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シリア語の世界

シリア語の世界(36)シリア語聖書理解とシリア語作家たち 川口一彦

2025年11月10日21時28分 コラムニスト : 川口一彦
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関連タグ:川口一彦

1. 東方教会の聖書理解

聖書理解の根本には、聖書が神の特別啓示であり、そのことを読者や信徒に気付かせ、想起させるという重要な意味がある、とある指導者は言う。

イエスの話し言葉がアラム語であるなら、アラム語方言のシリア語(ぺシート、簡潔の意味)で書かれた聖書は神の言葉であるといわれ、それを習得することにより、イエス信仰を取り戻していくことができるという。

新約聖書のギリシア語は、コイネー(共通の意)ギリシア語で書かれ、イエスの福音が欧州中に拡大していった。やがて欧州の古代キリスト教は、ギリシアやローマの哲学、宗教の影響を受けて成立していった。一例として、クリスマスの成立やマリア崇敬の普及がある。

一方、シリア語圏はセム的思考から、ユダヤの伝統を重視した。シリア語聖書は「民衆の聖書」として商人や農民に使われ、福音はペルシア、インド、中央アジア、中国まで拡大していった。特に、初期の東方教会教父たちはシリア語聖書を写し、シリア語による賛美歌や神学的著作を残した。

2. シリア語作家たちの紹介

シリア語による作家たちが生まれる。

A. シリアのエフレム(306?〜373)

彼はシリア語聖書に精通し、その著作に『楽園の歌』がある。歌集で、罪や贖(あがな)い、終末における希望と探求心、創世記のエデンの黙想を書いている。『異端反駁(はんばく)の歌』は、当時あった幾つかの異端の教えに反対するものとして書かれた。

彼は、タティアノスの『ディアテッサロン』(ギリシア語による4つの福音書を1つにしたもので、エウセビオスによれば約170年ごろの作といわれる)について議論した初期の注釈書を著した。このことから、既に4つの福音書の存在が認められていたといえよう。

ニサイビン(ニシビス)滞在中に書いた歌『ニシベネの歌』は、当地の教会共同体が抱えていた牧会的、神学的困難さを取り扱っている。

B. ペルシアの学者アフラハト(280?〜345)

彼は23の論考から成る『デモンストレーション』を著し、神学、倫理、実際上の諸問題を扱い、愛、信仰、断食、謙虚さ、復活などを分かりやすく解説した。

C. セルグのヤコブ(451〜521)

彼はユーフラテス川のハラン近郊で生まれた。説教者としても有名な彼の主な作品は、韻文による詩的な説教集で、聖徒の生涯、聖書物語、イエスの受肉の洞察、イエスと聖餐の本質に関する神学的な考察など、幅広い内容を取り扱っている。800以上もの説教集があるといわれる。

D. メルブのイショダド(9世紀)

司教であり学者でもある彼は、初期シリア語の解釈を統合し、テキストを詳細に分析して霊的な考察を提供したといわれている。

シリア語による学び:ヨハネの福音書1章1節(右から左に読み書く)

シリア語の世界(36)シリア語聖書理解とシリア語作家たち 川口一彦

シリア語の「ことば」は、臨在とか顕現の意味があり、神的概念である。古代ギリシア語の「ロゴス」は、理性の意味があり、抽象的である。それは、語彙(ごい)の背景が旧約のへブル的か、異教のギリシア的かで異なる。しかし、ユダヤ人であるヨハネは、ロゴスを人格的表現で、先在のイエスとした。

シリア語の世界(36)シリア語聖書理解とシリア語作家たち 川口一彦

(続く)

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※ 参考文献
川口一彦著『古代シリア語の世界』(イーグレープ、2023年)
Valeria Meadow『The Syriac Bible』(2025年)
Elizabeth Hart『The Syriac Bible』(2024年)

◇

川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

愛知福音キリスト教会(日曜と火曜集会)ならびに名古屋北福音キリスト教会(水曜集会)の宣教牧師。フェイスブックで「景教の研究・川口」を開設。「漢字と聖書と福音」「仏教とキリスト教の違い」などを主題に出張講演も行う。書家でもあり、聖書の言葉を筆文字で書いての宣教に使命がある。大学や県立病院、各地の書道教室で書を教えている。基督教教育学博士。東海聖句書道会会員、書道団体以文会監事。古代シリア語研究者で日本景教研究会代表。特に、唐代中国に伝わった東方景教を紹介している。著書に『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』など。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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