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カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声

2025年10月31日21時19分
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関連タグ:カンタベリー大聖堂英国国教会英国
カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声+
グラフィティ風の装飾が施されたカンタベリー大聖堂内の様子(写真:同大聖堂のウェブサイトより)

英国国教会の総本山であるカンタベリー大聖堂のグラフィティ・プロジェクトに対し、批判の声が相次いでいる。中には、教会にとって「自殺」に等しいと厳しく批判する声もある。

グラフィティは、壁や電車など公共物にスプレーなどを使って描く文字や絵の総称で、英語で「落書き」を意味する。公共物の破壊と見なされる場合がある一方、社会的なメッセージを帯びた芸術と見る向きもある。英国を拠点に活動する正体不明のアーティスト、バンクシーの作品も、グラフィティの一種とされる。

「Hear Us(私たちの声を聞いて)」と名付けられたこのプロジェクトは、グラフィティ風に書かれた神に対する問で構成されている。これらの問はとりわけ、神は本当に存在するのか、神はなぜ憎しみを生み出したのか、といったキリスト教信仰に疑問を投げかける内容になっている。

カンタベリー大聖堂のデイビッド・モンティース首席司祭は、プロジェクトを擁護する立場を示している。モンテイス氏は、「この展示は意図的に文化、様式、ジャンルの橋渡しになっています。多くを語るべき若者たちの賜物を受け取ることを可能にしています」と主張している。

しかし、多くの反応は否定的だ。J・D・バンス米副大統領や米テスラ社の最高経営責任者(CEO)で億万長者のイーロン・マスク氏といった国際的な著名人も、この展示を批判している。

米テキサス州の聖公会系メガチャーチ「クライスト・チャーチ」の創立者であるデイビッド・ローズベリー司祭は、自身のウエブサイト(英語)でプロジェクトを批判。英国国教会は、霊的な導きを求める人々に対して、それを提供する務めを怠っていると主張している。

ローズベリー氏は、グラフィティが投げかる問は、問のまま残されるべきものではなく、その世界観に確信を持ち、自信を持つ教会によって答えられるべきものであると指摘。しかし、英国国教会はその代わりに、キリストなき世界と関係を持とうとする試みの中で、弱々しく問を提示し、それらを未回答のままにしていると批判している。

「私たちがカンタベリー大聖堂で見ているものは、至る所にある問だが、答えを見つけようとする意図が見当たりません。大聖堂は問いかけで満たされていますが、真理の宣言に対する飢え渇きはほとんどありません。芸術家は『あなた(神)は存在するのですか』と疑問を投げかけ、首席司祭はその疑問を深遠だと評しています」

「しかし、誰かが勇気を出して答えればこそ、それは深遠なのです。さもなければ、それは不信仰へのもう一つの記念碑に過ぎません」

LGBT(性的少数者)の問題などを巡り、米国聖公会から独立した北米聖公会の設立に深く関わるなど、保守的な立場に立つローズベリー氏は、グラフィティの問題に加えて、何世紀にもわたる前例を破って女性をカンタベリー大主教に任命したことについても、英国国教会の憂慮すべき姿を示しているとつづっている。

「これらの見出しを合わせると、当惑すべき悲劇的な問題が見えてきます。英国国教会は部外者によって殺されているわけではありません。教会自身が自らを滅ぼしているのです。これは破壊行為や迫害ではありません。自殺です」

このプロジェクトは、マルクス主義的な背景を起源に持つ英オンライン誌「スパイクド」のコラムニストさえ、否定的だ。

同誌のコラムニストでコメディアンのサイモン・エバンス氏は、プロジェクトについて「カンタベリー大聖堂に対する退屈でうんざりする冒瀆(ぼうとく)」という見出しのコラム(英語)を掲載した。

エバンス氏はこの中で、プロジェクトを主導した人たちは、1400年前にさかのぼる歴史があるカンタベリー大聖堂の管理者としての役割を考慮していないと指摘。流行に迎合する聖職者たちが信仰と伝統を空洞化させているなどと批判している。

※ この記事は、英国クリスチャントゥデイの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。一部、加筆・省略など、変更している部分があります。
関連タグ:カンタベリー大聖堂英国国教会英国
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