Skip to main content
2025年11月14日11時25分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
こころと魂の健康

こころと魂の健康(9)自立 渡辺俊彦

2014年12月15日06時51分 コラムニスト : 渡辺俊彦
  • ツイート
印刷
関連タグ:渡辺俊彦
渡辺俊彦氏+

普段の会話や教育、医療、福祉の現場のなかで「自立」という言葉がしばしば用いられます。あるお母さんは「内の子は人に迷惑ばかりかけて困ったものだ。どうしてこんな子になったのだろう」と言います。また、ある祖父母は「うちの孫は人に迷惑ばかりかけて困ったものだ。親のしつけが悪いからだ」と批判します。この二人には「人に迷惑をかけて情けない」という共通した理解があります。さて、社会に目を向けると、学校現場の教育目標のひとつとして「自立した子ども」というスローガンをよく見聞きします。臨床現場では患者さんに、「自立した生活」を目標として関わります。企業においては、「自立した社員」などという言葉を聞きます。

そして、若者は「人に迷惑をかけていないからよいではないか」「人に迷惑をかけなければ何をしてもよいのだ」と言います。大人たちは、この言葉に違和感を覚えながらも「それは違う」と言えません。なぜなら、私たちは「人に迷惑をかけてはいけません」と教えられ今に至っているからです。その結果、私たちは自立を「自己決定」「自己責任」「人に迷惑をかけないで生きること」などと理解するようになっています。そのような理解を前提として、「人に迷惑をかけてはいけません」と子育てをしてきたのです。

このような自立の意味を突きつめると自己中心、利己主義になります。そもそも人は、一人で生きていくことは出来ません。そればかりか、人は、人に迷惑をかけないで生きることは出来ないのです。健康的な自立とは、「共生」「共存」です。私たちは、互いに迷惑を掛け合いながら生きる存在です。この姿こそ、互いに助け合いながら生きるということです。これが人間関係です。人間関係と書いて「ジンカンカンケイ」と読む人もいるくらいです。私たちは、どのように隣人と助け合い、互いの距離感を保ち生きるかを身につけながら自立していくのです。

神は、イエスにおいて私たちと一緒にいて下さいます。私たちはイエスを必要とし、イエスも私たちを必要としています。だから、神は私たちを用いるのです。これが自立した関係です。神を信じて生きるとは、神との相互依存の中で生きることです。弱い者だけが教会に行き、神を必要とするのではありません。より自立した人間になるために、より主体的人間になるために、神を必要とするのです。私たちは、自分が弱く空しい存在だと知れば知るほど、神なしでは生きることができない者だと分かります。だから、恵みが分かるのです。また、恵みに生かされている自分が分かるのです。

教会の人間関係で生じる問題のひとつは、自立の理解です。様々な奉仕の中で、互いに助け合うこと、迷惑を掛け合うことが出来ないのです。共生、共存が出来ないため、奉仕を自分で抱え込んでしまうのです。そして、「誰も自分の奉仕を理解してくれない」「誰も自分の奉仕を助けてくれない」と不平不満を言い出します。そして、人が自分に振り向いてくれることだけを期待してしまいます。素直に私は、「あなたを必要としています」「助けてください」と言うことができません。私たちは、互いに助け合い必要とされる関係の中で存在理由を発見するものです。神との関係において、それが使命という言葉に変わるのです。

教会が自立することは経済的に安定することではありません。教会の自立は「あなたを必要としています」と互いに認め合うところに生じるのです。それでこそ、教会は慰めの共同体となり連帯性が豊かになるのです。

■ こころと魂の健康: (1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)
(12)(13)(14)(15)(16)(17)(18)(19)(20)(21)(22)(23)(24)(25)(26)(27)(28)(29)

◇

渡辺俊彦(わたなべ・としひこ)

1957年生まれ。多摩少年院に4年間法務教官として勤務した後、召しを受け東京聖書学院に入学。東京聖書学院卒業後、日本ホーリネス教団より上馬キリスト教会に派遣。ルーサーライス神学大学大学院博士課程終了(D.Mim)。ルーサーライス神学大学大学院、日本医科大学看護専門学校、千葉英和高等学校などの講師を歴任。現在、上馬キリスト教会牧師、東京YMCA医療福祉専門学校講師、社会福祉法人東京育成園(養護施設)園長、NPO日本グッド・マリッジ推進協会結婚及び家族カウンセリング専門スーパーバイザー、牧会カウンセラー(LPC認定)。WHOのスピリチュアル問題に関し、各地で講演やセミナー講師として活動。主な著書に『神学生活入門』『幸せを見つける人』(イーグレープ)、『スピリチュアリティの混乱を探る』(発行:上馬キリスト教会出版部、定価:1500円)。ほか論文、小論文多数。

■ 上馬キリスト教会ホームページ
■ 上馬キリスト教会ツイッター

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:渡辺俊彦
  • ツイート

関連記事

  • クリスマスの心 安食弘幸(6)

  • 【聖書クイズ】「久しく待ちにし」はいつ作曲された?

  • 女性と信仰(12)父親の役目―裁く・・・判断、決断を下す 前田基子

  • 温故知神—福音は東方世界へ(9)唐代の漢文で書かれたイエスの降誕記事1 川口一彦

  • 経営者のための聖書経営学セミナー「キリストの人材教育」(8)顧客の要望に応答 黒田禎一郎

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • オリンピックでメダル12個獲得の米競泳選手が受洗、離婚訴訟と依存症克服のさなかで

  • 花嫁(37)鉄塔と母 星野ひかり

  • 日本キリスト教団出版局、事業を整理・縮小へ 5月に債務超過

  • メル・ギブソン監督「パッション」続編がクランクイン、キャスト一新でイエス役も新俳優

  • その時、祈りは聞かれた 穂森幸一

  • 天にフォーカスして生きよう 菅野直基

  • 超自然的現象と科学(13)アガペーを持続させる火「ドード」 愛多妥直喜

  • 米ムーディー聖書学院、教育実習プログラムからの排除巡り教育委員会を提訴

  • 神の見えざる御手 佐々木満男

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(15)不条理と神の業の不可知性 臼田宣弘

  • オリンピックでメダル12個獲得の米競泳選手が受洗、離婚訴訟と依存症克服のさなかで

  • 日本キリスト教団出版局、事業を整理・縮小へ 5月に債務超過

  • メル・ギブソン監督「パッション」続編がクランクイン、キャスト一新でイエス役も新俳優

  • ローマ教皇レオ14世に聖書協会共同訳のミニチュアバイブルなど献呈

  • 米ムーディー聖書学院、教育実習プログラムからの排除巡り教育委員会を提訴

  • ワールド・ビジョンがクリスマスキャンペーン、教会で酒井美紀さん登場のコンサートも

  • 神の見えざる御手 佐々木満男

  • 超自然的現象と科学(13)アガペーを持続させる火「ドード」 愛多妥直喜

  • 世界62カ国で宗教的「迫害」や「差別」 2年に1度の「世界信教の自由報告書」発表

  • 世界福音同盟(WEA)「ソウル宣言」全文和訳

  • オリンピックでメダル12個獲得の米競泳選手が受洗、離婚訴訟と依存症克服のさなかで

  • 日本キリスト教団出版局、事業を整理・縮小へ 5月に債務超過

  • カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声

  • メル・ギブソン監督「パッション」続編がクランクイン、キャスト一新でイエス役も新俳優

  • 「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • ワールド・ビジョンがクリスマスキャンペーン、教会で酒井美紀さん登場のコンサートも

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催

編集部のおすすめ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.