Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
キリストの人材教育

経営者のための聖書経営学セミナー「キリストの人材教育」(17)思考能力を養う教育 黒田禎一郎

2015年4月15日07時51分 コラムニスト : 黒田禎一郎
  • ツイート
印刷
関連タグ:黒田禎一郎

フィンランドの教育

私はフィンランドで、感心したことが多々ありました。フィンランドはとても美しい国で、北極圏に位置した国です。人口はわずか520万人で、大阪府の人口より少し少ないほどです。しかし、土地面積の広さは日本の九州を除いた、北海道、本州、四国の面積ほどで、高い山がなくフラットとなっています。そこに520万の人々が散っているので、人の数は本当にわずかな森と湖の国です。国土の69%が森林で、15万個の湖、18万個の島々があります。私が行きました北極圏に近いある町は、人口1万人ぐらいの小さな町で、真ん中に教会がありました。いわゆるおとぎの国、絵で見るような町が至る所にあり、まさしく白鳥の湖でした。

そのフィンランドは児童能力共通テストPISA(OECD加盟国の生徒の学習到達度調査)で世界第1位になりました。日本は14位ですが、子どもたちの多くは塾や受験戦争に追われ一生懸命勉強しています。私が驚いたことのひとつは、平均的フィンランド人が日本では管理職クラスぐらいの能力があるのではと思ったことです。少しオーバーに聞こえるかもしれませんが、「この人たちが日本に来たら、相当の仕事をするだろうな」と思いました。仕事能力が高いのです。彼らは詰め込みではなく、思考力を養い、物事を考えさせ、なぜか考え、そして落ちこぼれをつくらないようにしています。分からない子には分かるように、教師がその子に合った内容で教育を施すという教育です。しかし、よく見てみると、これは「ユダヤ式教育」そのものです。フィンランドは国が小さいので実践しやすいかもしれません。日本は1億2600万人もいる人口が多い国です。確かに国が小さいからできるといえるかもしれませんが、聖書が教える教育の原則を知るならば、このように素晴らしい成果が出ていることを確認しました。

思考能力を養う教育

ユダヤ人は、思考能力を養う教育を重視します。その教育は発想力を育てます。簡単に言えば、ひらめきです。ユダヤ人はピカッと光るひらめきが来て、発想がわく分野に活躍している方が多いと思います。ですから、ノーベル受賞者の中にユダヤ人が非常に多いということです。ご存じのように、欧米社会では18世紀までユダヤ人たちはゲットーなどに閉じ込められ、隔離され制限された状況に置かれました。18世紀に入ってから、ユダヤ人は次第に開放されるようになりました。彼らはそれまで蓄えていた力と能力を、堰を切ったように発揮しました。そしてユダヤ人は新しい分野に大胆に進出し始めました。

例えば、量販と安売りはユダヤ人が考え出したものです。近代的な流通業の先駆者です。デパートもユダヤ人が作り出したものです。一つの屋根の下で、異なった商品を売るという発想は、ユダヤ人が始めました。ユダヤ商人は質が多少低くても、大衆が大量に買う商品を作り売りました。これは今日珍しいことではありません。私たちの今の社会では当たり前ですが、当時18世紀の初めはキリスト教徒をはじめ、このような発想は持てませんでした。それまで、ヨーロッパ社会では靴屋は靴屋、鍛治屋は鍛冶屋、鍋は金物屋というように専門店制がとられていました。ですから、ある程度の物をそろえようと思ったら、いろいろな店を回らなければならないのが一般的で、それが当たり前という社会でした。

ユダヤ人たちは、このようなマイナス要素を逆手に取り、考え出したのがデパートです。デパートであれば、それまでのように最初は肉屋、次は洋品店、そして次は何々の店というように軒ブラ回る面倒は不要です。一つのお店で買い物ができる。また商品を大量に仕入れるため、それだけ単価を下げることもできます。今考えれば当たり前のことですが、この発想をユダヤ人が最初にしました。ヨーロッパやアメリカのデパート創始者はユダヤ人です。デパートという概念は、専門店制度の枠からはじき出されたユダヤ商人が、商売するために考え出したアイデアといえましょう。

一方、ユダヤ人は非常に迫害された民族です。迫害、苦しみ、圧迫を受けた彼らがパイオニア的役割を果たすことが多かったのです。では、なぜ彼らはパイオニア的発想をすることができたかといえば、彼らが学び蓄えた教育に基づく「発想力」に秘訣があるからです。例えば、商品を広告することは今でこそ当たり前です。どのような会社でも会社案内はありますし、新聞を取れば毎日のように多数の広告やパンフレットが入っています。これもユダヤ人が始めました。もっとも18世紀のヨーロッパではフランスをはじめとして、ショーウインドーを設けたり、あるいはビラを貼ったり、商品を宣伝することを禁じた国々が多かったのです。広告や宣伝が不道徳と見なされていたのです。このようにしてユダヤ人は、中世の封建制度、封建的な経済を破壊して、近代資本主義をもたらす上で大きな役割を果たしました。

彼らはゲットーに住んでいました。私が住んでいたトリアにもゲットー跡があります。ゲットー内の道路は1メートル半から2メートルぐらいの狭い幅です。そこに彼らが入れられた石作りのゲットーがあります。窓は50センチか60センチぐらいで小さく、家は古いので傾いています。彼らはそのような小家に押し込まれ、夕方になるとゲットー門が閉められ、ユダヤ人は出入りすることが一切できませんでした。ですから病人が出た、赤ちゃんが産まれる時には大変困りました。当時ユダヤ人女性が産気付いても、彼らに手を貸してはいけないという法律がありました。ですから、彼らは自分たちの力で生きていかなければならないという環境に置かれていました。彼らほど圧迫や苦しみを受けた民族は少ないと思いますが、彼らはめげず、倒れませんでした。なぜでしょうか。彼らは雑草のように踏まれても強い民です。

そう考えると、ユダヤ商人たちはどれだけ外からの攻撃を受けても、新しい企画を考え出したりする発想力があります。今日で言う、顧客のニーズを何よりも優先させているということです。彼らは顧客のニーズ、客が何を求めているかをすでに数百年前から察知し、実践に移していました。ユダヤ人は幼い頃からタルムード的な、独特な発想力が鍛えられています。世界に離散してからも、彼らはその土地の文化、伝統、社会的制約によって縛られず、自由な発想を行うようになってきました。これがユダヤ人たちの興味あるポイントです。

■ キリストの人材教育: (1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)
(12)(13)(14)(15)(16)(17)(18)(19)(20)(21)(22)(23)(24)(25)(26)(27)(28)(29)(30)(31)

◇

黒田禎一郎

黒田禎一郎(くろだ・ていいちろう)

1946年、台湾・台北市生まれ。70年、ドイツ・デュッセルドルフ医科大学病院留学。トリア大学精神衛生学部、ヴィーダネスト聖書学校卒業。75年、旧ソ連・東欧宣教開始。76年、ドイツ・デュッセルドルフ日本語キリスト教会初代牧師就任。81年、帰国「ミッション・宣教の声」設立。84年、グレイス外語学院設立。87年、堺インターナショナル・バイブル・チャーチ設立、ミニスター。90年、JEEQ(株式会社日欧交流研究所)所長。聖書を基盤に、欧州情報・世界 情報、企業講演等。98年、インターナショナル・バイブル・チャーチ(大阪北浜)設立、活動開始。01年、韓日ワールドカップ宣教GOOL2002親善大使として活躍。著書に『世界の日時計』(Ⅰ~Ⅲ)、『無から有を生み出す神』『新しい人生』『愛される弟子』『神のマスタープランの行くへ』『ヒズブレッシング』、韓国語版『聖書と21世紀の秘密』、中国語版『神の聖書的ご計画』他訳書あり。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:黒田禎一郎
  • ツイート

関連記事

  • 死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―(11)笑いには免疫力向上効果がある 米田武義

  • すべての人の主であるキリストの恵み 万代栄嗣

  • 富についての考察(17)所有権と危機管理 木下和好

  • ビジネスマンから牧師への祝福された道(6)ビジネスマンになる前に出会った数々の試練・苦難② 門谷晥一

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.