Skip to main content
2025年7月6日06時46分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
不条理なる死を不可知の光で中和せよ

復活はないのか(その2) マタイ福音書28章

2025年5月21日23時41分 コラムニスト : 藤崎裕之
  • ツイート
印刷
関連タグ:マタイによる福音書藤崎裕之
不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(80)+

不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(80)

※ 前回「復活はないのか(その1)」から続く。

兵士たちは、祭司長や長老たちから多額の金を受け取ってうその証言をした。「弟子たちが夜中にやって来て、我々の寝ている間に死体を盗んで行った」と。見張り役としてはどうかと思う。自分たちが全く見張り役になっていないということを、証言させたということになる。

遺体を盗まれるということに、どれほどの落ち度があるのかは私には不明であるが、見張っていたはずの遺体を、丸腰の弟子たちに盗まれたわけであるから、兵士としてはめちゃくちゃ不名誉なことだろうと思う。自分たちの不名誉をさらしてもよいと思うくらいに多額のお金であったと想像するべきか、あるいは、お金というものは兵士に名誉を捨てさせるほどの誘惑となったというべきか。

「この話は、今日に至るまでユダヤ人の間に広まっている」とマタイは証言しているのであるが、マタイが福音書を書いたであろう時期は、この事件の少なくとも40年くらい後のことであるから、随分長い間、イエスの遺体は盗まれたのだと記憶されていたことになる。イエスの復活はなかったのだ、墓が空になって遺体が行方不明になってしまったのは、キリスト教徒たちの「工作」であったのだ、ということにされていたわけである。

マタイの証言がまあまあ確かであるとしたら、とにかくイエスの墓には死後3日目から遺体がなかったということが、ユダヤ人たちの間でも認められていたということになる。これは大スキャンダルではないか。

イエスの墓は空っぽになってしまったのである。私は殺されるが必ず復活すると宣言していた人物は、少なくともその遺体のままで墓に埋葬され続けていたわけではないのだ。故に当時のキリスト教徒たちは、イエスの墓参りになど行かなかったであろう。

いつの頃からであろうか、エルサレムにある聖墳墓教会は巡礼者で賑わうようになったのであるが、まさかこの人たちは、いわゆる「墓参り」に行っているわけではなかろう。もしイエスの墓参りに訪れたい人がいれば、青森県の新郷村にあるキリストの墓を訪れるべきだ。そこではキリスト祭が現地の神主によって守られている。私もいつか訪ねたいと思っているが。

聖墳墓教会に巡礼する理由があるとしたら、それはそこが「空っぽ」であるという事実の確認であろう。では、墓が空っぽであるという事実は、われわれにとってどういう意味があるのか。イエスは復活したのだというなら、それが一番良いのだ。あるいは、神であるイエスは決して死んだままではないと考えるか。復活というどう考えてもあり得ないことを信じないとダメだというわけではない。イエスは十字架で死んだままではないと、そこに精神的な意味を見いだすというなら、それも立派な受け止め方だ。

弟子たちが遺体を墓から盗んでいったことにしたというのは、全く陳腐極まりない。しかし、そのようなうそを兵士たちにつかせた祭司長や長老たちが、やがてキリスト教徒になったとは考えづらいので、もはや彼らのことは思い切って放置でよいであろう。そのように言いたいのなら、40年といわず、100年でも、1000年でも言わせておけばよいのである。どうせこちら側にしても、イエスが復活したのだと説明はできたとしても、実証など不可能なのだ。

いやいや、2000年後も世界中にキリストの教会が存在している、それがイエスの復活の証拠なのである。と言いたいところだが、私には言いたくても言えない。そういう説明は敗北に過ぎないようにさえ思う。なぜかと言えば、残念であるが、キリスト教会がイエス・キリストの教えに忠実であったとは言い難いし、それは今も継続中だと思うからであるが、いかがであろうか。

不思議なことに、キリストの復活はあったのだと説明するよりも、むしろ、キリストは文字通りには復活しなったかもしれないけれども、思想的に、あるいは精神的には復活し、今日の世界に生き続けている!と主張することに、今日の教会は結構なエネルギーを費やしているように思う。特にこの日本においては、そういう傾向が強いのではないか。キリストの復活の意味を一生懸命に伝えようとしている、その思いと熱心さには尊敬を感じてはいるのであるが、何かむなしい気持ちもある。

復活は、ユダヤ人が言い広めたように「なかった」ことなのだろうか。ハッキリ言って、そんなことはかけらも気にする必要はない。イエスは復活したと信じられる人にしか、信じることなど不可能なのである。イエスの復活にどういう意味を見いだそうが、信じられない人の心には何も響かないのだ。

そんなことよりも、イエスの言葉や行動がどれほどに善と愛に満ちていたのかを語る方が、有益ではないだろうか。キリスト教とはイエスの復活を祝う宗教ではあるが、一方で信仰を持たない人にもある程度は人生の意味と意義を教えるものである。人々の入信を願って宣教するのか、イエスが実現しようとした善と愛のために宣教するのか。われわれの心は絶えず揺れ動いてゆく・・・。(終わり)

<<前回へ     次回へ>>

◇

藤崎裕之

藤崎裕之

(ふじさき・ひろゆき)

1962年高知市生まれ。明治から続くクリスチャン家庭に育つ。88年同志社大学大学院神学研究科卒業。旧約聖書神学専攻。同年、日本基督教団の教師となる。現在、日本基督教団隠退教師、函館ハリストス正教会信徒。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:マタイによる福音書藤崎裕之
  • ツイート

関連記事

  • 罪とは都合の良い言葉である(その1) マルコ福音書14章27~31節

  • 聖地があるなら行ってみたい(その1) ルカ福音書19章45節~20章27節

  • 堕落とは人生の深掘りである(その1) マルコ福音書12章13~17節

  • 犬も歩けば棒に当たる的な(その1)

  • なんちゃってキリスト教外論 多元宇宙論について

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • 学校法人聖学院、新理事長に田村綾子氏

  • 聖書から事実を引き出す学び「IBS」を分かりやすく説明する講座 7月12日から

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 聖書のイエス(12)「初めに、ことばがあった」 さとうまさこ

  • 苦しみというプレゼント 菅野直基

  • ワールドミッションレポート(7月6日):タイ 麗しきかな、良き知らせを告げる者の足は

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • シリア語の世界(27)シリア語旧約聖書の各書名と1章1節の和訳 川口一彦

  • ワールドミッションレポート(7月5日):コロンビア コカ農家から最前線の福音伝道者へ

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(225)エンディングを伴走して日本宣教を進めよう! 広田信也

  • ヨハネの黙示録(4)死とハデスの鍵 岡田昌弘

  • シリア首都で教会狙った自爆テロ、25人死亡 現地のキリスト教徒ら、さらなる暴力懸念

  • 花嫁(28)伝道の思い 星野ひかり

  • 全ての人の主イエス・キリスト 万代栄嗣

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(7)人は「単独者」である 三谷和司

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 学校法人聖学院、新理事長に田村綾子氏

  • Gゼロ時代の津波石碑(3)日中韓、泥沼化する「桜の起源」論争 山崎純二

  • 同志社女子大学とノートルダム女学院高校、教育連携協定を締結

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(233)聖書と考える「キョコロヒー」

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(225)エンディングを伴走して日本宣教を進めよう! 広田信也

  • 苦しみというプレゼント 菅野直基

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.