Skip to main content
2021年3月6日23時48分更新
Go to homepage
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
神の存在証明

神の存在証明(4)インマヌエル・カントによる神の存在証明 山崎純二

2015年3月20日06時23分 コラムニスト : 山崎純二
  • ツイート
印刷
関連タグ:山崎純二

インマヌエル・カントによる神の存在証明

今回は、今までも少しずつ触れてきた、4つの「神の存在証明」をまとめて紹介したいと思います。箇条書きにすると拍子抜けするほどシンプルですが、これらは人類の英知の結晶と言えるかと思います。

【4つの存在証明の概要】(※)

  1. 目的論的証明(自然神学的証明):世界が規則的かつ精巧なのは、神が世界を作ったからだ。
  2. 本体論的証明(存在論的証明):「存在する」という属性を最大限に持ったものが神だ。
  3. 宇宙論的証明:因果律に従って原因の、原因の、原因の・・・と遡っていくと根本原因があるはず。この根本原因こそが神だ。
  4. 道徳論的証明:道徳に従うと幸福になるのは神がいるからだ。

なぜこれらが人類の英知の結晶かと言えば、それはこれらが比類なき天才たちが理性の限り議論を戦わせた末の結論だからです。この議論に加わった人々を列挙しろと言われると、紙面が足りなくなるほどかと思いますが、中でも中世の大哲学者インマヌエル・カントを知らない人はいないでしょう。

彼はかの「純粋理性批判」という独自の理論により、理性によってはどのような方法を用いても神の存在も不在も証明することはできないと結論づけました。その概要は、カント独自の理論やドイツ語の言葉の用法などのゆえに非常に分かりづらいのですが、私なりに説明させていただくと、このようなものです。

「理性自体や『神の存在』に関することは、理性で扱える範疇外のものである」

彼はデカルトのように、全てのものが疑い得るものだとしたのではありません。日常の経験に基づく一般的な認識に関しては、それを妥当だとしました。しかし彼は、「理性自体」や「神の存在」に関することは、理性の認識能力の範疇にはなく、それらを語ることは、理性の「僭越」だとしたのです。

カントはこの理論により、それまでにあった最初の3つの「神の存在証明」を退け、「実践理性批判」の中で独自の証明法を打ち出していきます。それは、「道徳論的証明」と言われるものですが、彼はこのように説明します。

道徳に従うことが善いことである。そして道徳に従う者には相応の幸福が与えられなければならない。人が道徳に従い、それに応じた幸福が与えられることこそが、完全な意味の最高の「善」である。しかしそれが実現するためには、その幸福を与える神の存在がぜひとも「要請」されなければならない。

日本風に言うと、「『お天道様が見ているから、真っ当に生きなさい』と言えるためには、お天道様が実際に存在しなければならない」という感じでしょうか。

つまり彼は、これこれこうだから「神が存在する」と理性的に帰結したのではなく、パズルのように世界の全てのピースを当てはめた結果、最後に残った空白に「神」というピースが当てはまるはずだと思惟 (denken)したのです。認識(erkennen)したのではなく。もっと言うと、「神が存在しないと具合が悪いので、ぜひともいてもらわないと困る」という感じです。

しかしどうでしょう。「要請されなければならない」とか「思惟する」と言われて「なるほど」とうなずけるでしょうか。納得される方もいるかもしれませんが、私は個人的には4つの「神の存在証明」の中で一番弱い理論だと感じます。もう一人の大哲学者であるヘーゲルが、カントの「道徳論的証明」を「ずらかし」として批判したのも、ちょっと頷けるかなという感じです。

とは言え、哲学を語るにしても、「神の存在証明」を語るにしても、インマヌエル・カントをスキップすることはできません。この人物の影響を非常に多くの人が受けていくことになったのですから。

結果的に、これはデカルトの場合と同様の現象ですが、人々はカントによる神の存在証明よりも「純粋理性批判」を熱狂的に受け入れました。結果、残念ながら「神の存在」を否定する人々が徐々に増えていくことになります。

今回は「道徳論的証明」に納得されないにしても、偉大な大哲学者であるインマヌエル・カントが「神の存在証明」をも試みた人物であることだけでも押さえておいてください。ちなみに、彼の名前である「インマヌエル」というのは、「神が人と共におられる」という意味だそうです。

次回は「神の存在証明」の二大支柱である、「宇宙論的証明」について「宇宙人説」と共に書かせていただきたいと思います。

※Wikipedia 「神の存在証明」より引用

(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)(16)(最終回)

◇

山崎純二

山崎純二(やまざき・じゅんじ)

1978年横浜生まれ。東洋大学経済学部卒業、カナタ韓国語学院中級修了、成均館大学語学堂(ソウル)上級修了、JTJ宣教神学校卒業、ブルーデーター(NY)修了、Nyack collage-ATS M.div(NY)休学中。韓国においては、エッセイコンテスト「ソウルの話」が入選し、イ・ミョンバク元大統領(当時ソウル市長)により表彰される。アメリカでは、クイーンズ栄光教会に伝道師として従事。その他、自身のブログや書籍、各種メディアを通して不動産関連情報、韓国語関連情報、キリスト教関連情報を提供。著作『二十代、派遣社員、マイホーム4件買いました』(パル出版)、『ルツ記 聖書の中のシンデレラストーリー(Kindle版)』(トライリンガル出版)他。本名、山崎順。

関連タグ:山崎純二
  • ツイート
▼関連記事を見る  ▼クリスチャントゥデイからのお願い

関連記事

  • 死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―(7)一番したいことは 米田武義

  • 温故知神—福音は東方世界へ(16)唐代景教石刻「大秦景教宣元至夲経」③ 川口一彦

  • 経営者のための聖書経営学セミナー「キリストの人材教育」(15)ユダヤ人は教育熱心 黒田禎一郎

  • 貧民救済に命賭けて―山室軍平の生涯(3) キリスト教に入信する

  • 御霊のクリスチャン(1) 神内源一

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

新型コロナウイルス特集ページ

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「神に触れられた」 トム・ハンクスの息子、無神論から大転換した経験語る

  • ビジネスと聖書(11)魂のエクササイズ 中林義朗

  • 全米最大の福音派養子縁組・里親支援団体、LGBTカップル容認を表明 福音派指導者からは失望の声

  • 教皇、5日から4日間イラクを訪問 歴代教皇初 途中ヘリでの移動も

  • アレサ・フランクリンの「アメイジング・グレイス」を収録した幻のライブ、撮影から49年経て映画に

  • 日本のカトリック教会が「性虐待被害者のための祈りと償いの日」

  • 信仰と不信仰の距離 安食弘幸

  • WEAのシルマッハー新総主事就任、演説で福音主義の核心語る

  • 世界宣教祈祷課題(3月6日):トゥルクマンス族

  • いのちより大切なもの 菅野直基

  • 「神に触れられた」 トム・ハンクスの息子、無神論から大転換した経験語る

  • 2021年の「レント(四旬節)」始まる、きょう「灰の水曜日」 その意味と由来

  • 宮城労働局が涌谷保育園元園長牧師のパワハラ認定、日本基督教団議長「解決に向けて全力尽くす」

  • 同性愛めぐり分裂見通しの米合同メソジスト教会、保守派が新教団名発表

  • 米南部バプテスト連盟、4教会を除名 性犯罪歴ある牧師雇用や同性愛支持で

  • 信仰と不信仰の距離 安食弘幸

  • 聖書はコロナ禍のクリスチャンに希望を与えている 英国聖書協会が調査

  • 「聖書は神の言葉ではない」 進歩主義の米教会がSNSの投稿で炎上

  • ラビ・ザカリアス氏性的不品行問題、独立調査の最終結果発表 団体が謝罪

  • 全米最大の福音派養子縁組・里親支援団体、LGBTカップル容認を表明 福音派指導者からは失望の声

  • 「神に触れられた」 トム・ハンクスの息子、無神論から大転換した経験語る

  • 2021年の「レント(四旬節)」始まる、きょう「灰の水曜日」 その意味と由来

  • 宮城労働局が涌谷保育園元園長牧師のパワハラ認定、日本基督教団議長「解決に向けて全力尽くす」

  • 同性愛めぐり分裂見通しの米合同メソジスト教会、保守派が新教団名発表

  • 米南部バプテスト連盟、4教会を除名 性犯罪歴ある牧師雇用や同性愛支持で

  • 信仰と不信仰の距離 安食弘幸

  • 聖書はコロナ禍のクリスチャンに希望を与えている 英国聖書協会が調査

  • 「聖書は神の言葉ではない」 進歩主義の米教会がSNSの投稿で炎上

  • ラビ・ザカリアス氏性的不品行問題、独立調査の最終結果発表 団体が謝罪

  • 全米最大の福音派養子縁組・里親支援団体、LGBTカップル容認を表明 福音派指導者からは失望の声

編集部のお勧め

  • 「クリスチャンだからこそ、もっと知って祈って関わってほしい」 人身取引に取り組む「ゾエ・ジャパン」

  • パンデミック時代の宗教の可能性探る IPCR国際セミナーで日中韓のキリスト者も発題

  • コロナ禍で増える自殺、奥田知志牧師「宗教にできること、いっぱいあるのでは?」

  • 日本から遠く離れた地の日本人伝道最前線 駐在員家族120人に福音伝える英語教室

  • 「開拓伝道は失われた人々への憐れみの心」 第23回断食祈祷聖会1日目

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 論説委員・編集部
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 問い合わせ・アクセス
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • Twitter
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2021 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.