クリスマスの心 安食弘幸(6)

2014年12月14日07時27分 コラムニスト : 安食弘幸 印刷
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クリスマスには華やかさが付き物です。街を彩るイルミネーションにクリスマスツリー、心弾ませるクリスマスソング、プレゼントやケーキ。しかし、最初のクリスマスは、地味なものでした。聖書はこう語ります。

「ところが、彼らがそこにいる間に、マリヤは月が満ちて男子の初子を産んだ。それで布にくるんで、飼葉桶に寝かせた。宿屋には彼らのいる場所がなかったからである」

当時の人々は、自分の事に夢中でキリストの降誕という一大事に心を向けるゆとりがなかったのです。大切なものを見失っているのは、今日の私たちも同じといえましょう。

一生懸命働くことは素晴らしいことです。競争に勝つことも時には必要でしょう。しかし、頑張ってもその結果、家族がバラバラになり、お金や物をたくさん集めても、人を愛することや、愛されることに鈍感になっては、何の意味があるというのでしょう。幸せを追求するための忙しさが、幸せを感じる心のゆとりを奪っているとすれば、本末転倒でしょう。

「本当の幸せ、本物の豊かさとは何か」を教える一つのお話を紹介しましょう。オー・ヘンリーの『賢者の贈り物』という話です。

明日(あした)はクリスマスです。妻のデラは夫のジムに贈るプレゼントのことで頭が一杯でした。コツコツとためた小銭を数えてみると1ドル87セント、それが全部でした。

やがてデラは一大決心をして家を出ました。彼女は自分の豊かな髪を売ろうとしたのです。

20ドル、それが髪の毛の代金でした。それからデラは町中を捜し歩いて、プラチナの鎖を見つけました。夫ジムが大切にしている銀の懐中時計にピッタリ似合います。21ドル、ギリギリで買えました。

夕方、夫のジムはいつもの時間に帰って来ました。ドアを開けて、妻デラの姿を見て、ジムはことばを失いました。

実は、ジムもデラのためのプレゼントを買って帰ってきたのです。それは、妻デラの豊かな髪を飾るために、宝石で縁取ったべっこうの櫛のセットでした。しかもジムはそれを買うために、自分の銀の懐中時計を売って資金にしたのです。お互いを喜ばせようとして、自分の一番大切にしていたものを、取り返しのつかない形で失ってしまったのです。

いつ思い浮かべても美しい感動的な物語です。この物語は、クリスマスの愛の心を良く表しています。愛の心とは、惜しみなく与えることです。神が私たちを愛されたゆえに、そのひとり子、イエス・キリストを救い主として与えて下さいました。これがクリスマスの心です。

「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである」(ヨハネ3:16)

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安食弘幸

安食弘幸(あんじき・ひろゆき)

1951年、島根県出雲生まれ。関西学院大学社会学部卒。大学時代は硬式野球関西六大学リーグの強打者として活躍。関西聖書学院卒。セント・チャールズ大卒。哲学博士。現在、日本キリスト宣教団峰町キリスト教会主任牧師。NHK文化センター「聖書入門講座」「カウンセリング講座」講師、JTJ宣教神学院講師、とちぎテレビ「ゴスペルジェネレーション」の説教者。また、国内外の教会や一般企業、ミッションスクール、病院、福祉施設で講演活動を行っている。

日本キリスト宣教団峰町キリスト教会ホームページ
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