バチカン(ローマ教皇庁)の福音宣教省が管轄するフィデス通信が発表した最新の統計(英語)によると、この四半世紀に626人に上るカトリックの宣教師や牧会従事者が殉教した。地域別では、アフリカと南北米大陸が多く、依然として最も危険な地域となっている。
統計によると、2025年は1年間で17人が殺害された。内訳は、司祭10人、神学生2人、カテキスタ(要理教師)2人、修道女2人、信徒1人だった。
地域別では、アフリカで犠牲者が最も多く、ナイジェリアで5人、ブルキナファソで2人、ケニア、シエラレオネ、スーダンで各1人が殺害された。
次いで犠牲者が多かったのは南北米大陸で、ハイチで修道女2人がギャングに殺害されたほか、メキシコで司祭1人が誘拐された上で殺害され、米国で司祭1人が銃撃事件により命を落とした。
アジアでは、内戦下のミャンマーで教区司祭1人が殺害され、フィリピンでカトリック学校の教師が正体不明の暴徒に射殺された。
欧州では、ポーランドで元警官が教区司祭1人を殺害する事件が発生したが、その動機は解明されていない。
悲劇的な事件が続く一方で、統計上、カトリックの宣教師や牧会従事者に対する致死的な暴力は、近年減少傾向にある。
1990年以降の年間平均犠牲者数は33人だが、この数は94年のルワンダ虐殺(教会関係者248人が犠牲)の影響が大きい。ルワンダ虐殺のデータを除外した場合、90年以降の年間平均犠牲者数は26人となる。この数を上回ったのは2019年(29人)が最後で、それ以降は減少に転じている。
フィデス通信は報告書の中で、統計の対象者の定義について、次のように述べている。
「この年次リストでは、厳密な意味での宣教師や牧会従事者に限定せず、『宣教師』という用語を広義に解釈しており、牧会奉仕や教会活動に何らかの形で関わっていたあらゆるカトリック者で、直接的な『信仰への憎悪』が動機でない場合も含め、暴力的な死を遂げた人々を対象とした」
また、犠牲者の死が持つ意味について、「暴力や不正がまん延する日常の一端を浮き彫りにするものであり、彼らは往々にして、最後まで自ら進んでキリストに命をささげた証人、宣教師だ」としている。
















