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ヨハネ書《黙想・観想ノート》

ヨハネ書Ⅰ《黙想・観想ノート》(9)私たちに愛がわかった・ヨハネ第一書3:11~17 村瀬俊夫

2015年9月5日11時35分 コラムニスト : 村瀬俊夫
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関連タグ:村瀬俊夫

私たちが神の子どもと呼ばれるために、神が「どんなにすばらしい愛を与えてくださった」かを、私たちに一番はっきりと、また最高度に示しているのは、イエス・キリストの受難と復活の出来事です。これらの出来事において示された神様の愛を、私たちは頭で理解するだけでなく、心に深く刻まなければなりません。イエス様が十字架につけられたのは私たちの罪の贖(あがな)いのためであり、そのことによって神は私たちに愛を現してくださった――その通りですが、それをいくら頭で理解して正確に語っても、それだけでは人の心を動かすことができません。

イエス様が私たちのために十字架につけられたことが本当に分かるとき、私たちは神様の子どもにされています。神様の子どもにされるとき、私たちは神様の愛を全身全霊で受けとめ、その愛を私たちの生活を通して現して行くようになります。それは極めて自然なことであり、私たちは兄弟姉妹として互いに愛し合うようになるのです。

これまでのキリスト教の歴史において、残念なことに、互いに憎み争い合ってきた事例が少なくありません。それでは本当に神様の愛を知っているとは言えません。「愛さない者は、死のうちにとどまっているのです」と言われています(14節後半)。14節の前半には「私たちは、自分が死からいのちに移ったことを知っています。それは、兄弟を愛しているからです」とあります。兄弟として互いに愛し合わずにはおれないということが、「自分が死からいのちに移った」こと、すなわち、救われたことの証拠なのです。

神の子どもでありながら兄弟を憎んでいる――そんなことは本来あり得ないはずなのに、現実にはそういうことがあるのです。私も人を憎んでしまうことがあります。そんな時は、本当に情けないと思います。イエス様を知りながら、いやイエス様の愛をいただきながら、人を愛することができないのはどうしてか。初心に帰って、イエス・キリストにおいて示された神を見上げましょう。神は愛に満ちたお方です。愛は神から出ているのです(4:7)。私たちは神様に愛されています。神様の愛を豊かに受けて、私たちも愛のある人にされて行くのです。

信仰とは、神様の愛をいただくことに他なりません。信仰があるということは、神様の愛を受けていることであり、神様の愛を拒んでいることが不信仰なのです。したがって、信仰のある人は《愛のある人》にされてまいります。それでパウロは、「愛によって働く信仰だけが大事なのです」と言うのです(ガラテヤ5:6)。この「だけ」に注目してください。「愛によって働く信仰も大事なのです」ではありません。大事なのは「愛によって働く信仰だけ」であり、いくら「信仰、信仰」と言っても愛によって働かない信仰では駄目で、そんなものは信仰ではない、と言われているのです。

神様が愛に徹したお方であることは、十字架において本当によく分かります。16節の言葉に注目しましょう。「キリストは、私たちのために、ご自分のいのちをお捨てになりました。それによって私たちに愛がわかったのです」。この愛は《徹底した愛》です。イエス様はそのことをいろいろなたとえで教えてくださっていますが、一番典型的なのは「七を七十倍するまで」赦(ゆる)しなさい、という教えであると思います(マタイ18:21、22)。

ペテロは「何度まで赦すべきでしょうか」とイエス様に質問しました。ユダヤ教では、三度まで赦せばよいと教えていたのです。日本でも「仏(ほとけ)の顔も三度」と言われています。ペテロはそれに四度も加えて「七度まで」赦せば申し分ないだろう、と思って質問したに違いありません。それに対してイエス様は、「七度まで」ではなく「七度を七十倍するまで」赦しなさい、とお答えになりました。七度を七十倍すると490度になりますが、それは「限りなく」という意味に他なりません。ですから、イエス様は「限りなく赦しなさい」と言われたのです。

赦すということは、何度赦すかを数えることではありません。何度赦すかを数えていたのでは、本当に赦したことにはなりません。七度まで赦せばよいということは、八度目は赦さないぞ、ということです。七度も我慢したのですから、八度目は「怒り心頭に発する」ことになるかもしれません。ですから、赦すということは、イエス様が教えてくださったように、《限りなく赦す》ことなのです。イエス様は、言われた通り実行し、私たちを限りなく赦してくださいます。十字架で示された神様の愛は、私たちを限りなく赦す愛です。その愛が本当に分かるとき、その人は一新されます。どんなに絶望的状態に置かれていても、そこから起き上がらされ、「死からいのちに」移されるのです。

「私たちに愛がわかったのです」(16節)という告白は、頭だけの理解ではありません。私たちの全身を揺り動かす実存的理解であり、体(からだ)全体での悟りのようなものです。そのような悟りを経験するとき、人が変わらずにいることはありません。人が変わることは、人間的には困難であり、不可能に近いと言ってよいでしょう。しかし、「私たちのために、ご自分のいのちをお捨てになった」キリストの愛を悟るとき、私たちは不思議に変えられて行くのです。それまで愛することのできなかった私が、愛することのできる人に変えられます。このような奇蹟を経験して行くことができる――それがキリスト者の信仰生活ではないでしょうか。

このような実存体験は、その場限りで終わるものではありません。日ごとの生活の中で新しくされ、いよいよ深められて行くものです。そうするとき、私たちの内から「ですから私たちは、兄弟のためにいのちを捨てるべきです」という思いが、自然に湧き上がってまいります。そのような思いは理屈で分かっていても、なかなか実行することができません。しかし、イエス様の愛を日ごと新たに受ける体験が深まるとき、自ずから「兄弟のために、いのちを捨てるべきです」という思いが湧き上がり、もはや「べきです」という義務感を越えて、喜びと感謝をもってそうするように導かれるのです。

「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい」(Ⅰテサロニケ5:16~18)という有名な勧めがあります。以前の私は、これを完全に実行することができないので、せいぜい努力目標、しかも地上生涯では達成できない永久の努力目標と考えていました。[私の]神様の愛の理解が頭だけのものだったからです。神様の愛を実存的に体験するとき、いつも喜んでいることが自然になり、自ずから「すべての事について、感謝」できるようになります。いつも喜び、何事にも感謝できることが、キリスト者にふさわしい祈りなのです。「神様、ありがとうございます」と、イエス様によって示された神様の愛に感謝する、そのことに優る祈りはありません。

神様の愛が私たちに注がれるという奇蹟が可能となるのは、十字架の主が復活の主であられる、ということによるのです。私たちにとっても、十字架の真理は即(そく)復活の真理であり、イエス様の十字架の愛を受けるとき、私たちも復活して「死からいのちに」移されます。この復活体験こそ、《十字架の奥義》を私たちが悟り、御父が最愛の御子を惜しまず十字架に渡された《すさまじいばかりの愛》を感得する道なのです。

(『西東京だより』第73号・2010年10月より転載)

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村瀬俊夫

村瀬俊夫(むらせ・としお)

1929年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了、東京神学塾卒業。日本長老教会引退教師。文学修士。著書に、『三位一体の神を信ず』『ヨハネの黙示録講解』など多数。現在、アシュラム運動で活躍。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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