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ジョン・バンヤンの生涯

天国への旅―ジョン・バンヤンの生涯(5)地獄から天国に続く道

2023年3月8日18時58分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
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天国への旅―ジョン・バンヤンの生涯(1)鋳掛屋の子+
ジョン・バンヤン(1628〜88)の肖像画(英国立肖像画美術館所蔵)

ジョンの妹であるマーガレットは、以前からぜんそくに苦しんでいたが、ここ2、3カ月の間に急激に悪化し、母親の死による衝撃も加わり、不治の病である結核にかかってしまった。

医師は、なるべく空気の良い所で養生するよう勧めたが、貧しい鋳掛屋のトマス・バンヤンにはそうしてやれるだけの経済能力がなく、病気が進行していくのを、手をこまねいて見ているだけだった。

彼は妻に先立たれてからめっきり口数が減り、一日中ぼんやりしていることが多くなった。そんな中、今度は愛娘マーガレットが病に倒れたのである。ついに医師は、あと1週間しか命がもたないと宣言した。

ジョンは、バニヤンス・エンドの田舎屋を引き上げて実家に戻り、妹につききりで看病した。天気の良い日は、妹を手押し車に乗せ、空気の良い所につれてってやるのだった。

そんなある日。それは見事な日没が見られた日だった。ジョンはいつものように妹を車に乗せて、丘の中腹まで押していった。そして枯れ草の上に彼女を降ろすと、自分もその横にしゃがみ込んだ。そうして沈みつつある夕日を眺めているうちに、あまり気持ちが良いのでそのまま眠ってしまったのだった。

目が覚めると、マーガレットは不思議な表情でじっと彼を見つめていた。夜霧が降りると体によくないので、引き返そうとすると、彼女は言った。

「兄さん、あの大空の向こうに天国があるの知っている?」

「ああ、知ってるさ」。ジョンは少し投げやりな調子で言った。「この大地の下に地獄があるのと同じにね」

「あたし、とても不思議な夢を見たのよ」。彼女は思い詰めたように言った。

「そうかい。きっとそれは熱のせいだよ」。ジョンはそう言うと、妹の髪に手を置いてそっとなでた。つやのある金髪はパサパサに乾き、わずかの間に彼女は痛々しいほど痩せてしまっていた。顔は血の気がなくて青ざめ、はかなげに見えた。

「ジョン」。彼女は口を開いた。「あなた、天国を信じる?」「ああ――それと同じように、年中火が燃えている地獄もね」

マーガレットは弱々しく微笑し、首を振った。

「でも、特別な人だけが天国に行くんだろ」。ジョンは、乱暴な口調になった。「教会に熱心に通う人。王様が決めた国教会に忠実な人。すらすらと教理問答を暗唱できる人――そういう人だけが行けるのさ」

そのうち、ジョンはやけになってきた。「おれは絶対に行けない。だって教会に行っても真面目に話を聞かない。人の悪口を言うし、けんかもよくする。人をののしるし、神様を冒瀆(ぼうとく)してばかりいる」

そして、ジョンは首をすくめた。「分かったろう? 誰もが天国に行けるわけじゃないのさ。――で、どうなのさ。おまえはどんな素晴らしい夢を見たんだい?」

マーガレットは目を上げて、沈んでゆく夕日を見つめた。

「ジョン、地獄というのは、地の底、深い所にある特別な場所じゃなくて、この地上が地獄なのよ。でもね、私は見たの。この地上から天国に向かって一本のはしごがかけられていて、そこを天使が昇ったり降りたりしていた。その時、私は地獄の真ん中で苦しんでいたんだけど、天使は私の手を取って言ったの。『さあ、行きましょう。父なる神様の家へ』。私は天使に手を取られて空の向こうにあるお父様の住居へと昇っていったのよ」

「素晴らしい夢だなあ」。ジョンはため息をついた。「もしそれが本当なら、僕だってこの地獄のような世界から助け出されて天国に行くことができるっていうわけだね。でもさ、そのためには何をしなくちゃいけないのさ。良い行い? 良い生活? そんなの無理だよ」

「いいえ、できるのよ、ジョン」。マーガレットは、首を横に振り、兄を見つめた。その時、夕日が彼女の髪に当たってキラキラと輝き、まるで天使のような姿になった。

「たった一人できる方がいらっしゃるわ。罪を知らない方が、みんなの罪を背負ってくださったの。だから、私たちは何もしなくていいの。そのまま天国に行けるのよ」

「まさか・・・そんなばかなこと・・・」。そう言って、ジョンは妹の肩に両手をかけると揺すった。そして、そのまま何も分からなくなってしまった。

気がつくと、ジョンは実家の店の後ろの薄暗い部屋で目を覚ました。妹が心配になってそのベッドに駆け寄ると、すでに彼女は息絶えていたのであった。

*

<あとがき>

妹のマーガレットは特別な霊的賜物を与えられた少女でした。彼女は自分の死期が近いことを悟ると、兄にあるメッセージを伝えようとしました。彼女は自分の夢に託してこう伝えます。

「地獄というのは地の底にある特別な場所ではなく、この地上こそが地獄である」と。「しかし、自分が見た夢では、この地獄の真ん中から一本のはしごが伸びていて、それが天国に続いている」と言うのです。

彼女が伝えたかったのは、人間は修練を積んでも、善行を重ねても、天国に行けるわけではなく、罪を知らないただ一人の方の十字架の贖(あがな)いによってのみ救われるのだということだったのです。

そして、間もなく妹マーガレットはこの世を去ります。この時、バンヤンは察知することができませんでしたが、この妹の証しが後に、結婚相手が所持していた一冊の本『誰でも天国に行ける道』へと後を導き、ひいてはバプテスト教会においてイエス・キリストの贖罪(しょくざい)愛にあずかる者となったのでした。

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◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)刊行。また、猫のファンタジーを書き始め、2012年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。20年『ジーザス ラブズ ミー 日本を愛したJ・ヘボンの生涯』(一粒社)刊行。現在もキリスト教書、伝記、ファンタジーの分野で執筆を続けている。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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