福音派の国際支援団体「サマリタンズ・パース」は3日、アフリカで運用していた小型ターボプロップ輸送機が2日にハイジャックされたと発表した。容疑者の男は拘束され、重傷者は報告されていないという。
ハイジャックされたのは、米セスナ社製の単発ターボプロップ汎用輸送機「グランドキャラバン」で、サマリタンズ・パースが所有し、アフリカ大陸内のみで運用していた。南スーダン北東部マイゥートにいた移動医療隊に医薬品を届けるため、首都ジュバから向かっていたところをハイジャックされた。
当時、機体にはパイロットとスタッフの計2人が搭乗していた。パイロットは最終的に西部ワーウに機体を着陸させた。機体がワーウに着陸した後、南スーダン国家治安局が容疑者の男を拘束した。
サマリタンズ・パースは、声明(英語)で次のように述べた。
「重傷者が出なかったことを神に感謝するとともに、この状況を解決し、安全な結果をもたらすために、現地で支援と迅速な行動を取ってくださった治安部隊に感謝しています」
AP通信(英語)によると、拘束されたのは、ヤシル・モハメド・ユスフ容疑者。産油地として知られ、南スーダンとスーダンが領有権を争っている国境地域アビエイの出身で、離陸前に機内に忍び込み、後部客室に隠れていたという。動機は不明だが、近隣の国チャドに行くことを望んでいたとされる。
サマリタンズ・パースは、数年にわたり南スーダンで支援活動を展開してきたが、その間度々危険な状況に直面してきた。
2017年には、中北部ユニティ州マイエンディト郡でスタッフ8人が、地元の反政府勢力によって拉致される事件が発生した。8人はその後、幸いにも無傷で解放された。政府軍は身代金目的の拉致としていたが、反政府勢力はそれを否定し、サマリタンズ・パースも金銭を支払うことなく解放されたとしている。
今年11月には、洪水被災者への支援物資2トンを輸送するため、サマリタンズ・パースがチャーターしていた航空機が墜落し、搭乗していた3人全員が死亡する事故が発生した。墜落したのは、地元のナリエア社が所有する機体で、ユニティ州リーア郡の飛行場から約20キロ離れた場所に墜落したという。サマリタンズ・パースの南スーダン副責任者のビクラム・ライ氏はロイター通信(英語)に対し、次のように語っていた。
「現地チームが墜落現場に到着しましたが、乗員3人全員の死亡を確認せざるを得ませんでした。われわれは、深い悲しみを抱いています」

















