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神の存在証明

神の存在証明(13)初期仏教と大乗仏教 山崎純二

2015年5月21日07時33分 コラムニスト : 山崎純二
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関連タグ:山崎純二仏教

何者か偉大な人間以上の存在が世界を主幹していることは分かったけれど、それなら私はそれを神(GOD)とは呼ばずに「仏」と呼ぶという方も、日本には多くいると思います。それはそれで、各自の信仰なのだと思いますが、気になる点を書かせていただきたいと思います。

初期仏教の中核的な教え

ます釈迦がどのようなことを教えたのかを確認したいと思います。釈迦の教えのうち、どれが最重要なものであるかは、緒論ありましょうが、「縁起」「無常」「無我」「空」「解脱」「中道」あたりが、初期(原始)仏教の中核になるかと思います。私なりにこれらの教えを分かりやすく噛み砕くとこうなります。

縁起:仏教で「縁起」という時には、2つの概念で語られることが多いようです。一つは人、動植物、世界、宇宙万物など全ての間における「関係性(有機的繋がり)」です。もう一つは、「無明(無知)」であるから「執着(しゅうじゃく)」があり、「執着」あるから「苦」があるというような、苦しみの原因として語られる場合です。

無常:万物は移ろいゆく儚(はかな)いものなので、それらに執着するな。ただし、万物に実態はなくとも「縁起」による関係性があるので、それらは虚無ではない。

無我:自我も同様に、実態は「無」なのだから自我(また生老病死)に執着するな。ただし、人生は「他者」や「世界」との繋がりがあるので、無意味ではない。

空:上述の無我・無常・縁起を合わせた世界や自己の全てを含めた概念であり、「有る」とも「無い」とも言い切れない「一切(いっさい)」のもの。「一切皆空」や「色即是空」という言葉で表現される。

解脱(げだつ):これら全てを覚り「無明(無知)」「執着」などの「縁起」から脱する時、心は永遠の安らぎに入り、魂は輪廻の苦しみから脱し、涅槃寂静に至る。

中道:この覚りに至るため、修行僧は「快楽」に溺れてはならず、かといって「苦行」に走ってもならない。また、無常無我だからといって、虚無に陥ってもならず、幻である現世の欲望の虜になってもならない。

釈迦は良く知られているように、一人の人間として(釈迦族の王子として)生まれ、疑問を持ち、家を出て、苦悩し、苦行し、修養し、瞑想し、1つの非常に卓越した覚りを開いた方です。彼は上述のように世界や自我に執着することにより生じる苦しみからの解放、また輪廻からの解脱の理(ことわり)を説いたのです。

しかし彼は、自身が世界を造ったり導いたりしている超越者だとか、永遠の昔から「仏(悟った者)」として存在していただとか、ましてや念仏を唱えさえすれば成仏できるなどとは教えていません。

ところが、仏教が上座部仏教と大乗仏教に分かれた後、大乗仏教の教えの中に、念仏による極楽往生(阿弥陀仏・西方浄土)の思想や、久遠実成、久遠常住などの考え方が広まっていくようになります。西方浄土とは、阿弥陀仏を教主とする西方に十万億の仏土を隔てた所にある浄土・極楽のことであり、念仏を唱えさえすれば、そこへ成仏できるとするものです。久遠実成とは、釈迦仏がインドに生れて35歳で悟りを開いたのではなく、五百塵点劫という想像を絶する遠い過去にすでに成仏していたとする教えであり、久遠常住とは、釈迦は死後も永久に存在するとする教えです。なぜこのような教えが生まれたのでしょうか。

正典論

このことは「正典論(文献学)」を抜きに語ることはできません。まず、仏教の経典はいくつあるのでしょうか。数え方にもよるでしょうが、1千から3千はあるようです。では、それら全てが正しい釈迦像をまたその教えを純粋に反映していると言えるでしょうか。答えは、おそらく熱心な仏教徒の方でもNOと答えられるでしょう。ではその中で、どの経典を正典(Canon)とするべきかというのが、正典論です。

聖書の正典論と比較すると分かりやすいかと思います。聖書の文献学では、正典、外典、偽典という分類があります。外典とは正典と異質な教えを含んでいるために参考程度に読まれるものであり、偽典とは後の時代の人々が任意に作った書であり、正典かどうかの検討すらする価値のないものです。

例えば福音書に関しては、キリストの直弟子(使徒)や孫弟子までに由来するものが正典とされる最低条件です。つまり1世紀に書かれたものだけが、言い方を変えるとキリストが去った後、70年以内までに書かれたものまでが、ギリギリ正典として認めうるラインです。とはいえ、2世紀程度までに書かれたものなら、まだまだ初期の「イエス像」や「イエスの教え」を正当に語り継いでいるのではと思われる方もいるかもしれません。もちろんそのような部分もあるでしょうが、正典とはかけ離れた描写も多く出てきます。例えばある外典には、このようなエピソードが書かれています。

「幼少のイエスが土で雀を作ったところ、それを壊そうとする人が来た。そこで、イエスが手を叩くと土の雀は生きた雀となり、飛んで逃げていった」

このような内容は、正典である4福音書(マタイ・マルコ・ルカ・ヨハネの福音書)を読まれた方なら、すぐに異質のものであると感じるでしょう。

まことしやかに「世紀の大発見!!」「幻の福音書!!」などと喧伝(けんでん)される「トマスによる福音書」や「ユダの福音書」なども全て2世紀後半から3世紀以降に書かれた外典・偽典に分類されるものであり、正典と整合性の取れる部分は参考程度にはなるでしょうが、異質な部分が正典に優先することはあり得ません。

1世紀や2世紀と言われると、どちらも大昔のことなので大差がないように感じるかもしれませんが、現代に置き換えるとすぐにピンときます。今は戦後70年と言われていますから、今仮に95歳の方が終戦について語ると、当時25歳だったわけですから、記憶の曖昧なところがあるとしても、おおむねその方の証言は重要な資料となり得ます。これが正典に相当するものです。もしくは、団塊の世代くらいの人たちが、昔親から聞いた戦争の話をまとめたものと理解してもよいでしょう。ところが、2世紀後半に書かれたものとなると、キリスト後150年以上は経っていますから、今新たに江戸時代末期について書くようなものです。もちろん昔の資料を参考にすれば、江戸時代についても新たな本を書くことはできるでしょうが、昔の資料を超越して新たな事実や内容を書き足すことは許されません。しかし、外典(特に偽典)は1世紀に書かれた正典と異質な内容を多く含むため、後代の人々が自分たちの思想をもとに自作した部分が含まれていると言わざるを得ず、とうてい私たちの魂の永遠の行方をゆだねるに値しないものなのです。

大乗仏教

しかし日本などで広まっている大乗仏教では、比較的初期の仏教経典である「阿含経」などよりも、釈迦没後500年以上も後に書かれた経典を正典として重んじています。当然その内容は初期の釈迦像や釈迦自身の教えから大きく乖離(かいり)している可能性があるわけです。

結論を言いますと、後代に創作された経典や、ある宗派が釈迦を永遠の昔から悟りを開いた者だなどと主張したり、仏を超越的な世界の主幹者だとしたり、念仏によって成仏できると説いているとしても、それは釈迦自身の教えとは異質のものであろうということです。『つぎはぎ仏教入門』という非常に分かりやすい良書を書かれた呉智英氏によると、大乗非仏説論(大乗仏教の経典は釈迦が説いた仏説にあらず)というものが、上述のような理由から唱えられるようになり、近代的文献学が進むにつれ、そのことはますます確かになっているとのことです。大乗仏教の教えの全てが釈迦の教えにあらずという意味ではありません。

私は日本の皆様が仏教に親しみや魅力を覚えるというのは、ある意味当然だと思います。それは日本に早くから伝来し、近所にお寺も多くあるため、幼いころから馴染みの深いものだろうし、最初に述べたように釈迦自身が非常に深く鋭い理(ことわり)を説いているからです。私自身も仏教とは異なる世界観を持っていますが、釈迦の教えから学ばされることは多々あります。しかしもしも、仏教の教えを受け入れているからには、神の存在を否定しなければならないと考えている方がいるならば、今まで説明してきたように必ずしもそれらは二者一択の対立概念ではないので(少なくともオリジナルの釈迦自身の教えを仏教とするならば)、それらを一旦切り離し、あなたを造りあなたを愛してやまない「神の存在」にも想いを馳せていただきたいなと思うのです。

※仏教に関しては、上述の呉智英氏をはじめ、仏教者の宮崎哲弥氏など色々な方の著作や講演などから多くを学ばせていただき、Wikipediaやブリタニカ国際大百科事典などのweb百科事典で用語の確認などをさせていただいたことを言明しておきます。

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◇

山崎純二

山崎純二(やまざき・じゅんじ)

1978年横浜生まれ。東洋大学経済学部卒業、カナタ韓国語学院中級修了、成均館大学語学堂(ソウル)上級修了、JTJ宣教神学校卒業、ブルーデーター(NY)修了、Nyack collage-ATS M.div(NY)休学中。韓国においては、エッセイコンテスト「ソウルの話」が入選し、イ・ミョンバク元大統領(当時ソウル市長)により表彰される。アメリカでは、クイーンズ栄光教会に伝道師として従事。その他、自身のブログや書籍、各種メディアを通して不動産関連情報、韓国語関連情報、キリスト教関連情報を提供。著作『二十代、派遣社員、マイホーム4件買いました』(パル出版)、『ルツ記 聖書の中のシンデレラストーリー(Kindle版)』(トライリンガル出版)他。本名、山崎順。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:山崎純二仏教
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