山上の垂訓から学ぶ「キリストの人材教育」(27)黒田禎一郎

2015年9月2日07時46分 コラムニスト : 黒田禎一郎 印刷
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以前、新聞紙上で話題になった福井俊彦元日本銀行総裁は、村上ファンドに1千万円を拠出して、1473万円の利益を得ていたことが明らかになりました。利息ゼロ円時代に、日銀総裁は一般の国民感情を逆なでするようなビジネスをしていました。この日銀トップの問題に対し、読売新聞とNTTレゾナントが共同で緊急アンケートを取りました。それによれば、福井総裁は「説明責任を果たしていない」とする回答が何と66%に達して、総裁に対する国民の批判が非常に強いということでした。そして「総裁は辞任すべきだ」という人が4割も出てきました。日本銀行総裁は、日本を代表する立派な方でしょう。いわゆるこの世で成功し最高峰に上り詰めた人です。しかし残念ながら、現実の日本社会はこのような問題で大きく揺れ、国民は心を痛めているのです。

もう一つ説明するまでもありませんが、通称ホリエモンの堀江貴文氏です。その堀江氏には陰の人がいました。日銀総裁問題にも絡んでいたというこの陰の人は、村上世彰氏です。彼は大阪北浜・心斎橋出身だそうです。大阪商工会議所のすぐ近くで少年時代を過ごしたという人です。これらの人々は能力的に非常に優秀で、日本の最高学府を出た人々です。人がうらやむような出世街道を切り抜け、生きてきた人々ばかりです。しかし、皆さん、どうでしょうか。ここに考えなければならない大きな課題があります。彼らは問題が浮上する約半年前までは、スター的存在でした。新聞はこう書きました。「一時は時代の寵児(ちょうじ)といわれた二人。しかし、そろって錬金術の違法性を追及されている」。このような現実状況を見れば、社会の変動の速さを痛感します。ホリエモンは国会議員に立候補した時もありました。村上氏は一時阪急・阪神の買い取りで、随分話題になった人です。しかしながら数カ月も経たない間に、このような事態になってしまいました。

ところが、事件の内容がだんだん明るみに出てくるにつれ、この問題は昨日今日起こった問題ではないことが分かりました。彼らは以前から根回しし、うまく法に触れないように(実際には触れた)、巧妙ともいえる作動をしていたことが明らかになりました。中でもホリエモンは「お金で何でも買える」と公言しました。ものの価値基準をお金という基準に置いたときに、感覚は麻痺してしまい、この種の問題が起こってしまいました。恐らく日本社会では、この種の問題は、形は変わっても再発生するのではと懸念しています。

では、私たちはどのように生きたらよいのでしょうか。キリストは山上の垂訓で「心のきよい人は幸いです。その人は神を見るからです」と言われました。しかし、現実の社会では、リーダーでさえこのような問題を抱えているのです。今こそ生き方が求められる時代です。それが第二番目のポイントです。

マスコミは一体誰がこれら不祥事件の主役か、誰がこの事件の主役を生んだのかと論評しています。社会がつくったのではないか、政治がつくったのではないか、あるいはそのような教育をした教育者が悪いのではないかと書いています。問題の底流には一体何があるのか探っていますが、明快な解答は発見できません。言える事は、基本的には自分の責任、すなわち自己責任です。どれだけ教育レベルが高くても、どれだけ仕掛け人や陰の人がいても、結局のところ自分がそれに手を出したのです。自分が判断し、自分が動いたということです。これを聖書はアカウンタビリティーと呼んでいます。このアカウンタビリティーは、実は人の前ではなく創造神の前でのことです。人はやがて創造神の前に立つときが来ます。人は死後に自分の行動と言葉のすべてに責任を問われるのです。

最近このアカウンタビリティーという言葉は、政治社会で説明責任や自己責任といわれます。しかし、アカウンタビリティーという言葉自体は、聖書から出ているのです。聖書は結局のところ、自分が神の前で説明責任を取れる行動を取りなさいと教えています。このアカウンタビリティーという概念は、これまで日本社会ではあまり耳にしませんでした。そこに、多くの問題が次から次に起こる理由があります。(続く)

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黒田禎一郎

黒田禎一郎(くろだ・ていいちろう)

1946年、台湾・台北市生まれ。70年、ドイツ・デュッセルドルフ医科大学病院留学。トリア大学精神衛生学部、ヴィーダネスト聖書学校卒業。75年、旧ソ連・東欧宣教開始。76年、ドイツ・デュッセルドルフ日本語キリスト教会初代牧師就任。81年、帰国「ミッション・宣教の声」設立。84年、グレイス外語学院設立。87年、堺インターナショナル・バイブル・チャーチ設立、ミニスター。90年、JEEQ(株式会社日欧交流研究所)所長。聖書を基盤に、欧州情報・世界 情報、企業講演等。98年、インターナショナル・バイブル・チャーチ(大阪北浜)設立、活動開始。01年、韓日ワールドカップ宣教GOOL2002親善大使として活躍。著書に『世界の日時計』(Ⅰ~Ⅲ)、『無から有を生み出す神』『新しい人生』『愛される弟子』『神のマスタープランの行くへ』『ヒズブレッシング』、韓国語版『聖書と21世紀の秘密』、中国語版『神の聖書的ご計画』他訳書あり。

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