経営者のための聖書経営学セミナー「キリストの人材教育」(13)まとめ 黒田禎一郎

2015年2月18日07時20分 コラムニスト : 黒田禎一郎 印刷
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+黒田禎一郎氏

まとめ

話をまとめてみましょう。私は「Quality Life」―もうひとつの生き方―というテーマで話を進めてきました。第一に、人生における試練は、ある意味でモチベーションを高めることになります。不況、低迷、不景気を通し、「何かしなければ」という思いが浮上しますが、実はモチベーションを高めることになります。ある方は、「私はもう疲れた。そういう気持ちにならない」と言われるかもしれません。確かにそういうこともあります。またそういう時期もあります。しかし、さらにグローバルな視点で、大きくとらえてください。視点が変われば、受けとめ方も大きく変わります。

私は以前、旧東ドイツ出身の牧師夫妻の通訳をしたことがあります。ドロテア夫人は約1時間素晴らしい講演をされ、私も多くのことを勉強させていただき感動しました。そのことについてお話ししましょう。彼らは旧東ドイツ時代、カール・マルクス市(現在ケムニッツ市)と呼ばれた町に住んでいました。その名前でお分かりのように、町はカール・マルクス主義が支配し、町全体が無神論主義、共産主義の影響を大きく受けていました。かつてのソ連もそうでしたが、旧東独でもクリスチャンであれば義務教育後、上級学校に進むことができませんでした。彼女は中学を終えただけで、高等学校に進学を希望しても国が認めず、非常に悲しい思いをしました。彼女は勉強したかったのです。

しかし、彼女の両親はクリスチャンで、「教会でお手伝いをしなさい」と、彼女をルーテル派教会に送りました。教会の掃除をし、日曜学校や青年会で子どもたちを助け、オルガンやピアノを弾くことを覚えました。ドロテア夫人の母は、彼女が教会の手伝いをし、さまざまな実地訓練を受けることが最適と考えました。しかし、まだ15歳であった彼女にはそのことがとても理解できませんでした。彼女は「他の子どもたちは学校に行けるのに、どうして自分は行けないのか。自分も勉強したい」と思いましたが、許されませんでした。しかし彼女がルーテル派教会で訓練を終えた時、ルーテル派教会が終了証明書を発行しました。これは学校の証明書とは違いますが、「あなたは日曜学校の指導ができます。オルガンが演奏できます」という内容が書かれていました。彼女はそれを受け取りとても喜びました。

その後、彼女はデイーター・コイヒャー牧師に出会い結婚しました。彼女はこのように言いました。「私は牧師夫人になるために必要な事柄を、上級学校に進めないことによって学びました。実際に教会に送られ、細かい働きを通して教えられました。あの時、苦しみの中で学んだ事柄が、後になって生かされ、それらは神の備えでありました。

やがて二人は結婚し、ケムニッツ教会は会員数80人でスタートしました。今はその10倍の800人の教会となっています。コイヒャー牧師は、ドイツ国教会聖霊刷新協議会議長をしている人格者で立派な方です。夫人が言いたかった点は、すべての苦しみや試練は神が許されて起こることであるということです。彼女はその一点を理解した時、心のうちに大きな励ましを得たと言いました。

彼女はもうひとつ話をしました。7人の子どもが与えられましたが、3人亡くなりました。親にとって(とくに母親にとって)、子どもが自分より先に世を去ることは大変なことです。私たちも子どもを1人亡くしましたが、妻にとっては大変でした。ドロテア夫人は、3人も失いました。それは想像を絶することです。ある時、双子が同時に亡くなったというのです。その時、彼女はもう立ち上がれなくなりました。長い間、彼女は双子をお腹にかかえやっと出産したというのに亡くなってしまい、もう抱いてあげられない、ミルクもあげられないという大きな痛みの中に置かれました。その時、神は彼女の夫を通し、「あなたは今、子どもを亡くしたという大きな悲しみにばかり目を留めている。なぜあなたは私がその先に用意している祝福に目を留めないのか」と言われたそうです。

彼女はそのことを聞いた時、祝福など全く見えませんでした。悲しみのどん底、試練のどん底、戦いのどん底に置かれどうすることもできませんでした。しかし「そうだ。私の信じている神は私を愛し、私を祝福してくださると聖書が教えている。この神をもっと信頼すべきだ」と彼女は教えられ、励ましをいただきました。それからの彼女は、喜びをもって神にお仕えするようになり、素晴らしい働きをされています。

人は例外なく試練を通りますが、その試練がモチベーションにもなります。あなたは人生の戦いをどのように受けとめていますか。私たちは現実に存在する大きな壁を見ると、勇気を失い疲れてしまう者です。しかし、バイブルはもう一歩先を見ることを教えています。これは不思議な書物です。ですから、私たちはバイブルを読むことをお勧めしているのです。

第二番目に、私たちは先人から学ぶ「成功方程式」があります。幸いなことに、私たちは多くの成功ノウハウを学ぶことができます。バイブルの中には、いろいろな秘密が秘められています。それはQuality Lifeの視点で第三番目に大切なことです。バイブルは私たちに、質の高い、生きがいのある、喜びがある、幸いな生き方を教えています。皆さんがQuality Lifeを発見してくださることを願います。それには何が大切でしょうか。結局のところ「個」です。あなたが勉強し、あなたが自分を磨き研鑽を積み、そして「ペルソナ」を磨き上げることにより成長するのです。

どうぞ「もう一つの生き方」が、人生にあることを覚えてください。

■ キリストの人材教育: (1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)
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黒田禎一郎(くろだ・ていいちろう)

1946年、台湾・台北市生まれ。70年、ドイツ・デュッセルドルフ医科大学病院留学。トリア大学精神衛生学部、ヴィーダネスト聖書学校卒業。75年、旧ソ連・東欧宣教開始。76年、ドイツ・デュッセルドルフ日本語キリスト教会初代牧師就任。81年、帰国「ミッション・宣教の声」設立。84年、グレイス外語学院設立。87年、堺インターナショナル・バイブル・チャーチ設立、ミニスター。90年、JEEQ(株式会社日欧交流研究所)所長。聖書を基盤に、欧州情報・世界 情報、企業講演等。98年、インターナショナル・バイブル・チャーチ(大阪北浜)設立、活動開始。01年、韓日ワールドカップ宣教GOOL2002親善大使として活躍。著書に『世界の日時計』(Ⅰ~Ⅲ)、『無から有を生み出す神』『新しい人生』『愛される弟子』『神のマスタープランの行くへ』『ヒズブレッシング』、韓国語版『聖書と21世紀の秘密』、中国語版『神の聖書的ご計画』他訳書あり。

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