こころと魂の健康(1)感じる世界の識別 渡辺俊彦

2014年8月25日17時10分 コラムニスト : 渡辺俊彦 印刷
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渡辺俊彦氏

私たちは日常生活において「感じる」(feel)というさまざまな現体験をします。例えば、寒く感じる、怒りを感じる、憂鬱(ゆううつ)に感じる、不安を感じる、絶望を感じるなどがそれに当たります。私たちは、この「感じる」という現体験に、それぞれ異なる段階があることに気が付いていません。その現体験の段階とはどの様なものでしょうか。

第一の段階は「肉体の段階」です。この段階は生理的感覚、飢え、乾き、暑さ、寒さなどを感じる世界です。これらの感覚は日常生活で自律的に起ります。故に、自分の意志で調整できるものではありません。環境に対応しながら自動的に機能し肉体の健康を保つのです。

第二の段階は「感情の段階」です。この段階は、喜び、悲しみ、恐れ、怒りなどの世界です。この感情の世界も自律的に起こります。自分の意志で感情のスイッチを「ON」「OFF」にすることはできません。しかし、自分の生活の中で、関心の向け方によって感情をコントロールすることができます。サッカーファンにとって楽しみなワールドカップが、今年ブラジルで開催されました。サッカーファンは、日本チームの試合結果で一喜一憂するでしょう。しかし、サッカーに関心のない者にとって一喜一憂が起こりません。

第三の段階は「気分の段階」です。この現体験は誤解を受けやすい段階です。この段階には、生理学的なものとそうでないものがあります。生理学的なものは、身体に原因(病気)があって起こる鬱(うつ)状態のようなものです。例えば、癌(がん)や難病の告知を受け、鬱状態のようになる人がそれにあたります。それに対して、生理学的でないものは、自分の怒りの感情が内側(面)に向かい、鬱になっている状態です。鬱は、自分の内に起こっている怒りと、怒りを抑えている感情の組み合わせによって起こる気分です。

第四の段階は「イエスの御霊が働く場」です。これは、私たちが日常生活の中で体験する最も深い内的なレベルです。この深いレベルは、本当の自己に触れる場であり、統合的な世界です。私たちは、理性と心と聖霊が一致する所に平安を感じます。逆に、聖霊との一致がない所に不安を感じます。私たちが自分らしく生きていると感じるのは、聖霊との一致がある世界においてです。

ある方が、「どうも毎日の生活がすっきりしない。何をしても楽しくない。何となく気分が重い。言葉では表現できないストレスを感じるばかりか、何か自分らしくない感じがして自由がない」と言うのです。こんな日々が、随分長く続きました。彼は、自分自身に対する神様の計画と自分自身の思いが違うことに気が付きました。そして、神様の計画を知るために祈り始めました。やがて彼は、「神様のご計画は牧師、伝道者として働くこと」であることを知ったのです。そして、彼は神のご計画に従って献身しました。それ以来、彼は自由を取り戻し、自分らしい日々の生活を回復したのです。それは、神によって与えられた平安と喜びの生涯です。

私たちが日々の生活で感じる世界は、どの段階にあるでしょうか。今、自分が感じている段階を識別し、対応することは有益なことです。

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渡辺俊彦(わたなべ・としひこ)

1957年生まれ。多摩少年院に4年間法務教官として勤務した後、召しを受け東京聖書学院に入学。東京聖書学院卒業後、日本ホーリネス教団より上馬キリスト教会に派遣。ルーサーライス神学大学大学院博士課程終了(D.Mim)。ルーサーライス神学大学大学院、日本医科大学看護専門学校、千葉英和高等学校などの講師を歴任。現在、上馬キリスト教会牧師、東京YMCA医療福祉専門学校講師、社会福祉法人東京育成園(養護施設)園長、NPO日本グッド・マリッジ推進協会結婚及び家族カウンセリング専門スーパーバイザー、牧会カウンセラー(LPC認定)。WHOのスピリチュアル問題に関し、各地で講演やセミナー講師として活動。主な著書に『神学生活入門』『幸せを見つける人』(イーグレープ)、『スピリチュアリティの混乱を探る』(発行:上馬キリスト教会出版部、定価:1500円)。ほか論文、小論文多数。

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