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ヨハネ書《黙想・観想ノート》

ヨハネ書Ⅰ《黙想・観想ノート》(12)愛の根源である神・ヨハネ第一書4:7~8 村瀬俊夫

2015年9月26日06時54分 コラムニスト : 村瀬俊夫
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関連タグ:村瀬俊夫

「真理の霊」は私たちを恐れから解放し、私たちの心に神の愛を豊かに注いでくれます。それに対して「偽りの霊」は、私たちに恐れと不安を与えます。それで、私たちが恐れから解放されて愛に満たされているかどうかによって、私たちに働いている霊が真理の霊か偽りの霊かがすぐ分かります。真理の霊に導かれる者は、神の愛を豊かに受けているので、神に愛されている者なのです。

神に愛されている者たちは、真理の霊に導かれる者たちとして、何よりも「互いに愛し合いましょう」と勧められています。このように勧められているのは、神の愛を豊かに受けて私たちが互いに愛し合う生活をしている、ということを[暗黙の]前提としているからです。新約聖書における勧め(命令)には、勧め(命じ)られている事柄が、すでに[福音による]恵みの現実として所与のものとされている、という特色(福音的事実の先行)が見られます。すでに[私たちは]福音の世界に導き入れられているので、それを確証する意味で、福音にふさわしく[こうこうして]歩みなさい、と勧められているだけなのです。

互いに愛し合うことは、すでに3章11節に「互いに愛し合うべきであるということは、あなたがたが初めから聞いている教えです」と言われているように、福音の初めからの教えに他なりません。福音の教えは、互いに愛し合うことで始まり、互いに愛し合うことで終わる、と言ってもよいのです。3章23節にも「神の命令とは、私たちが御子イエス・キリストの御名を信じ、キリストが命じられたとおりに、私たちが互いに愛し合うことです」とあります。

私たちが互いに愛し合うことは、福音に基づくキリストの命令であって、それをキリストは私たちに「新しい戒め」として与えてくださいました。「あなたがたに新しい戒めを与えましょう。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」(ヨハネ13:34)。それをキリストは「わたしの戒め」とも呼んでおられるのです(ヨハネ15:12、17)。

ここでも、「私たちは、互いに愛し合いましょう」と勧められています。すぐ後に、私たちが互いに愛し合うことの理由、もしくは根拠が述べられています。ギリシア語原文には、はっきり「なぜなら」と理由を示す接続詞「ホティ」が文頭にあるのです。新改訳はそれを無視していますが、原文に忠実に訳すと「なぜなら、愛は神から出ているからであり、また、愛を行う者はみな神から生まれ神を知っているからです」となります。このように原文では、理由もしくは根拠が二重に示されているのです。

第一の理由は「愛は神から出ている」ことで、この神に愛されているという福音的現実が、私たちが互いに愛し合うことの根拠となります。第二の理由は「愛を行う者はみな神から生まれ神を知っている」ことで、それゆえ私たちは互いに愛し合うことができるのです。新改訳は「愛のある者」と訳していますが、愛は必ず行為を伴うものなので、「愛を行う者」と訳すのがよいでしょう。

「愛は神から出ているから」という第一の理由は、神が愛の根源であることを示しています。愛は神から出ているのですから、神こそ愛の根源であるのです。「愛を行う者はみな神から生まれ神を知っているからです」と言われる第二の理由は、大変な言葉であり、驚くべき宣言でもある、と言ってよいでしょう。そのことは、「愛を行わない者はみな神から生まれず神を知らない」と言い換えてみると分かります。もし私たちキリスト者が愛を行っていないなら、いくら自分が「神から生まれ神を知っている」と主張しても、私たちは[実のところ]「神から生まれず神を知らない」者とみなされるのです。

神から生まれて神の子とされた者は、神の愛を豊かに受けて、愛を行う者とされます。神の愛が自分の全身に満ちあふれていることを体験している者が、神を知っている者なのです。キリスト者はみな、キリストの十字架において示された神の愛を知っています。知るだけでなく、神の愛を豊かに受け、その愛を全身で味わうことにより、私たちの心に愛の泉を与えられているのです。その泉から湧き出る愛が、私たちをおのずから愛の行為へと導いてくれます。こうして神から生まれた[キリスト]者は、愛を実践する《愛の人》にされていくのです。

日本の鎌倉仏教の中で禅宗が生まれました。その禅宗の中でも最も代表的な人物は道元です。道元の言葉を記録した書物は『正法眼蔵』と呼ばれますが、その中の文章に「愛」という言葉が使われているのを知って、びっくりしました。鎌倉時代に道元が「愛」という語を用いていたのです。その箇所を少し引用します。「愛語というは、衆生を見るにまず慈愛の心をおこし、顧愛の言語をほどこすにあり。おおよそ暴悪の言語なきなり。・・・知るべし。愛語は愛心よりおこる。愛心は慈心を種子とせり。愛語よく廻天の力あることを学ぶべきなり」。少々堅い文章ですが、大体の意味はお分かりになるでしょう。しかし、最後の一文だけはコメントが必要です。

「愛語よく廻天の力ある」は、「愛の言葉には天を廻(まわ)すほどの力がある」という意味に取れそうですが、違います。「廻天」の「天」は天子を意味します。天子の言葉は、いったん天子がそれを口にしたら、絶対に取り消したり変更したりできません。しかし「愛の言葉には、その天子の言葉を翻(ひるがえ)させる力がある」というのです。このように日本の鎌倉仏教の時代に、聖書のアガペーの愛と同じコンセプトで道元が「愛」という言葉を用いていたことに、私は深い感動を覚えます。

愛の言葉も愛の行為も、慈愛の心から生じてきます。その慈愛の心を、私たちは愛の根源である神から、私たちの内で泉となるようにいただいているのです。この慈愛の心の泉から、愛の言葉も愛の行為も生まれてくるのではないでしょうか。そのような愛の言葉や愛の行為が、人々の心を動かし、人々を望ましい方向へと変えてくれるのです。

どうして愛の言葉が人々の心を動かし、人々を望ましい方向へと変えてくれるのか。愛の言葉が人々の心から不安や恐れを取り去ってくれるからではないでしょうか。不安や恐れがあると人々は正常な状態を保てなくなります。人がおかしな言葉を口にしたり、おかしな行動を見せたりするときは、必ず何か不安なことがあるのです。その不安や恐れがなくなると、おかしな言動はぴたりと止んでしまいます。優しい言葉をかけられると、不安が取り去られ、恐れが締め出されて、人は正常な状態を保てるようになるのです。

8節にも大事なことが教えられています。「愛を行わない者には、神はわかりません。なぜなら神は愛だからです」。愛を行わない者には神が分からない理由として、「神は愛だからです」と明言されています。この「神は愛です」という宣言から、私たちは、「愛」こそが神の本質また本性である、ということを教えられるのです。

その愛の本性のさまざまな表れである属性として、聖も義も、喜びも平和も、寛容も忍耐も、柔和や謙遜もある、と言えるのではないでしょうか。私たちがイエス・キリストを通して知る神様は、まさに愛を本質とするお方であり、愛そのものであられます。この愛の根源である神から生まれ、この愛を知っているからこそ、私たちはおのずから「愛を行う者」とされていくのです。

(『西東京だより』第76号・2011年1月より転載)

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村瀬俊夫

村瀬俊夫(むらせ・としお)

1929年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了、東京神学塾卒業。日本長老教会引退教師。文学修士。著書に、『三位一体の神を信ず』『ヨハネの黙示録講解』など多数。現在、アシュラム運動で活躍。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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