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ジョン・バンヤンの生涯

天国への旅―ジョン・バンヤンの生涯(13)地の底から、賛美が響く

2023年6月28日20時51分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
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天国への旅―ジョン・バンヤンの生涯(1)鋳掛屋の子+
ジョン・バンヤン(1628〜88)の肖像画(英国立肖像画美術館所蔵)

なぜか分からないが、この州刑務所の刑務官たちは、皆バンヤンに敬意を払い、他の囚人と違って大切に扱ってくれるのだった。

「バンヤンさん」。刑務所長のバーローは言った。「あなたは説教によって、人の心を穏やかにさせることが大変うまいと聞いています。ここに服役している者たちは皆凶悪犯で、心がひねくれています。中でも死刑が確定した者は、まるで猛獣のようにたけり狂って手がつけられません。どうか彼らに良い話をしてやってくれませんか」

「私でお役に立つなら、やらせてください」と、バンヤンは言った。その翌日。大広間に集められた囚人たちを前に、バンヤンは両手に縄をつけられたままで語った。

「皆さん、私はこうして皆さんの前に立って語っていますが、私も同じ囚人です。釈放されるあては全くありません。でも、私はどんなに自分を取り巻く情勢が悪くなっても、危険を感じるような状況になっても、私を愛し、救ってくださった方によって平安を得ているのです。今こうして牢獄につながれる身であっても、イエス様はここに、私と一緒にいてくださるのです。だから、私はちっとも心配しないのです」

「皆さん、苦しみはいっときです。いつかイエス様は私たちを天国につれてってくださるのです。だから今どんなにつらくても辛抱しようじゃありませんか。そして天国で、また一緒にこうして会えたら、一緒にぶどう酒を飲みながら、つらいあの時をよく頑張ったね――と語り合おうじゃありませんか」

そして最後に、バンヤンは胸に温めてきた一言を語った。

「皆さん、この世は地獄です。でも、この地獄のぬかるみの中から、天国に一本の橋が架けられているのです。その橋はしっかりとしているから崩れることはありません。そうしてこの橋を登って、私たちは誰でも天国に行けるんですよ」

囚人たちは、息を詰めて聞いていた。しんと静まり返った中で、一人がほっと幸せそうな吐息を吐くと、全員がどよめいた。

「もう一度言います!」バンヤンは最後に声を張り上げた。「誰でも、イエス様を信じれば、一人残らず天国に行けるんですよ!」

そして彼は、バプテスト教会でよく歌われていた「いともくすしき、主のみ恵み」という賛美歌を歌い始めた。すると、囚人たちは彼に合わせて遠慮がちに口を開いていたが、やがてメロディーをすっかり覚えると、胸を張って歌い出した。

歌声は徐々に高まってきて、やがて土牢が揺れ動くかと思われるほどの大合唱となって、それは刑務所の厚い壁を越えて往来まで流れていったのだった。

まるで奇跡のようなことだがこの時から、手がつけられないほど粗暴だった囚人たちが羊のようにおとなしくなってしまい、刑務官たちの手を焼かせることがなくなったのである。

「恐れ入りました。バンヤンさん。あなたの説教は魔法のような効き目を表すんですな。実際、狼(おおかみ)が羊に変わってしまったんですから」

こう言った刑務所長バーローは、それ以来バンヤンに「刑務所付き説教者」という役職を与えることにした。バンヤンはこれを大変名誉なことと感謝して受け、それからは毎日これら不幸な囚人たちに神の赦(ゆる)しと愛を語り続けた。

そして必ず最後に天国における至福を付け加えるのだった。やがてこれら囚人の中の何人かは死刑が確定したが、彼らは子どものように素直にそれを受け入れ、バンヤンに教えてもらった賛美歌を歌いながら死んでいったのだった。

そんなある晩、珍しくバンヤンは亡き妹マーガレットの夢を見た。2人は天国への架け橋の真ん中ほどの所に並んで座っていた。

「兄さんはね、今土牢の中にいるけど、毎日説教しているんだよ。やっとおまえが教えてくれた『罪からの解放』ということが分かったよ」

「うれしいわ、兄さん。でも、兄さんは最後の大仕事についてそろそろ考えなくちゃだめ」「それは何だい?」

すると、マーガレットは真っ白に輝く本を出して彼に渡した。その中には何も書かれていなかった。「兄さんは、後世の人のために本を書くのよ。ここに、地獄から天国に行く旅人の話を」

そして、彼女はそのタイトルを彼に示した。バンヤンがそれを指でなぞった瞬間、彼は土牢の中で目を覚ました。

*

<あとがき>

人間の目から見たら最悪の事態でも、神様はそれを用いて最善をなしてくださるのです。聖書の中にも「神は全てを益としてくださる」ことが記されています。

新生を体験して、順調に第二の人生を歩み始めたバンヤンにとって、突然の逮捕と投獄に直面したとき、全くそれを受け入れることができなかったに違いありません。しかし、これは神様がやがて彼に注いでくださるあふれる恩寵の第一歩だったのです。

思いがけず、彼は刑務所長から囚人に何か話をしてやってほしいと頼まれます。そこでバンヤンは、絶望して自暴自棄になっている囚人たちに、この地獄のような現実から天国に続く一本の道があると語ります。これは後に彼が記す『天路歴程』の中心的テーマ――誰にも地獄から天国に行く道が備えられているというメッセージでした。

この牢獄で多くの囚人が救われ、監守の何人かも信仰を持つようになったといわれています。実に神様のなさることは最善であります。

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◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)刊行。また、猫のファンタジーを書き始め、2012年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。20年『ジーザス ラブズ ミー 日本を愛したJ・ヘボンの生涯』(一粒社)刊行。現在もキリスト教書、伝記、ファンタジーの分野で執筆を続けている。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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