山上の垂訓から学ぶ「キリストの人材教育」(31)柔和な人は、自分に正直である人です 黒田禎一郎

2015年10月29日11時55分 コラムニスト : 黒田禎一郎 印刷
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柔和な人は、自分に正直である人です

このことを分かりやすく言うならば、「誠実」ということです。誠実とは仕事人のキーワードです。言葉で私たちは上手を言えても、10年、15年と付き合えば、人柄は分かってきます。結局のところ、大切なことは言葉ではなく人格です。誠実に対応する人、誠実な働きをする人は信頼に値し任せられます。仕事を一緒にしようと、手を結ぶこともできます。その意味で、「誠実」は互いの間で信頼関係を結ぶ大切なものです。私たちは、この信頼を獲得するために、まず自分に正直でなければなりません。これは非常に重要です。なぜなら自分を偽ることはできないからです。言葉で言わなくても、自分は自分を知っています。自分に正直である人は、まず一番近い人に正直であるはずです。ですから妻に対し、配偶者に対し隠し事をしているとか、話さないとか、何かを覆っているということはその部類には入りません。

四十数年前、私は妻とドイツで結婚しました。妻と結婚した時に約束をしました。それは夫婦の間で隠し事をしないということでした。感謝すべきことに、私の側からは四十数年間、何一つ隠していません。これを実践できると、とても楽になります。聖書は2人の者は一心同体、一対だと言っています。カップルというのは一つの単位です。一カップルという単位は、男と女という異性で構成されます。世界には約73億人がいて、ある時、ある所で、偶然のように2人が出会います。それは決して偶然ではありません。出会った2人は、愛が芽生え愛し合うカップルになりますが、その確率は想像を超えるほど難しいものです。男女のカップルという単位は、それ以上もそれ以下もありません。そのカップルで一番重要なことは信頼です。信頼関係を保持するには、正直でなければなりません。自分に正直であることを実践するのは、まず一番近くにいる配偶者からです。一番近い人との信頼が確立して、私たちは隣人や周りの人々に対して正直、誠実に働きをすることができるのです。

一体誰が信頼できるでしょうか。不正行為を無くし、誠実を高めるにはどうしたらよいでしょうか。アメリカのアカデミー報告書(科学アカデミー・工学アカデミー・医学研究機構、COSEPUP科学的責任・研究実施パネル)を見ると、興味深いことが書いてありました。一つは、不正行為を無くし誠実を高め生産性を高めるために、あるいは職場のモチベーションを高め、仕事の成果を上げるためには、ガイドラインを設置する必要があるということです。すなわち「ここが一つのバンダリース(境界線)ですよ。このところに従っていくべきですよ」という一つのガイドラインを設置することです。

もう一つは、実践例の提示をする必要があることです。このことを告発といいます。このようなことを米国アカデミーの報告書は出していますが、これをよく考えてみると、聖書はまさしく私たちに人生のガイドラインを提示しています。生き方を教えています。そして、実践例としてキリストがどのような実践を踏んだか、どのような提示をされたか、そしてまた不正、悪に対してはどのような告発、言葉を言うべきか、そのようなことはすべてバイブルの中に書かれているのです。ですから、バイブルこそ黄金律を私たちに教えてくれる大切な書であると言えます。

私たちはこの「柔和な人」とは程遠いかもしれません。しかし聖書は「人は迷える羊である」と教えています。迷わない人は誰もいません。聖書の中にこのような言葉があります。「彼は、自分の羊をみな引き出すと、その先頭に立って行きます。すると羊は、彼の声を知っているので、彼について行きます」(ヨハネ10:4)。この羊飼いはイエス・キリストであります。ここで注目していただきたいことは、羊は羊飼いの声を知っていることです。羊という動物は、羊飼いの声を聞き分けます。日本には多数の羊がいるわけではありませんが、ニュージーランドでは人間の数の10倍以上の羊がいます。実に多くの羊がいます。面白いことに、羊飼いが帽子をかぶり、杖を持ち、笛を吹くと羊たちは分かるというのです。もし他人が羊飼いのまねをし、同じように帽子をかぶり、杖を持ち、号令をかけても、羊はチラッと見るだけで応答しません。また羊には迷いやすいという習性があります。羊飼いがいなければ、羊は横道に入り道を外すことがあります。ですから羊飼いは、羊が横道にそれないよう誘導する犬を連れています。「羊は、彼の声を知って」います。「彼」を牧者であるイエス・キリストと置くならば、一体どれだけの人々がイエス・キリストを知っているかといえば、日本では実に少ないです。彼はキリスト教を始めた教祖だろうという程度でしょう。いえいえ、そんな程度ではありません。キリストは、さらに素晴らしい黄金律を私たちに教えています。もう一つは、「彼について行きます」ということです。このキリストについて行く人は実に数少ないのです。

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黒田禎一郎

黒田禎一郎(くろだ・ていいちろう)

1946年、台湾・台北市生まれ。70年、ドイツ・デュッセルドルフ医科大学病院留学。トリア大学精神衛生学部、ヴィーダネスト聖書学校卒業。75年、旧ソ連・東欧宣教開始。76年、ドイツ・デュッセルドルフ日本語キリスト教会初代牧師就任。81年、帰国「ミッション・宣教の声」設立。84年、グレイス外語学院設立。87年、堺インターナショナル・バイブル・チャーチ設立、ミニスター。90年、JEEQ(株式会社日欧交流研究所)所長。聖書を基盤に、欧州情報・世界 情報、企業講演等。98年、インターナショナル・バイブル・チャーチ(大阪北浜)設立、活動開始。01年、韓日ワールドカップ宣教GOOL2002親善大使として活躍。著書に『世界の日時計』(Ⅰ~Ⅲ)、『無から有を生み出す神』『新しい人生』『愛される弟子』『神のマスタープランの行くへ』『ヒズブレッシング』、韓国語版『聖書と21世紀の秘密』、中国語版『神の聖書的ご計画』他訳書あり。

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