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栗栖ひろみ

(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)刊行。また、猫のファンタジーを書き始め、2012年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイで中・高生向けの信仰偉人伝の連載を始める。20年『ジーザス ラブズ ミー 日本を愛したJ・ヘボンの生涯』(一粒社)刊行。現在もキリスト教書、伝記、ファンタジーの分野で執筆を続けている。

記事一覧

  • 奴隷解放の父―エイブラハム・リンカーンの生涯(9)初めての商売と姉の死

    エイブはアンダーソン・クリークで船頭をするうちに、いつも大きな汽船を眺めては思うのだった。(このオハイオ川を下ればもっと大きなミシシッピー川に出るんだ。その河口にはニューオーリンズという大きな町があるそうだが、一度行ってみたいなあ)

    2023年12月27日17時07分
  • クリスマスに読みたい11編の物語 女性初のノーベル賞作家が送る『キリスト伝説集』

    スウェーデンの国民的作家セルマ・ラーゲルレーヴは、エルサレムに取材旅行に行った折、聖地をたどる中でイエス・キリストにまつわる伝説を拾い集め、心が洗われるように美しい11編の物語を書き上げた。

    2023年12月15日13時15分
  • 奴隷解放の父―エイブラハム・リンカーンの生涯(8)苦しむ者の願い

    エイブは、20キロほど離れたアンダーソン・クリークという所で、渡し舟の船頭をして働くようになった。重労働であり、一日働く賃金は37セントにしかならなかったが、彼には大志があったので一生懸命に働いた。

    2023年12月13日18時43分
  • 奴隷解放の父―エイブラハム・リンカーンの生涯(7)愛は正義に勝る

    こうして、昼は父を助けて森や畑で働き、夜は遅くまで勉強に励むエイブを父も母も誇りに思っていたが、時々むちゃをするのを見ると体を気遣うのであった。この頃、エイブは法律関係の本を読むようになり、今『イリノイ州法規』という本に挑戦していた。

    2023年11月29日9時42分
  • 奴隷解放の父―エイブラハム・リンカーンの生涯(6)小さな命を守る

    最初の財産となった『ワシントン伝』を手にしたエイブは、畑仕事の最中も、薪割りをしているときも、いつもこれを読んでいた。「アメリカに、こんな偉い人がいたんだなあ」。彼は、何度もつぶやくのだった。

    2023年11月15日7時50分
  • 奴隷解放の父―エイブラハム・リンカーンの生涯(5)ぬれた『ワシントン伝』

    エイブは、見知らぬ女の子が読んでいた『ワシントン伝』のことが頭から離れなかった。「アメリカを独立に導いた人だって? 何て素晴らしい人だろう。自分も何とかしてその本を読みたいなあ」

    2023年11月01日20時13分
  • 奴隷解放の父―エイブラハム・リンカーンの生涯(4)神に感謝、人に親切

    父親の手伝いで、森の木を切り倒したり、畑仕事をするうちに、エイブの腕の筋肉は固く締まり、力では彼にかなう者はいないと村中の評判になった。「ちょっとエイブさんの手を借りたいんだがね」。手が足りないとき、農家の人々はよく父のトーマスに…

    2023年10月18日17時44分
  • 『少女パレアナ』 何事にも喜ぶことの素晴らしさを教えてくれる物語

    暗くうっ屈した世界に、突然舞い降りてきた喜びの天使。パレアナという身寄りのない少女が考え出した「喜びの遊び」は、全米から世界へ広がり、多くの人々に喜びを与え続けている。小説『少女パレアナ』は、聖書の教えを基盤としていることでも注目された。

    2023年10月05日16時12分
  • 奴隷解放の父―エイブラハム・リンカーンの生涯(3)新しい母

    母ナンシーの死から1年後の1819年。エイブは10歳、サラは12歳になった。それは雪の降る寒い日だった。突然トーマスは子どもたちに言った。「おまえたち、母さんがいなくて寂しいだろう。母さんが欲しくないか?」

    2023年10月04日20時32分
  • 奴隷解放の父―エイブラハム・リンカーンの生涯(2)神はあわれみ深い方

    翌日から、エイブは父親を手伝って小屋を作り始めた。手頃な木を切り倒すと、枝葉を払い落とし、柱を建てた。それから、木の皮や枝で周りを囲い、屋根を作った。窓もなく、入り口にはドアもなく、床板もない土間でたき火をしての生活だったが…

    2023年09月20日14時53分
  • 奴隷解放の父―エイブラハム・リンカーンの生涯(1)プロローグ―荒野を旅して

    1809年2月12日。アメリカ合衆国ケンタッキー州のロック・スプリングという村の丸木小屋に、一人の男の子が生まれた。「おお、元気な子だ。良い子を産んでくれてありがとう」

    2023年09月06日11時09分
  • 天国への旅―ジョン・バンヤンの生涯(17)天に帰る日

    1688年。英国国教会の信徒を挙げて「信教自由令」に反対の運動が起こり、ジェームズ2世は7人の監督を留置するという手段に出たが、国民の反対に遭い、フランスに逃亡してしまった。

    2023年08月23日17時35分
  • 天国への旅―ジョン・バンヤンの生涯(16)昼も夜も感謝する生活

    『天路歴程』が大評判となると、人々はこぞって「鋳掛屋の説教者」が書いた本を読みたがった。バンヤンはこれに気をよくして1680年『ミスター・バッドマン(悪太郎)の一生』を世に出した。これは彼の著書の中で最も特徴のあるものだった。

    2023年08月09日20時40分
  • 天国への旅―ジョン・バンヤンの生涯(15)『天路歴程』

    1672年。チャールズ2世は、5人の外交委員の進言を受け入れ、自らがカトリック教会に改宗することを約束した上で「信教自由令」を発令した。バンヤンは、この発令が出たことで、その年の9月に釈放された。実に、12年間服役していたのだった。

    2023年07月26日15時45分
  • 天国への旅―ジョン・バンヤンの生涯(14)恩寵あふれる

    バンヤンは、土牢の中に横たわっているときでも家族のことを思わない日はなかった。特に、自分の帰りを待ちわびている盲目の娘メアリーの姿を思い浮かべると、たまらない気持ちになった。

    2023年07月13日19時31分
  • 『クオレ(愛の学校)』 子どもたちの「隣人愛」の物語 「母をたずねて三千里」を生み出した名著

    クオレとは、イタリア語で「心」「心臓」「愛」を意味する。新しい学校に転校した小学校3年の少年が、教師や級友たちと共に生活する中で、他者への思いやりの大切さや、弱い者を助ける行為の尊さを学んでいく物語。

    2023年06月30日10時11分
  • 天国への旅―ジョン・バンヤンの生涯(13)地の底から、賛美が響く

    なぜか分からないが、この州刑務所の刑務官たちは、皆バンヤンに敬意を払い、他の囚人と違って大切に扱ってくれるのだった。「バンヤンさん」。刑務所長のバーローは言った。「あなたは説教によって、人の心を穏やかにさせることが大変うまいと聞いています」

    2023年06月28日20時51分
  • 天国への旅―ジョン・バンヤンの生涯(12)牢獄につながれて

    鋳掛屋をしながら説教をするバンヤンの姿に人々の注目が集まり、やがて名声は中部諸州に鳴り響いた。人々は、彼の話を聞くためにひきもきらさず店にやって来て、中には修理の必要がない鍋や釜を抱えて来る者もいた。

    2023年06月14日18時03分
  • 天国への旅―ジョン・バンヤンの生涯(11)新しい家族

    1658年。バンヤン家に大きな悲しみが襲った。妻マーサが、ふとした風邪がもとで肺炎を起こし、看病のかいなく亡くなったのである。あとにはメアリー、ジョン、トマス、エリザベスと4人の子どもが残された。

    2023年05月31日19時12分
  • 天国への旅―ジョン・バンヤンの生涯(10)鋳掛屋の説教者

    こうして回心を経てバプテスト教会の会員となったバンヤンは、妻と盲目の娘メアリー、そしてその後に授かった子どもたちと共に毎週礼拝に出席した。そして説教を聞き、賛美を歌い、この教会の人々と家族同然の交わりを持つなどして、彼の生活は豊かに潤され…

    2023年05月17日19時38分
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