの書」に一度目を通してくださるならば、きっと素晴らしい宝を見いだすことができるでしょう。

■ キリストの人材教育: (1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)
(12)(13)(14)(15)(16)(17)(18)(19)(20)(21)(22)(23)(24)(25)(26)(27)(28)(29)(30)(31)

黒田禎一郎

黒田禎一郎(くろだ・ていいちろう)

1946年、台湾・台北市生まれ。70年、ドイツ・デュッセルドルフ医科大学病院留学。トリア大学精神衛生学部、ヴィーダネスト聖書学校卒業。75年、旧ソ連・東欧宣教開始。76年、ドイツ・デュッセルドルフ日本語キリスト教会初代牧師就任。81年、帰国「ミッション・宣教の声」設立。84年、グレイス外語学院設立。87年、堺インターナショナル・バイブル・チャーチ設立、ミニスター。90年、JEEQ(株式会社日欧交流研究所)所長。聖書を基盤に、欧州情報・世界 情報、企業講演等。98年、インターナショナル・バイブル・チャーチ(大阪北浜)設立、活動開始。01年、韓日ワールドカップ宣教GOOL2002親善大使として活躍。著書に『世界の日時計』(Ⅰ~Ⅲ)、『無から有を生み出す神』『新しい人生』『愛される弟子』『神のマスタープランの行くへ』『ヒズブレッシング』、韓国語版『聖書と21世紀の秘密』、中国語版『神の聖書的ご計画』他訳書あり。

関連タグ:黒田禎一郎

関連記事

クリスチャントゥデイからのお願い

いつもご愛読いただき、ありがとうございます。皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。記事の一つ一つは、記者や翻訳者、さらに編集者の手などを経て配信されているものです。また、多くのコラムニストや寄稿者から原稿をいただくことで、毎日欠かすことなくニュースやコラムを発信できています。

この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、読者の皆様にはぜひ、祈りと共に、毎月定期的にサポートする「サポーター」として(1,000円/月〜)、また単発の「サポート」(3,000円〜)によって応援していただきたく、ご協力をお願い申し上げます。支払いはクレジット決済で可能です。申し込みいただいた方には、毎週のニュースやコラムをまとめた申込者限定の週刊メールマガジンを送らせていただきます。サポーターやサポートの詳細、またクレジットカードをお持ちでない方はこちらをご覧ください。


コラムの最新記事 コラムの記事一覧ページ

新型コロナウイルス特集ページ

人気記事ランキング

おすすめのコンテンツ【PR】

コラム

主要ニュース