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コヘレト書を読む

コヘレト書を読む(23)「神の手の中にある人生」―死は免れられないものだが― 臼田宣弘

2019年5月16日11時52分 コラムニスト : 臼田宣弘
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関連タグ:コヘレトの言葉(伝道者の書)臼田宣弘

 〔善人にも悪人にも〕

8:14 この地上には空しいことが起こる。善人でありながら、悪人の業の報いを受ける者があり、悪人でありながら、善人の業の報いを受ける者がある。これまた空しいと、わたしは言う。

〔神の手の中にある人生〕

15 それゆえ、わたしは快楽をたたえる。太陽の下、人間にとって、飲み食いし、楽しむ以上の幸福はない。それは、太陽の下、神が彼に与える人生の、日々の労苦に添えられたものなのだ。16 わたしは知恵を深めてこの地上に起こることを見極めようと心を尽くし、昼も夜も眠らずに努め、17 神のすべての業を観察した。まことに、太陽の下に起こるすべてのことを悟ることは、人間にはできない。人間がどんなに労苦し追求しても、悟ることはできず、賢者がそれを知ったと言おうとも、彼も悟ってはいない。9:1 わたしは心を尽くして次のようなことを明らかにした。すなわち、善人、賢人、そして彼らの働きは、神の手の中にある。愛も、憎しみも、人間は知らない。

〔善人にも悪人にも〕

人間の前にあるすべてのことは 2 何事も同じで、同じひとつのことが善人にも悪人にも良い人にも、清い人にも不浄な人にも、いけにえをささげる人にもささげない人にも臨む。良い人に起こることが罪を犯す人にも起こり、誓いを立てる人に起こることが、誓いを恐れる人にも起こる。3 太陽の下に起こるすべてのことの中で最も悪いのは、だれにでも同じひとつのことが臨むこと、その上、生きている間、人の心は悪に満ち、思いは狂っていて、その後は死ぬだけだということ。4 命あるもののうちに数えられてさえいれば、まだ安心だ。犬でも、生きていれば、死んだ獅子よりましだ。5 生きているものは、少なくとも知っている、自分はやがて死ぬ、ということを。しかし、死者はもう何ひとつ知らない。彼らはもう報いを受けることもなく、彼らの名は忘れられる。6 彼らの愛も憎しみも、妬みすらもすでに消え去っている。太陽の下で行なわれるすべてのうちで、彼らにはとこしえに受ける分はない。(8:14~9:6、新共同訳 9:6は聖書協会共同訳)

ここは、今までに何度かお伝えしている修辞法の一つ、インクルージオ(囲い込み)で書かれているものとして読みたいと思います。コヘレトがこの部分でインクルージオを意図していたと、はっきりと言い切るまではいきませんが、その構造で書かれているものとして読むと、少なくとも理解がしやすくなると思います。

8:14 〔善人にも悪人にも〕
8:15~9:1a 〔神の手の中にある人生〕
9:1b~6 〔善人にも悪人にも〕

このような構造になっているものとして読んでみましょう。〔神の手の中にある人生〕とテーマ付けされる内容が、〔善人にも悪人にも〕という内容によって囲い込まれているのです。本コラムの第15回でお伝えしたように、9章6節でコヘレト書第2部は終わりです。ならば、「太陽の下で行なわれるすべてのうちで、彼ら(死者)にはとこしえに受ける分はない」という終わり方をするのは、ちょっとむご過ぎます。むしろ、8章15節~9章1節aの〔神の手の中にある人生〕というポジティブなことを浮かび上がらせるために、〔善人にも悪人にも〕という理不尽な内容の9章1節b~6節が書かれていると見る方が良さそうです。

最初に、囲い込んでいる外側の部分を見てみましょう。「善人でありながら、悪人の業の報いを受ける者があり、悪人でありながら、善人の業の報いを受ける者がある」(8:14)、「人間の前にあるすべてのことは何事も同じで、同じひとつのことが善人にも悪人にも良い人にも、清い人にも不浄な人にも、いけにえをささげる人にもささげない人にも臨む。良い人に起こることが罪を犯す人にも起こり、誓いを立てる人に起こることが、誓いを恐れる人にも起こる」(9:1b~2)。こう書かれています。コヘレトはここで、善いことをする人にも、そうでない人にも同じことが起こるとして、それは「空しい」(8:14)と言います。

コヘレトは、その空しさの最たることは、すべての人に等しく死が来ることであるとしています(9:6)。これがインクルージオの外側の部分で言わんとしていることだと思います。コヘレトは、「彼ら(死者たち)にはとこしえに受ける分はない」と言います。「分(ヘレク / חֵלֶק)」は、本コラムの第10回と第14回でお伝えしましたが、聖書ヘブライ語辞典では、「分配、分け前、取り分」とされている言葉です。各回で書かせていただいた通り、コヘレトは「食べて飲むこと」を神様からの「分」として受け取っています。これは日本の概念では分かりにくいのですが、土地の嗣業(しぎょう)という概念とも関係すると思われる、ヘブライに特有な概念です。けれどもその「分」は、すべての人に等しく来る「死」の後に、死者が受けることはできないと、コヘレトは言っているのです。

そのような「すべての人に等しく死が訪れ、そこでは受ける分はない」という内容にサンドイッチされて、〔神の手の中にある人生〕という内容が説かれているのです。「太陽の下、人間にとって、飲み食いし、楽しむ以上の幸福はない」(8:15)と、2章24~25節、3章13節、5章17節に続いて4度目となる、「食べて飲むという神様からのプレゼント」について記されています。それは、「神の手の中にある人生」に添えて与えられるものだ、というのです。

コヘレトは、「神のすべての業を観察した」が、「太陽の下に起こるすべてのことを悟ることは、人間にはできない」と言います(8:17)。すべては「神の手の中にある」(9:1)からです。「神の手の中にある人生」、これが、コヘレトの説く教えの中で重要なモチーフの一つです。このモチーフを、「すべての人に等しく死が訪れ、死者には受ける分はない」という不条理なことでサンドイッチすることにより、浮かび上がらせているように思えます。

さて、8回にわたって、コヘレト書の第2部とされる7章1節~9章6節を読んでまいりました。第2部の背景には、他国の支配と黙示思想があることを確認してきました。つらい世界とそこから逃げ出す思想です。しかしコヘレトは、「神に与えられた人生を、その時々、神の手の内で一生懸命生きよ」と説いているように思えます。(続く)

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◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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